西口:先にお値段を伝えると、17万4000円ですね。生地がより上質なんですよ。
コート 17万円(税抜)/カルーゾ
干場:え、キャバルリーツイルだ、渋いなぁ! イタリアのおじいさんが着てそうな域ですね。ブランドはどこですか?
西口:これがまさにサルトリアパルマ、カルーゾです。以前ビームスではカルーゾというネームは使わず、サルトリアパルマという名前でコートを展開していたんですけど、実はそれをこの2017年の秋冬シーズンに復刻させまして。当時干場さんが買われたコートと、かなり近い形になっていると思います。
干場:そうだったんですね。ポケットはパッチアンドフラップで、バックベルトがついていて……。
西口:それでインバーテッドプリーツですね。
干場:でも、何でまたキャバルリーツイルにしたんですか?
西口:やっぱり英国とか、クラシック回帰のトレンドを踏襲した、っていう所が大きいです。もちろん色々な生地で作っていて、20年くらい前、当時ビームスで取扱っていたモデルの生地も復活させたりしてるんですよ。それとはまたこのモデルは違うんですが、完全に英国を意識したコートですね。
干場:あまりコートでは見ない生地ですよね?
西口:そうですね。スーツやパンツのイメージが強いと思います。
干場:ですよね。これは新しい英国テイストの捉え方ですね。
西口:そうですね。やっぱりカントリーだと思います。ただ、今はもう少し都会的に着て頂きたいという思いも込めています。
干場:これに合わせるなら、どんなスタイルがおすすめですか?
西口:やっぱりブラウンのスーツじゃないでしょうか。ミディアムグレーのフランネルスーツにブラウンのシューズなどの組み合わせがものすごく格好いいと思います。
干場:フランコ・ミヌッチさんとかが似合いそうですね。
西口:そうですね。まさにそういうスタイルです。クラシック回帰のムードっていうのを自分でも感じていたときに、“仕立ての良いウールのコートをやりたい”と思って。それでサルトリアパルマです。入社した15年前を思い出します(笑)。
干場:あれ? 西口さんは今、おいくつでしたっけ?
西口:今年40になりました。それで、入社当時のスタッフたちがこういうものを着ていたなっていうのを鮮明に覚えてるんですよ。それで今がこういう時流なので、それならいっそ、復刻させてしまおうと。こういうスタイルがまた新鮮に見えるタイミングかなと思っています。
干場:これ、着るとわかるんですけど、生地が少しだけ艶っぽいんですね。
西口:そうですね。イタリアのキャバルリーツイルなので、ちょっとだけ光沢があると思います。
干場:すごく新鮮です。あまり自分ではこういうスタイルのコートは持っていなかったので。
西口:仕立ても相当軽くしてるんです。当時のものはパッドがしっかり入っていたんですけど、これはパッドは抜きつつ、フル毛芯でしっかりと作っています。当時のままではなく、ちょっとだけアップデートさせてるのがポイントですね。
干場:僕も自分で持ってるサルトリアパルマのポロコート、パッド抜きましたもん。それでナチュラルな肩にして着てます。
西口:それを僕らの方で あらかじめやらせていただいた感じですね。
干場:いやぁ、ありがたい限りですね(笑)。今の気分をわかってくれてる。
西口:サルトリアパルマもずっとこのスタイルのコートをつくっていて、展示会にも出ていたんですけど、やっぱりパッドが入ってるんですよ。だから、「それは抜いてやりましょう」と。そのほうが今っぽい、っていう理由で微修正をしています。
干場:じゃあ、ここからがいよいよオーラスです。何が出てくるんだろう?