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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FOOD 美人女将がいる小料理屋

間近で落語を聴きながら一献。
笑点メンバーに慕われる美人女将を発見です!

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ざぶとんを守る美人女将

仕事で疲れたスマフォー(スマートな40代)の心を癒してくれるのは少しのお酒と美味しい料理、そして女将の優しい笑顔。この連載では口コミで話題になっている全国にある美人女将のいるお店をご紹介します。

いまや世界中の人が集まる観光地・秋葉原。昭和通りを渡ったところに『落語・小料理 やきもち』はある。地下に潜ってアイドルのライブもいいけれど、スマフォー世代なら、暖簾をくぐって落語を聞きに行く大人でありたい。

くぐる暖簾には見慣れた文字と名前。そう、落語を聞きながらお酒を楽しめる店の美人女将は『笑点』の元ディレクターだ。制作の現場を離れ1年ののち退社、いまの店を開業したそうだ。

「やり残したことはあるけれど、それにしがみついていたら、失ったものを追いかけるだけで人生が終わってしまう。それなら今できることをして楽しんだ方がいいなって思うんですよね」。なかなかできることじゃありませんよ、それ。

「当時、三遊亭小遊三師匠とは毎月1回は、一緒に飲みに行ってましたね。落語の話をたくさんしてくださいました」。師匠に助平心があったかはわかりませんが、落語芸術協会副会長と月一飲み会なんて、美人しかできないと思いますよ?

「人生で初ぐらいです(笑)」と美人という扱いに恥じらう女将。裏方仕事をずっとしていたので、表に立つことに馴れてなく、見られるのは苦手。「私自身はおまけ程度」という。

「演者をまず大事にしています。演者の良いパフォーマンスが生まれないと、お客さんが楽しんでいただけないですから」。落語が終われば演者とテーブルを囲み、お客はひとつ500円のおはじきで"ご祝儀"を渡すことができる。なんとも粋な仕組みだ。

おすすめの料理は、木久蔵ラーメン……ではなく「林家の煮込み」730円(税別)。林家木久扇師匠の師匠筋である、林家彦六師匠が、お客さんをもてなすときに出していた牛スジの煮込みで、いまも門下に伝わっている料理だそうだ。

あわせる日本酒は、一番人気の「玉柏」。飲みやすいが実直な味がする。七味と山椒が効いた甘めの煮込みとの相性も抜群だ。「もとは吉原に行く前に精をつけるための屋台飯なんです。フォルツアスタイルさんにピッタリかなと思って」。見事な演出です、はい。

他のニュース記事の二番煎じになるといけない。ここらで艶っぽい話も聞いておこう。「結婚ですか? したいんですけどね、なかなか……。恋愛もあまり長続きしないので、悩んでました。だいたい3カ月、ワンクールですね(笑)。好きなタイプは"真面目でクリエイティブなひと"って答えてます。職業じゃなくて、自分で道を切り開いていくひとがいい」

落語の開演日は、女性も多く30代からと客層も若い。そうでないときは、人数も減って、40〜60代の男性客がひとりでやってくる。女将としっぽり話すなら落語のない平日夕方が狙い目? 「でも早い時間は、食べ物の注文が入るので、厨房から出られないんですよ」

女将は忙しい。夕方に店を開け、日付が変わる少し前に閉店、帳簿をつけて、翌日の仕込みをすれば、もう、ラジオ体操の時間だ。自分の時間はゼロ。「お客さまに喜んでもらうために、最低限なことをしなきゃと思うとそうなる」と彼女はいう。

寝る時間は、番組制作をしているときとそんなに変わらない。自分のできることで、喜んでもらうには、なにをしたらいいかを考え行動。笑点メンバーが喜んでくれるからと、わざわざ着物を着て会いに行ったあの頃と変わらない。いまだってエンターテイメントを担っている。

真摯な彼女の姿勢に触れて縁が広がっていく。店前のノボリに、暖簾、ランチョンマットにした手ぬぐい。半端な付き合いでは、こうはいかない。我々客側だって女将とじっくり付き合う時間もつくってほしい。

忙しい夕飯時は、町内をひと回りして、他で飯を食べて再度来店はするなんてのは、野暮というもの。あっちにフラフラこっちにフラフラと、辛抱が足りない。冗談めかして、女将は「お金離れがいいひと」に来てほしいという。カウンターで、なにも言わず酒を飲み、美味しかったよと小銭を多めに戻す、そんな昭和の男もいいだろう。ただし、飲み過ぎには注意、夢になるといけない。

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Yasushi Ogura(KAIHATU-SHA)

【落語・小料理 やきもち】
台東区台東1丁目12-11 青木ビル1階B号室
03-6803-2050
営業時間:火〜金 16:00~23:00(L.O. 22:30)、土・祝 17:00〜23:00(予約のみ)、日曜 17:00〜23:00(演芸開催日のみ)
定休日:月曜、隔週日曜
席数:27席(カウンター11席 テーブル16席)
予約:可
http://yakimochi.info
JR秋葉原駅 徒歩8分



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