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FASHION 干場に着させたい松竹梅

ファッション誌編集長がガチで愛用!おしゃれカメラの松竹梅とは?

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干場:なるほど!なんとなくわかります、その感じ。では、続いて竹のカメラをお願いいたします。

デジタル一眼レフカメラでありながら、フィルム時代のカメラ性能も維持している。ニコン DF ※(オープンプライス)

北原:ニコン DFです。このカメラ、『PLEASE』創刊1号めから私の右腕となっているものなんです。このカメラだったら10台くらい持っていたいくらい愛しています。

干場:へ~、愛に溢れているんですね。どこが魅力なんでしょう?

北原:スペックで言えば、中身がD4なんですが、これはニコンのプロ用機材の中で2番目に高価なものなんです。それだと70万円くらいしてしまうのです。動画機能がないのもいいですね。キャノンとまったく考え方が違うんです。キャノンはボディが変わるとマウントが変わる。でもニコンはマウントが変わらないから、古いレンズも使えるんです。そこがいいところ。しかも、このDFは元々それを考えられていて、ニコンの古いレンズも使えますよ、と謳っているんです。実際、僕はレンズを7本持っているんですが、全部使えます。

干場:古いレンズを使われているんですね。なぜですか?

北原:フィルムのような昔っぽい写真が撮れるんです。コーディングが全然違う。現在のレンズだとデジタルのパキパキの写真が撮れるような構造になっている。でも、古いものだとボヤ感や逆光の時のにじみ感、光の飽和などがとてもいい感じで表現できるんです。そういう哲学もそのまま使わせていただける、っていうのがまた素敵なんです。カメラとは何か、というお題に対峙しながら使えて、いまだに基礎に戻れる。

干場:車みたいなものですね。手間がかかるマニュアル車(笑)。

北原:幻想的な写真を撮りたい方はぜひ!

干場:では、いよいよ松をお願いいたします。

M型フィルムカメラのスリムなフォルムを再現した、ライカM型デジタルカメラ史上で最も薄型でコンパクトなデジタルカメラ ライカM10 85万円(税抜)

北原:やはりライカは自分の中でも特別な存在ですね。1回でいいから1冊まるごとライカで撮ってみたい。これはどうしようもないんですね(笑)。

干場:その心は?

北原:やっぱりドラマティックなんですよ、写真が。ローライのドラマティックさとは違う。ライカはとてもボケ味を大事にしている。どんどん撮りたくなるカメラなんです。例えば、目だけにピンがあっていればいいや、と思いながら撮ると、ボケた場所にも像が残っているんです。レンズがいいんですね。遠くのところに写っているピンがきていないものでも、たぶんこれ鳥だよな、ってわかる。今のものはシャープすぎるけれど、昔のは全体感で捉えている。そういう写真が撮れるんです。

干場:いまのデジカメは全体が写りすぎちゃうんですね。

北原:そうなんです。昔のレンズのようなピンがきていない向こうのほうに写っているビルが、他のものでは、ぐにゃぐにゃっと泥沼のように滲んで汚く見えてしまうものもライカだとなんとなく残っている。それが美しいんですね。ミステリアスで想像力を掻き立てる写真が撮れるんです。

干場:魅力的なものって、ある部分ミステリアスじゃないですか。そういうものが見え隠れする写真に味わいが生まれるんでしょうね。まさにイマジネーションの泉。

北原:写真の情報量とは何か、と問われた時に、僕は写真家のこういう気持ちで撮りたかった、というものも含んでいると思うんです。単に写真を大きくして人物や服をよく見えるようにするだけじゃない。情報量というのはこの服の下が見てみたい、何個バッグが載っているか、だけではない、と。だから今、自分の好きに出来ていていい(笑)。

干場:そういう想いが、込められているんですね。わかります! 今日の結論は3つ買って、全部試してみたいですね(笑)。きっと、表現の仕方が1つ1つ違うと思うので。

北原:3つとも首からかけていても違うファッション性を感じさせるよね。ホルガは可愛くて女子カメラ部。ニコンは写真好き、ライカはラグジュアリーな感じ、と。

干場:確かにそういう演出も面白いですね。最後に北原さんの今日の服を教えてください。

北原:ジャケット、Tシャツ、パンツ、スカーフはすべてソロイストです。靴は竹ケ原敏之介さん。メガネはリンダ ファローです。バッグは実は僕がデザインしたものなんです。

干場:面白いリュックですね。真っ黒でシンプル、いいですね! これ。

 

北原:ポーターと『PLEASE』のコラボとして販売しています。外側にファスナーがないんです。背中の内側にファスナーがあって盗難防止にもなります。3万3000円と2万7500円の2種類で展開しています。

干場:いや〜、カメラの松竹梅、本当に面白かったです。今日はどうもありがとうございました!

Photo,Tatsuya Hamamura
Edit:Satoshi Nakamoto
Text:Yoshie Hayashima

北原 徹(きたはら とおる)
雑誌『PLEASE』発行人兼編集長。大学卒業後、マガジンハウス入社。『an an』『POPEYE』『クロワッサン』書籍の編集等を手掛ける。23年勤めたマガジンハウスを退社後、現職に。カメラ、スタイリング、編集、原稿をすべてこなすマガジニストとして活躍中。



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