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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトル赤峰と“フォルツァ・ドンナ”が語りあう、着こなしと震災復興について

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ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

ドーメル・ジャポン株式会社にて

前回から引き続き、「DORMEUIL(ドーメル)」の今春注目のラグジュアリーファブリック「EXEL(エクセル)」で仕立てたダブルブレストスーツを颯爽と着こなす赤峰幸生さんと、メンズジャケットと同じ素材、仕立て、機能性を持つウィメンズライン「LADY DORMEUIL(レディ・ドーメル)」のジャケットを着用するドーメル・ジャポン株式会社 会長の加賀美由加里さん。

「日本の洋服は、季節とともにある文化」というお二人は、東日本大震災の復興支援活動を行っている“KIBOU311”を主催する一般社団法人LOOM NIPPON(ルームニッポン)の代表と顧問でもあります。

「TPOによって身だしなみを整える」のが重要なマナー

加賀美:赤峰さんの今日の着こなしは、まさに春の先駆けですね。

赤峰:二十四節気でいうならちょうど「雨水」(取材当時)の頃で、雪から雨に変わり、雪どけ水に春の足音を感じるころ。色でいえば、グレー、ネイビー、茶、ベージュでしょうか。今日のポイントはネクタイで、グレーのドーメル「エクセル」のスーツに、レジメンタルのアレンジ版を合わせました。くすんだボルドー系が入って、クラシックだけどひねりを感じさせます。

加賀美:赤峰さんの着こなしを見て感じますが、日本の洋服は、季節とともにある文化ですね。マナーを訳すと礼節ですが、日本では季節や、その日の会議の顔ぶれ、今日会うお客さまなどに合わせて、「TPOによって身だしなみを整える」のがマナーです。得てして女性はその日のムードや気分で着るモノを選びがちですが、責任ある立場の人は、男性と同じく身だしなみをきちんとすべき。一番重要なのはマナーです。

赤峰:季節をベースにすると色合わせも重要ですね。

加賀美:そうですね。私も好きな色を尋ねられるとブルーやグレーを挙げますが、着こなしには必ずトレンドカラーを取り入れたいなと思っています。ブルーやグレーに必ず引き締める役割のコントラストの差し色を入れることが、「スーツを着ていてもできる女性らしさの演出」だと思っています。


ラグジュアリーファブリック「EXEL(エクセル)」で仕立てたダブルブレストスーツを着用する赤峰さん。

 

着こなしの達人2人が、“喝”と思う身だしなみは?

赤峰:加賀美さんはエグゼクティブな方と席を一緒にすることも多いと思いますが、男性の装いのどこを見ていますか。

加賀美:私は「人は見かけによるもの」と言いましたが、お会いするとまず全体の着こなしのバランスを見て、それから「顔から一番離れたところ」を見ます。

赤峰:顔やVゾーンではないのですね。

加賀美:顔から一番遠いところ、つまり靴やソックスまで気を遣っている方は本当におしゃれです。赤峰さんはいつもおしゃれですね。

赤峰:足を組んで、すね毛が見えたりすると、それはもう“喝の3乗”ですよ。

加賀美:本当にそうです。素足に革靴でくるぶしを出している人を見ると、「ここはビーチなんですか?」と尋ねたくなります(笑)。

赤峰:靴下と靴のバランスは音楽のハーモニーと同じで、ハーモニーがきれいじゃないとリズムになりません。若いビジネスマンや販売員に素足に革靴は多いですね。フォルツァの読者も気をつけてください。


男性のファッショントレンドに沿って展開していくレディ・ドーメルのジャケットを着用する加賀美さん。

 

4月21日(土)に南三陸町で初めての「桜祭り」開催

赤峰:さて、今年も3月11日を迎えましたが、LOOM NIPPON(ルームニッポン)の核となるプロジェクト「SAKURA PROJECT(桜プロジェクト)」がついに初めてのお花見を実現しますね。お知らせをいただいたときは本当にうれしかったです。

加賀美:赤峰さんには2012年の発足から顧問を務めていただき本当に感謝しています。昨年、3.11から7回忌を迎えたのと、2012年に植えた桜がちらほら咲き出しているので、今年4月21日(土)に初めての「桜祭り」を行うこととなりました。

赤峰:最初の予定では、「20年を掛けて3000本の植樹」を目標にして、SAKURA PROJECTのスタートから10年後の「2021年に大きな花見大会をやろう」と言っていました。

