清潔感は「毛」にあらわれる
男性は『見た目を味方につけるべき』で、そのコツは『清潔感を身につけること』と前回お話ししました。では、男性の清潔感は主にどこから生まれるのでしょうか? 答えは、「毛」です。ここでいう毛とは、髪だけではありません。ヒゲはもちろん、眉毛、鼻毛、耳毛、体毛、陰毛に至るまで、全身に生えている「毛」のことです。なぜなら日本人の毛は、黒いが故に肌とのコントラストが強くて目立ちやすく、生えている範囲も広いから。見た目に及ぼす影響力が強いんです。
女性はなりたいイメージへ近づくためにメイクをしていますが、同様の効果が男性の毛にはあります。美意識の高い女性の中には、「メイクは身だしなみ」と断言する方もいらっしゃいます。そんな女性を見習って、男性も身だしなみとして「毛」は整えるべき。
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中でも、男性が特に意識すべきは、「髪」と「ヒゲ」。ともに顔や頭を囲むように生えていて、その人の印象を大きく左右します。髪がボサボサしていてヒゲも剃り残しがあったり、のばしっぱなしの男性には、不精な魅力というものがなくはないですが、清潔感という面ではもってのほか。社会人としても身だしなみが整っていないだらしない印象を与えます。
その他にも、髪型を変えるだけで薄毛が目立ちにくくなったり、ヒゲを計算して作ることで顔の大きさや輪郭や頰のたるみが気にならなくなるといった、メリットがあります。髪やヒゲは、多くの男性がこれまでも手をつけたことがあるパーツ、美容に抵抗がある男性でもトライしやすいはず。なのでできることから少しずつ始め、清潔感をモノにしていきましょう。
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まずはヒゲを制して、男を上げる
男性美容に抵抗がある人でも受け入れやすく、短期間で着実に清潔感を上げられるのが 、“ヒゲの剃り方を見直す”ことです。なぜなら、ヒゲは色が黒くて存在感がいうえ、顔の広範囲を占めるもの。顔の印象を大きく左右する重要なパーツです
。同時に、男性特有のものだからこそ、女性からの視線も自然と集まり、チェックも 厳しい(笑)。 毎日シェービングをしていても、カミソリ負けをしていたり剃り残しがあっては、清潔感が一気にダウンします。たかがヒゲ剃り。されどヒゲ剃り。侮れません。
そもそも、シェービングは多くの男性にとって毎日の習慣でありながら、正しい知識をもった人にヒゲの剃り方をきちんと教わった経験がある人は少ないはず。
そのため、多くの人が間違った自己流のヒゲの剃り方をし、肌を傷めています。ヒゲを剃った部分がカサカサする、粉が吹く、ニキビができるといった人は、この機会に正しいヒゲの剃り方をマスターしましょう。
まず押さえていただきたいのは、カミソリを滑らせる方向です。ヒゲの濃さや硬さによって、上から下へ滑らせる「順剃り」と、下から上へ滑らせる「逆剃り」のふたつに大きく分けられます。順剃りでも逆剃りでも、片方の手で肌を持ち上げてシワがないフラットな肌の状態にしてから剃りましょう。
©gettyimages【順剃り】毛流れに剃っているので肌に負担が少ない。剃った毛の断面は広いので剃り残しに見えてしまうことも。 
©gettyimages【逆剃り】深く剃ること(いわゆる深剃り)ができ、剃った毛の断面も小さいためキレイに見え、生えてくるのも遅らせます。ただし毛を起こして剃るので肌の負担が大きい。また、先述したように、男性の肌は女性の肌と比較しても水分量が基本的に少なく、肌あれしやすい性質です。シェービング剤は必ず使うべきだし、カミソリの選び方やアフターケアも肌の状態に影響を与えます。
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自己流はNO！正しいヒゲの剃り方をマスターしよう
