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難解さゼロ! 知的アート心を刺激する美術展 女性誌ライターによる3選

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忙しい合間の貴重な休日……あなた、無駄な時間を過ごしていない?

話題になるような大きな展覧会。特にアートが趣味というわけでない人でも、一度や二度出かけたことはあるというもの。でもビッグネームの展覧会は通勤電車のような人混みで、鑑賞するのがやっと……。それでは興味も薄れてしまいます。でも最近、美術館側も話題性だけでなく、人の興味をくすぐるような特徴的な展覧会を開催する傾向にあるのです。そこで今回は40’sの知的好奇心を喚起させる展覧会3つをご紹介します。

「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」

目の前に現れた作品達があなたに語りかける「さあ、固定観念を解放せよ!」と……。


「建物」2004・2017年/撮影:長谷川健太/写真提供:森美術館/Courtesy: Galleria Continua

インスタ映えする美術展として写真撮影・インスタ投稿OKという珍しい企画展。アクロバティックな写真からスリリングなショットまで、遊び心溢れる写真を演出するのはあなた自身。SNS投稿効果もあり、昨年の11月の公開から2ヶ月足らずでなんと20万人を動員したという、アルゼンチン出身の現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒの大規模個展が開催中です。金沢21世紀美術館の常設作品「スイミング・プール」(2004)と言ったらお分かりになる方多いのでは?


「試着室」2008年/撮影:長谷川健太/写真提供:森美術館/Courtesy: Luciana Brito Galeria


迷路のような体験型展示作品の「試着室」。中に入ると、前方左右に姿見が設置されているが自分の姿は映らず、代わりにどこまでも続く試着室……。ともかく不思議で謎な異空間に思考回路はパニックになりそう。


「反射する港」2014年/撮影:長谷川健太/写真提供:森美術館
Courtesy: Art Front Gallery and Galleria Continua


浮かんでいるように見えるこの作品……しかし水はないのです。さて、その仕掛けは?

我々を無意識にコントロールしている習慣や既成概念について、作品を通して考えるきっかけにしてほしい。そんな作者の思いが込められた作品達は、どれもさながら“トリックアート”のよう。視覚的な錯覚を用いて、わたしたちの常識に揺さぶりをかけます。でもトリックはいたってシンプル。驚きの後に仕掛けに気づいて思わず……ニヤリとしてしまうはず。

テーマパークは行き尽くしたというカップルから初デート、はたまた子供連れでも、誰でも楽しめる仕掛けが満載です。これは独りで行ってはいけない! たまにはオトナの鎧を捨て、素の自分を解放してみてはいかがでしょう?

【会期詳細】
「レアンドロ・エルリッヒ展」
2017年11月18日(土)-2018年4月1日(日)
森美術館
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/LeandroErlich2017/index.html

特別展「人体-神秘への挑戦-」

“自分の体”のこと、あなたはどれだけ理解できている?


アンドレアス・ヴェサリウス『ファブリカ』初版本 1543年 広島経済大学所蔵

人類は、どのように「人体」の構造や機能への理解を深め、解明してきたのか……そんなことを本気で考えたことありますか? 実はこれ、人類が挑み続ける永遠の謎……なのです。
本展覧会では、先人たちの努力と歴史と功績を振り返りながら、人体の構造と機能を解説するとともに、それが最先端の研究でどのように変わりつつあるかを紹介しています。


レオナルド・ダ・ヴィンチ「解剖手稿」より頭部断面、脳と眼の結びつき部分
1490-92年頃 ウィンザー城王室コレクション所蔵
Royal Collection Trust/© Her Majesty Queen Elizabeth II 2018

脳や心臓などの器官についての理解がどのように深められてきたのか、目に見えない微細な構造や、体内の臓器を可視化してきた顕微鏡やX線装置などがどのように開発されてきたのか、またそれらの成果がどのように伝えられてきたのか、本展では様々なアプローチで紹介されているのです。人体の構造や機能を知ることは、実は自分自身を知ること、そしてあなたの隣にいる愛しい彼女の身体の中を知ること……って何だか興味がわいてきませんか? 最も身近でありながら最も奥深い“自分の体”。一度は自分の中にある、知っているようで知らない人類の永遠の謎を解明しに出かけてみてはいかがでしょう。

【会期詳細】
特別展「人体-神秘への挑戦-」
2018年3月13日(火)~6月17日(日)
国立科学博物館(東京・上野公園)
http://jintai2018.jp/outline/

「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」

初心者から絵画ファンまで楽しめる“王道”の美術展


クロード・モネ「草上の昼食」1866年/© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.

珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、風景画65点が満を持して来日しています。「旅」をキーワードに、画家たちが旅先で出会った風景をどのような眼差しで見てどのように描いたのかという点に注目しながら、まるで会場の中を旅するように楽しむことができる同展覧会。

初来日となるモネの「草上の昼食」は、まだ印象派の画家として花開く前、ルノワールら若い仲間たちと一緒に画家を目指す青春真っ只中のモネによる魅力溢れる作品の1つ。その他、ルノワール、セザンヌ、ゴーガンといった、絵画ビギナーでも聞いたことある巨匠たちの名画や、独特の作風と鮮やかな色遣いでファンを魅了するルソーの作品など、解説がなくともただ眺めるだけで心地よい作品の数々が続きます。でももう少し知的好奇心を刺激したいと思う方は、キレ者刑事がすっかりハマり役となった水谷豊さんによる音声ガイダンスがおススメ。あなたの絵画に対する疑問を冷静沈着に解決してくれること請け合いです。


アンリ・ルソー「馬を襲うジャガー」
1910年/© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.

初夏の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」。あなたも素敵な旅へ出発してみませんか?

【会期詳細】
「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」
2018年4月14日(土)~7月8日(日)
東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)
http://pushkin2018.jp/

3つの異なる美術展をご紹介しましたがいかがでしたか? 「鑑賞する」ことだけを楽しむなんてもう古い。自分が作品の一部になってみたり、人類の起源について深~く考えてみたり、日常の中にある“煌めき”に目を向けてみたり……様々な“気づき”に触れる休日をフォルツァ―には過ごして欲しいもの。だって、そんな意義ある時を積み重ねた男性って、知的でなんだか素敵なんですもの。

Text : Akiko Furuta
Edit : Mariko Ikeda



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