加賀美:赤峰さんにもご出席いただきましたが、南三陸町で初めて桜の植樹をしたのが2012年3月17日でした。それからは、地元で桜の苗木を管理していただいている南三陸町森林組合の方々に、「町の復興に合わせて、地元の方が植えたい場所に、植えられる時期にお願いします」と託しています。7年間で1800本の苗木を寄贈し、これまで約800本植えています。

赤峰:まさに「鎮魂の桜」ですね。

加賀美:2012年に南三陸町の小高い丘に植えた400本が花を開いて、4月の「桜祭り」が一つの区切りになりますが、これからは、町が見守ってくれる桜になって、地元のお祭りになってくれればいいなと思っています。

南三陸のアストロ・テック社が手がける、手作業で編み込まれている「LOOMバッグ」なども「LOOM NIPPON」の活動の一環。

 

経糸×緯糸が生み出す愛情のこもったタペストリーをこれからも

赤峰:加賀美さんの東日本大震災の被災地と被災者の復興への想いは、ルームニッポンの設立から変わることなく強いですね。

加賀美:3月11日、私は東京にいたのですが、大きな揺れを感じて家に帰ってテレビをつけたら津波の映像でした。巨大な津波がなにもかも飲み込んですべてを破壊していくのを見て、無力感とともに、「Fashion is Emotion」という言葉を思い出しました。そして、私が感じているエモーションは何だろうと考えました。

赤峰:あの日の地震と被害は、私たちにいろんなものを考えさせました。

加賀美:震災を知った世界中の友人たちから、「普通だったら暴動や混乱が起こるものなのに、日本人の秩序ある行動は信じがたい」と言われたとき、私の感じるエモーションは“郷土愛”だと気づいたのです。

赤峰:東北の方々の我慢強く、お互いを思いやる気持ちは本当に素晴らしかった。

加賀美:郷土愛だと気づいたときに、「Love Of Our Motherland」という言葉が思い浮かび、大きな被害をうけた方々を支援したいと思ったのです。また、Love Of Our Motherlandの頭文字を取ると「LOOM」で、これは「織機」という意味もあります。私自身がずっとアパレルに関わっていて、織機にお世話になっているご縁も感じました。

赤峰:日本人のDNAには、郷土を愛する心は深く刻まれています。

加賀美:織機の役目は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を紡ぐことですが、私たちのご先祖さまから未来の子どもたちを経糸に、同世代の私たちが緯糸になって、愛のタペストリーを紡ぎたいと、「LOOM NIPPON」と名づけ、東日本大震災によって最も甚大な被害を受けた宮城県南三陸町への支援活動を行っています。

赤峰:桜が咲きほこる南三陸町を取り戻したいという子どもたちの未来への想いを、4月21日(土)の桜祭りで皆さんにもぜひ感じてほしいものです。

加賀美:ぜひお近くの皆さまは南三陸町の桜を見に、お気軽にご参加ください。

加賀美由加里(かがみゆかり)
ドーメル・ジャポン株式会社 会長
1946年東京都生まれ。97年にランバンパリ100%出資となったランバン ジャパン社長に就任。2003年に同社会長に就任。現在はランバンビジネスのアドバイザーを務める。06年にドーメル・ジャポン株式会社の代表取締役に就任し、現在は会長。国際連合世界食糧計画WFP協会顧問及び、子供地球基金理事も務める。11年には一般社団法人LOOM NIPPON(ルームニッポン)を設立し、東日本大震災の復興支援活動にも携わっている。

【問い合わせ】
ドーメル青山店
https://www.dormeuil.com/jp/

LOOM NIPPON
http://www.loom.or.jp


[ information ]
AKAMINE VINTAGE SALE 開催

梶が谷のインコントロ「めだか荘」にて、3月23日(金)から25日(日)の3日間、「AKAMINE VINTAGE SALE」を開催。今回のイベントは赤峰さんが長年集めてきたヴィンテージウェアをはじめ、赤峰さんが納得するヴィンテージショップからの出品と、ヴィンテージ雑誌やイギリスからのヴィンテージ家具と雑貨もあり、たいへん盛りだくさんのイベントとなります。

たとえばスーツでは、「Akamine Royal Line」がサンプルとして製造した新品同様なものも出品。サイズはすべてDrop7の48です。洋服だけではなく衣食住すべての文化に興味を持ち続けてきた赤峰さんならではのセレクトにご期待ください!

会場:インコントロめだか荘
   川崎市高津区末長2-36-16(東急田園都市線梶ヶ谷駅より徒歩8分)

日時:3月23日(金)12:00~19:00
   3月24日(土)10:00~19:00
   3月25日(日)10:00~18:00

詳しくは「アカミネ・ブログ」にて
http://www.incontro.jp/blog/index.php


Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii



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