シェービングは、洗顔料の前に行います。乾燥した肌やヒゲは硬く、カミソリ負けを起こしがち。ぬるま湯で肌とヒゲを湿らせてから、剃りたい部分にシェービング剤をつけます。ヒゲが硬い人はバスルームで体が温まってから行うと、もっというと、蒸しタオルをヒゲに当てるとさらにヒゲが柔らかくなり、肌への負担が少なくキレイに剃れるようになります。
剃り始めるのは、頰やもみあげなど、面積が広い部分から。この部分のヒゲは比較的柔らかいので、片方の手でカミソリを動かす方向とは逆に肌を引っぱりながら「順剃り」をします。
あごや口周りは、硬いヒゲが生えやすい。シェービング剤や水分が浸透してヒゲが柔らかくなってから、「順剃り」で剃りましょう。
手で触ってザラつく部分のみ、「逆剃り」をします。逆剃りは毛を起こして剃るため皮膚の抵抗が強く肌への負担が大きい剃り方なので、絶対に力を入れず、最小限の範囲で行うこと。電動シェーバーで行う場合も同様です。
洗い残しがあると、かゆみや肌荒れの原因に。
シェービング剤なくして、清潔感は生まれない
洗顔料やボディソープの泡でヒゲを剃る人は多いけれど、それは絶対にNGな行為です。カミソリの滑りをよくする点では問題ありませんが、シェービング剤にはヒゲを柔らかくして剃りやすくするという洗顔料にはない効果があります。
カミソリ負け予防にも有効で、ヒゲが濃い人は青く残りにくくなるのもメリットです。シェービング剤を使うか否かでは、清潔感や肌状態のよし悪しが大きく変わるので、カミソリ派も電動シェーバー派も必ず使うようにしてください。
シェービング剤には、ジェル、ミルク、オイルなど、さまざまな形状がありますが、僕がおすすめするのは「フォームタイプ」です。
いろいろ試した結果、カミソリでのシェービングには最適。なぜなら、濃密な泡がクッションのように肌を保護し、シェービングによる肌への負担を大きく減らしてくれるから。
そのためにも、シェービング剤は、泡のキメが細かく弾力性の高いものを選びましょう。そして、シェービング後は必ず剃り残しがないか、チェックをしましょう! 顔の正面はもちろん、側面やあごの裏側、首筋までくまなく確認してください。
ここまで行って、"シェービング終了"です。
シェービングは肌の表面を削るような行為に似ていて、目には見えなくても、毎日多くの細かな傷を肌は負っています。シェービング剤の使用は当然ですが、ヒゲを剃った後には必ずアフターシェーブローションを使ってスキンケアをする習慣も身につけてください。
ニベアメン シェービングフォーム スムース/ニベア花王
クリーミーで濃密、かつ弾力もある泡がワンプッシュで出てくるタイプ。分厚い泡が肌をしっかり包み込み、深剃りをアシスト。ヒゲ剃り後の肌を整えるうるおい成分を配合。肌質を問わず使いやすい、ノンアルコール＆ノンメントールタイプ。オープン価格
ニベア花王
0120-165-699
https://www.niveamen.jp/
シック ハイドロシェービングフォーム／シック・ジャパン
キメ細かい立体泡が、押すだけで出てきて便利。肌を潤す成分であるヒアルロン酸が２種類も配合され、シェービング後は思わず触りたくなるほど、しっとりすべすべの肌に。肌が乾燥しやすい人には特におすすめ。オープン価格
シック・ジャパン㈱
お客様相談室
TEL：03-5487-6801（代）
www.schick-jp.com
アフター シェイブ スプラッシュ／クラランス
シェービング後の肌をみずみずしく潤し、カサつきやヒリヒリ感を予防する化粧水。同時に、ひんやりクールな感触で肌をキュッと引き締め、なめらかな状態に整える働きもある。清涼感のある香りに、気分もリフレッシュ！ 定価：4,500 円（税抜）
キールズ ハーバル トナー フォー メン アルコールフリー／ KIEHL’S SINCE 1851（キールズ）
ペパーミントオイルを配合したフレッシュでみずみずしいテクスチャーの化粧水。ひんやり心地いい使用感と贅沢な潤い感でアフターシェービングローションとしても使用可能。
定価： 3,000 円（税抜）/250ml
TEL：03-6911-8562
www.kiehls.jp
「5枚刃=刺激が強い」はウソ
