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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION こじラグ

穿くのをためらうほど…。ラグジュアリーな気分全開なカシミアニットパンツ

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自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

一気に冬みたいな寒さが訪れ、カシミアに包まれる喜びを思い出しました。

さて、67回目は「クルチアーニ」のカシミアニットパンツです。なんだか一気に寒くなってしまい、四季で一番魅力的な秋を通り越し、完全に冬がやってきちゃいましたね。なんて…、口惜しそうな書き出ししましたが、じつは冬大好き! 冬万歳! 寒い季節ウェルカムです。

だって、夏は脱いでも脱いでも暑いけど、冬は着れば暖かくなりますし、リッチな素材に包まれれば、暖かいだけでなく、その心地好い触り心地に肌も喜びますからね。オフだったら暑い場所で「ウィー」なんていって浮かれるのも悪くありませんが、オンは寒い方が気も引き締まり、キリッと仕事もできますし。

ってなわけで、寒い日に暖かくて柔らかくて、その上 贅沢な気分を味わえるカシミアを着るのが大好きで 清水ダイブを繰り返してるのは、もうだいぶ知れ渡りましたかね。ニットやストール、コートに靴下まで、カシミア山羊たちから恨まれても仕方がないほど揃えてしまい、もう充分なはずだったんですが、自分的には"最後の一歩前の砦"だったパンツにも手を出してしまいました…。

だって、穿けますか? カシミア100%のニットパンツ。確実に膝出ますよ。座り仕事なんだから お尻だってツルツルになっちゃうだろうし、裾とか汚れるたびに高級クリーニング出すの? いやぁ〜、不安要素ばっかりです。

でも、毒を食らわば皿まで。濡れぬ先こそ露をも厭え。乗りかかった船ですから、果てまで突き抜けないと満足できないでしょうし、いつかはきっと買うことになるんだろうから このチャンスに清水ダイブを!とかいう誰をも説得できない理由で買うことにしました。バカだなぁ…。儚いなぁ。だって、結局穿かないんですもん。いや、穿けないんですもん…。

作りに関しては、さすがはクルチアーニですよ。フロントはバーティカルポケットで、物の出し入れをしてるうちに 口がデローンと伸びてしまうのを防ぐべくジップ付き! ただ、この柔らかさを考えると、ポケットに重みのある物を入れるのは怖すぎますが…。

シルエットも太すぎず、裾に向けてややテーパードしてるので上品に見えますし、休日のお父さんにはならない。うん、素敵だ。でも、穿けないんです(笑)。

支払った金額を 潰れるまで穿くであろう回数で割るとして、一回穿く単価は幾らなのか? 相当に無意味ですが、かなり切実な計算をする度に穿く機会を逃し、防虫剤とともにクローゼットに眠る、このカシミアニットパンツ…。ごめんよ、カシミア山羊たち。この冬こそは 必ず穿いてみせるから! 君たちの努力は無駄にはしない!!

そう、ポジティブに考えよう。このパンツ穿いた日に、キレイな おねぇさんが僕の膝に手を置く。きっとその柔らかさに驚愕するでしょう。その置かれた手は離れることを拒否し、ずっと膝の上だろうし、もしかしたら触れる部分は増え、その手は膝を通り越し、その先へ もっとその先へと……。

いや。でも、そんなときにこんな柔らかいパンツ穿いてたら、僕のアピールは世間に晒されることになってしまう…。やっぱり このカシミアパンツ、もうしばらく穿けなそうです(笑)。

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。



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