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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
媚薬ジャズの聴かせ方

いったんハマると抜けられない、「刺激的な子」って?

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JAZZという、男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶してまいりました。この連載では、皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のアドバイスと共に、ちょっと元気が出るナンバーをご紹介してまいります。

モテモテなダンナに磨きをかけて

春一番が吹き、気まぐれな天気が続きますが、ダンナはいかがお過ごしでしょうか。

御機嫌よう、恋愛中毒JAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。


JAZZというのは、男女にまつわる恋愛のストーリーがほとんど。男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶して参りました。この連載では、ぺぺが毎回読者の皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のユルっとした恋愛アドバイスと共に、ちょっと元気が出るJAZZナンバーをご紹介してまいります。

さて、今回のイケナイ読者からの17回目のご相談は、「妻を愛していますが、刺激的な子とデートしたい。贅沢な悩みでしょうか」という45歳の男性からのお悩みにお答えします。ダンナ! さっそくお便り拝見いたしましょう。

【お悩み】
どうも、ペペ先生。FORZA STYLEでの文筆活動を楽しく拝見しているものです。
自分でいうのもあれですが、若い頃はファッション雑誌のモデルをやっていて、とにかくモテました。レセプションで知り合うモデルや美人PRといたるところで関係を持ち、TVのお仕事をするようになってからは、女優・グラビアアイドルもほいほい。30代はずっと取っ替え引っ替えで女性との関係を楽しみました。しかし、42歳で結婚をして、現在は子供も1人います。勿論、妻を愛していますが、やはり昔の病気が疼く時があり、他の女性ともデートしたい時があります。だけど、昔みたいに顔や身体だけの子はつまらなくて、もっと別の刺激がある子がいい。贅沢な悩みでしょうか。教えてよ、ぺぺ先生。 (自営業 45歳 H場さん)

H場さん、お便りありがとうございます。

ついにお悩み相談にツワモノが来ちゃった感ありますね。ペンネームと年齢をまず確認して、思わず干場さんじゃないかと疑いましたが、違いましたね。

さて、H場さんのモテ伝説を読ませていただきまして、若い頃からそのルックスを武器に、世の女性を気絶させてきたと。だいたいの美人と呼ばれる女は抱いてきたけど、今は顔や身体だけじゃ満足できず、もっと別の刺激が欲しいと。まったく贅沢の極みですよ。だけど、毎回このような困ったダンナの悩み事に、果敢にご返答していくのがぺぺのお仕事ですから。

今回も、軽快に刻んでいきますわよ。奥様がいらっしゃって、浮気相手のとりもちをするのも可笑しな話ですが、「刺激的な子」について少しお話を。

昔、六本木で歌仕事が終わり、プロデューサーが車で送るというからぺぺは仕方なく彼のオープンカーに乗ったのです。業界では有名な方だったので、お断りをするのは難しい状況でありました。だけど、このまま彼の女になどなるのは勿論御免。あれこれ考えておりましたら、

「君はどこに住んでいるんだい?」

と尋ねられて、思わず

「ごめんなさい。今夜は彼がホテルで待ってるの。
 〇〇ホテル(高級シティーホテル)まで送ってくださりますか?」

とっさに機転を利かせて放った26歳の嘘でしたが、彼は指定のホテルまできちんと送ってくださりました。それ以来、ぺぺはその店に仕事で呼ばれることはありませんでしたが、刺激的な子として一目置かれる事になりました。

さて、今回の例文を用いてお伝えしたいのは、「刺激的=秘め事がある」という考え方はどうでしょうか。ちょっと奇抜な性癖とかそっちではなくて、村上春樹さんの小説に出てきそうな、まだ若いのにすごく物事をよくわかっていて、ちょっと陰があるのに時に無邪気な子とか。デートするのにも楽しそうだし、彼女が抱えている陰にも惹かれる。一番ハマると抜けられないタイプですが、魅力的。

嘗て、能の世阿弥が「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」と云ったように、秘めるからこそ花になり、秘めねば花の価値は失せてしまうのです。今までデートしてきたような、分かりやすく胸元を開けたVネックニットを着てくる美人じゃなくて、白いタートルネックのニットとか着てて、「私、着たままする派なの」とかサラッと云ってくれる子がいいと思います。

【お答え】
・秘すれば花の精神で、「刺激的=秘め事がある」子はいかが?

いかがでしたでしょうか。なんだか愛人紹介みたいなお答えになってしまって、心苦しくもありますが。恋人だけじゃなく、奥様との間にも恥じらいという秘密の壁があってもいいのですよ、ダンナ。襖一枚隔てて、たまには囁きあってくださいね。H場さんも今回のご相談を機に、さらに豊かな人生を繰り広げて下さいね。スマートな40代(スマフォー)のお手本になっていただけるビフォーアフター! 心よりお祈り申し上げます。

さて、今回ご紹介するナンバーは、『Sophisticated Lady』です。

1932年デューク・エリントンが、33歳のときに中学校時代の先生をイメージして作ったそうです。sophisticated ladyとは「知的で都会風に洗練された女性」という意味。「世慣れして、純粋さを失った」という否定的な意味も含まれている。この歌は、自堕落な暮らしをしている女の中に、そうせざるを得ない悲しさが見え隠れ。普段は見せることのない華やかな女性の裏には、秘め事が隠されているのです。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー。

■おすすめのJAZZソング

『Sophisticated Lady』

大人の女性の余裕と、悩ましげな表現力。

【和訳】
かつて、あなたはひどく恋に炎を燃やしたと人の噂。でもある日、その炎は立ち消え、闇だけが残ったと。瞳に幻滅を宿して、恋の愚かさを知る賢者。月日があなたを変えてしまい、僕の知ってる今のあなたの姿に。タバコを吹かし、酒をあおり。明日のことも考えぬ、自堕落なフリ。ダイヤの輝き、ダンスの日々。夜ごとに違う男とレストラン。あなたが望んでいるものは、本当にそれなのでしょうか? きっと違う、知性溢れる方。昔の恋を今も忘れられず、独りになると涙しているのではないですか。

Photo:Yoshihiro Kamiya,Getty Images
Text:RIKAPEPE
Illust:Eri Sakai
Edit:栗P

RIKAPEPE(リカペペ)
ジャズ歌手/文筆家

カワイイが正義である現代に於いて忘れられがちな『色気』を再考し、往年女優が映画の中で歌い演じていた歌唱スタイルを現在の感覚で表現している。ジャズに魅せられたのは、音楽性というよりもスタンダードソングの歌詞と自身の恋愛観とのシンクロニシティから。そこに若者が流行歌を歌うのとなんら変わらない意味を見つけ、ジャズを歌い始める。また音楽に加え、大学で学んだ女性の生き方と共に変容する服飾史や、自己の恋愛遍歴を活かしたユニークな執筆活動もおこなう。現在は、自己のバンド、宣伝音楽のレコーディング、オーダーメイドスーツブランド「SUITBAR」と協力した衣装デザインなど多岐に渡る活動を展開している。
【HP】
rikapepe.jp
【instagram】
https://www.instagram.com/rikapepe/







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