ハッと気がついたら ラビットだけでなく ビーバーまで清水ダイブしてましたとさ。
さて、66回目はボルサリーノのフェルトハットです。前にも書きましたが、昔のジェントルマンやジャズマン、ルードボーイズたちが ハットをかぶっている姿がとにかくカッコ良く見えて、自分のスタイルにはハットが欠かせないものに。
スーツにビシッとロングブリムのラビットファーフェルトを合わせるのなんかはシビれますが、普段のなんてことない格好のときにもヒョイと頭に乗せる感じで かぶっている感じも大好き。でも、斜めに かぶったりはしませんよ、絶対に。
夏はパナマハットですが、秋の気配を感じたらファーフェルトに切り替えます。手入れをすれば一生ものなんて言われますが、やっぱり頻繁にかぶれば いくら丁寧にケアをしても臭いはつきますし、痛みも出てくる。なので デイリーに使うのは 『アレッサンドリア』と銘打たれたボルサリーノの定番。それでも4万円以上するので おいそれとは買えませんが…。
最初の頃は 何にでも合わせやすいとのことで"黒"を買うことが多かったんですが、そもそも全然黒い服を着ないし、せっかくこんなにキレイな色のバリエーションがあるのに 選ばないのはもったいないので、最近は色々なカラーにチャレンジしています。ちなみに今 デイリーにかぶっているのはネイビー。スーツや普段着る服もネイビーが多いので、間違いなくフィットしますし、他によく着るグレーにもよく合うんですね、これが。

で、やっぱりオトコのコだったら最高峰にチャレンジしたくなるのが世の常。思い切って清水ダイブをブチかましたのが、ボルサリーノの最高峰"ビーバー"です。いやぁ〜、メチャ高かった…。
さすがに2個、3個と買える代物ではないので、それこそ無難な黒、好きなチャコールグレーやネイビー、パッと見は1番カッコよく見えたキャメルなど、苦虫を噛み潰したみたいな顔して 悩みに悩み倒しましたよ。そうそう、ワインなんてカラーも素敵だった。
そして、自分の現在の持ち駒、合わせるであろう服、肌の色との馴染み具合などなど、店員さんがウンザリしていたであろうほど検討した結果、自分でも少々意外でしたが "カーキ"と呼ばれ、渋めなダークブラウンに見える このコに決めましたとさ。ん〜、素敵っ! ちなみに 買い物に同行いただいた女性からの評判も上々で ややニンマリ。
まぁ、毎度恒例過ぎて 書くのが憚られますが…、なかなかおろすタイミングがみつからず、まだ一度もかぶってません。てへ。
最近一気に寒くなってきたんで 勢いに任せて かぶって外出しようと思ってますが そんな日に限って雨になりそう…。あの靴おろした日も 雨だったしな……。
キミを連れ出すたびに 雨が包んだ〜。
Photo:Riki Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。