カシミアニットを2枚重ねてるから、とにかく豪華で暖かい!
さて、79回目はクルチアーニのダブルのニットジャケット。カシミアダブルフェイスという贅沢かつヌクヌクと暖かい代物です! クルチアーニといえばミラノリブが有名で、滑らかな肌触りと適度な伸縮性がありながらも、伸び切ってダレづらいという秀逸さで、ジャケットなんかが大人気。そこまで畏まった仕事ではないので、カーディガン感覚で着られるジャケットがあると とにかく重宝しまして、クルチアーニのミラノリブなんて、まさにその最右翼なんです。
普通のウールタイプでも十分なんですが、カシミアあるならカシミア買っとくか?って。なんだかよく分からない義務感?に苛まれまして、カシミアバージョンを手にしてみると、あら、びっくり! ダブルフェイスで仕上げられていました…。
ダブルフェイスってのは、2枚の生地を重ねて使うことで、外側と内側、両面とも表地にするため、肌に触れる部分も相当に心地好くなるんですが、使う生地量も2倍っ! 必然的に価格も高くなってしまうわけです。
とは言え、騎虎之勢! 虎から降りたら食われちゃいますから、ノリ続けるしかない。「いっとけいっとけ」という何処からともない悪魔の囁きに乗せられて、今回も清水ダイブをかましてみました。どうかしてるぜ!
でも、現在の定価を見てみると僕が買ったときより だいぶ高額になってるので、このダイブはきっと正解。遅かれ早かれ買うことになるなら早く買っておいた方が吉となるのを、実感できています。
で、実際着てみると とにかく使いやすいんですよ。ジャケットとして羽織っても、ダブルフェイスなので、ある程度の風なら凌いでくれて十分暖かい。さらに、ダブル合わせでお腹部分は計4枚重ねになるので、弱くてピーピーになりがちな僕のお腹も完全防御!

そして、今年みたいに寒い冬でも上にコートを重ねれば、もはや鉄壁! 電車や室内に入ると滝汗かいちゃうという逆の心配すらも…。

カラーもキャメルなので柔らかい印象ですし、ご覧の通り、冬の重くなりがちな着こなしも一気に軽くなる。アウトレイジ顔だって柔和に映るわけです。近くに寄って触れてみたら、きっとこの柔らかさと、独特のヌメリによるエロさのトリコじかけになってしまうはず。よし! これなら減価償却だって目の前だっ!
まさか一着だけじゃなく色ち買いして、もう一色寝かしてるなんていうのは、恐ろしくてココだけでしか書けません…。

まさかの色ち買い…




Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。