カシミアマニア ホイホイに見事ハマって 恒例の清水ダイブ!
さて、69回目は「ジ エルダー ステイツマン(The Elder Statesman)」のバハ(Baja)です。ブランド名も??なら、アイテム名も???なスタートなので、ちょっと説明から。まずは、アイテムのバハなんですが、あのメキシコ人がよく着てるメキシカン・パーカです。カリフォルニアに隣接するメキシコ最北の州、バハ・カリフォルニアに由来していまして、ざっくりと織られたパーカは かつてはヒッピーが愛用していたり、海上がりのサーファーが素肌に羽織ったりしてるって聞いたら、なんとなくイメージが沸きますかね。
で、続いては「ジ・エルダー・ステイツマン」。オーストラリア人で、かつてデニムブランド「tsubi(スビ)」を手がけていたデザイナー グレッグ・チェイト(Greg Chait)が、カシミア好きが高じて2007年にスタートさせたラグジュアリーなカシミアブランドです。ん? そう! 僕と同じく相当なカシミアマニアです(笑)。
彼の手がけるカシミアは最高品質なんだけど、イイ意味で洗練されてない。ほど良く粗野で、絶妙な佇まい。例のごとくエラく高いんですが…、Barneys New YorkやロンドンのBrowns、ネットの最大手MR PORTER、日本ではロンハーマンなどなど、世界の名だたる店舗で取り扱われているんです。そうだ、クロムハーツのカシミアも彼が関わってるんだった。スゴさ伝わりました?
って、もう勘の良い方なら気付いたと思うんですが…。そう! このバハ、最高品質のカシミアで編まれているんです。本来バハなんてのは、ラグとかランチョンマットとかで使われるような全然肌触りの良くない生地で作られるんですが、それを最高級カシミアにアップデートしちゃうという…。グレッグ本人もサーファーで、海から上がったときに やわやわなカシミアのバハが羽織りたかったんでしょうね(笑)。
これはロスで出会ったんですが、それでも定価はとにかく高かったんです。マジかよ?ってくらい。でも、その高すぎる定価と、それなりにクセがすごいアイテムなので、相当にお値引きされておりまして、まぁ頑張れば買えないこともない。となれば、恒例の清水ダイブ! 必殺技をモロに受けて減るゲージかのごとく、カードの限度額もギュイーンと減りましたけどね…。
相当に高額だったんですが、着方は割りと雑。休みの日にTシャツの上に羽織ってコンビニ行ったり、公園でゴロンのときに着ちゃってたり。結構大きめの作りなので、女子が羽織ると太もも辺りまで隠れるから、家でコレだけを無造作に羽織ってくれたりなんかしたら、嬉しいんですけどねぇ〜。オトコのロマン!
そうそう。モノがモノだけに、僕のトレードマーク「ボルサリーノ」と兼用すると、やっぱり…
こうなっちゃいますよね……。
Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka
『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。