これぞ男クサい服の象徴 バブアーのビデイル
男を惹きつけてやまない定番の魅力。しかし、定番ゆえに見過ごし、定番ゆえに買い逃してはいませんか? 知ればあなたの人生を必ず豊かにしてくれるFORZA厳選の「鉄板定番」を、あらためて紐解きご紹介する当企画。
第12回は、ワックスドクロスの本家 バブアーです。

イギリスが防水ウェアに長けているのは、雨が多いからという理由だけではありません。日本と同じく海に四方を囲まれた同国では、古くから港町が栄えていました。バブアーは、その港町なくしては生まれなかった名品です。
1894年に創業したバブアー。創業地は、当時港湾を中心に急速に発展していた港町サウスシールズでした。北海から吹き付ける強い海風と不安定な天候にさらされる同町。防水素材などない時代に、創業者ジョン・バブアーはコットン地にオイルを含ませたオイルドクロスを開発します。
ワックスでコーティングされた生地は、防水性だけでなく耐久性も向上。港湾労働者だけでなく、第1次・第2次世界大戦では英国軍に正式採用されています。1936年にはモーターサイクルレース人気の高まりとともに、ライダースジャケットとしても支持を集め、現在ではハンティングや乗馬など、英国カントリーライフにおける象徴となっています。
今回ご紹介するのは、1980年に発表されたビデイル。これは乗馬用に開発されたモデルで、馬に乗った時に裾が邪魔にならないよう、ジャケットレングスを採用。現在では、タウンウェアとしても人気を博しています。着込むほどに味のある色と風合いに育つオイルドクロス。今年買ったとして、その真の魅力を噛み締められるのは・・・、20年後ぐらいですかね。

チンストラップでスタンド可能なコーデュロイ襟。首元への風雨の侵入を防ぐため、幅広にデザインされています。現代的な要素を取り入れたSLモデルでは、襟幅がやや狭められています。スナップボタンによって、別売りのフードを装着可能に。

後ろ身頃の裾は、サイドベンツ仕様に。これは、馬に跨った際にジャケットの裾が邪魔にならないため。さらに、風雨の侵入を防ぐためのスナップボタンとマチ布が配されています。その他、グローブを着けたままでも掴みやすいリング形状のジッパープルや、マチ付きの大型フラップ付きポケットなど、随所に機能的な作りが見て取れます。
優れた品質が認められ、英国王室への納入が許可された企業や店に与えられるロイヤルワラント。同証は、エリザベス女王・エディンバラ公・チャールズ皇太子の3名によってそれぞれ認定されるのですが、バブアーは3名すべてからロイヤルワラントを授与されています。その栄誉は、3つの紋章を記したタグによって誇示されています。
4万9000円/バブアー
Photo:Tutomu Kashiwabara
Edit:Noriaki Osaki
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
【問い合わせ】
バブアー 渋谷店
03-6450-5993
https://www.japan.barbour.com/