【マッキントッシュ】知らなきゃマズい！ The「ゴム引きコート」の歴史とは？

男を惹きつけてやまない定番の魅力。しかし、定番ゆえに見過ごし、定番ゆえに買い逃してはいませんか？　知ればあなたの人生を必ず豊かにしてくれるFORZA厳選の「鉄板定番」を、あらためて紐解きご紹介する当企画。

第13回は、防水コートの元祖 マッキントッシュです。

雨の多いイギリス。防水ウェアにおいていくつもの名作を生み出してきた同国ですが、マッキントッシュはまさしくその代表格と言えます。

創業は1823年のスコットランド、グラスゴー。当時、オイルドクロスが防水ウェアとして普及していましたが、化学者チャールズ・マッキントッシュは2枚の生地の間にゴムを溶かし塗り圧着させることで、より高い防水性を実現したコートを誕生させます。つまりは、3レイヤーですね。今でこそ聞き慣れたワードですが、当時としては超画期的です。

ゆえに、通称ゴム引きコートと呼ばれたそれは、レインコートとしてだけでなく、乗馬コートやひいてはミリタリーからも引き合いを請けます。その革新性は、世界に名だたるメゾンに多大な影響を与えたことも、述べておきたいところです。現在も、ゴム引きという伝統技術を受け継ぎながら、素材や製法の進化を受け入れ、随時アップデートされ続けています。ハイテク素材に事欠かない現代ですが、リアルに機能性を享受しつつも伝統を同時に感じられるウェアなど、そうそうありません。

縫い目にはすべて共地の止水テープが。これも、創業時から変わらぬ手法です。一方、昨今は新進のモードブランドとのコラボレーションも積極的に行うなど、伝統と進化を両立。その姿勢こそ、マッキントッシュが広く、またジェンダーレスに支持される要因です。 

コート内の湿気を逃がす、脇下のベンチレーション。湿気がたまりやすいというゴム引きコートの弱点を解消すべく、5つ穴になっています。ゴム引きのもうひとつの魅力は、表生地に細かいシワが寄りにくいこと。シャープなIシルエットを保ってくれるのも、ビジネスコートで人気の理由です。

その製法とともに、仕立ても職人の手作業によって受け継がれているマッキントッシュ。なんでも、止水テープの接着剤は職人が指で塗っているとか。そんな頑なな職人気質があればこそ、センチュリーアイテムとなり得たのでしょうね。

13万8000円／マッキントッシュ

Photo：Riki Kashiwabara
Styling：Takahiro Takashio
Text：Masafumi Yasuoka

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マッキントッシュ 青山店
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