シェービングの手段は、T字カミソリと電動シェーバーのふたつに大きく分けられます。ヒゲの硬さが柔らかい〜普通で、すべて剃る人にはどちらも適していますが、部分的に残したり形をつけたり、いわゆるデザイニングをする人には、T字カミソリが向いています。
ヒゲが硬い&濃い人も、T字カミソリが適しています。また、僕がいろいろ試した結果では、正しいやり方で剃れば、電動シェーバーよりT字カミソリのほうが肌への負担は少なめです。敏感肌の人には、T字カミソリでのシェービングをおすすめします。
T字カミソリは、選び方に迷いますよね。今は3枚刃から5枚刃が主流ですが、ヒゲをすべて剃る人に僕がおすすめするのは、横滑りから肌を守る機能が搭載された5枚刃のカミソリです。
刃の枚数が増えるほど、肌への負担が大きくなるイメージがありますが、実はその逆。1枚の刃にかかる圧力が分散され、剃り心地がなめらかに。
ストローク回数も減り、肌への負担が減ります。3枚羽と比べると値段もやや高めですが、カミソリにおいては〝いいモノを使えば、肌にやさしい〟は確かです。その一方、刃の枚数が増えるほど、T字カミソリは小回りが利かなくなります。デザイニングをするなら、ヘッドが小さい3枚刃のものがベストです。
そして、シェービングの手段や刃の枚数にかかわらず、大切なのは絶対に力を入れて剃らないこと。肌にぐっと押し当てて剃ると、高い確率でカミソリ負けを起こします。「そうしないと深く剃れない」という人は、定期的に刃の交換をしていないか(刃の寿命は平均2週間)、数年前から同じ種類のシェービングアイテムを使っているのかも。カミソリや電気シェーバーの進化は、本当に早い! ドラッグストアや家電量販店で、最新のものをチェックしてみてください。
シック ハイドロ5 プレミアムホルダー／シック・ジャパン
5 本のスキンガードにより、肌の動きをコントロールし、肌表面がより平らで滑らかになり、刃の食い込みを防ぐ5 枚刃の替刃式カミソリ。独自開発の「ハイドログライドジェル」を搭載し、剃るたびにすべり心地が良く、ヒリつきの原因となる肌へのダメージから守ります。肌に刃が吸い付くような滑らかな深剃りが可能。オープン価格
シック・ジャパン㈱ お客様相談室
TEL：03-5487-6801（代）
www.schick-jp.com
メンズシェーバー「ラムダッシュ」ES-LV9CX ／パナソニック
日本刀と同様の製法で磨かれ、切れ味も耐久性も抜群。働きの異なる３種の刃が５枚装備され、長いヒゲやくせが強いヒゲも、根元からスパッと一発でカットできるのがうれしい。肌への負担も従来より少ない。オープン価格
お客様 理美容・健康商品ご相談窓口
TEL： 0120‐878‐697
http://panasonic.jp/shaver/
PHILIPS Shaver series 5000 S5397/12 ／フィリップス
ヘッドの可動域が広く、顔の凹凸に密着してきちんと深剃りできる。内刃が肌に直接触れにくい設計で、シェービング時のダメージを最小限に防げる。肌質やヒゲの濃さに合わせて、スピード調整が簡単にできるのも魅力。オープン価格
フィリップスお客様情報センター
TEL： 0570-07-6666
次回は「オトコ美肌の押さえどころ」！
どうぞお楽しみに！！
KUBOKI
「男の美容のゴールは、ただカッコよくなることではありません」 1977年生まれ、茨城県出身。東京美容専門学校卒業、都内のサロン勤務後、資生堂 SABFAメーキャップスクールを卒業。3 年 間のアシスタントを経て独立。女性誌をはじめ、メンズ、Show、 映画など様々なジャンルで活動。アーティスト、俳優、タレントのヘアメイクも多く手がける。ThreePEACE所属。
“男の美容は、最低限のマナーである”────郷ひろみ、EXILEなど有名アーティストや俳優を担当するトップヘアメイクアップアーティストが教える、業界初！「第一印象で損しない男になるための入門書」。郷ひろみさんとのスペシャル対談も掲載。
『男の美容武装』（KUBOKI著）定価：1,296円（税込）／ワニブックス
