夏の格好はだらしなくなりがちだから、せめてパナマハットで紳士の正装気分を
さて、57回目は、「ボルサリーノ」のパナマハットです。昔のジェントルマンやジャズマン、リゾートで優雅に過ごしてる方々への憧れが強いのか…、ハットが欠かせないんです。英国のクリスティーズ(Christys'& Co)やジェームスロック(James Lock & Co. Hatters)、アメリカのステットソン(STETSON)、パナマならエクアドルのオメロ オルテガ(Homero Ortega)などなど、素敵な帽子メーカーがたくさんあるんですが、いつぞやの刷り込みなのか、やっぱりボルサリーノ(Borsalino)が好きなんです。
ラビットファーフェルトや、清水ダイブしたビーバーファーフェルトのソフトハットは秋冬用なので追って紹介しますが、今回はパナマ。最高級品は数百万もするほど高価で、柔軟でありながら強靭さも併せ持ち、旅などの際に丸めてしまっても元の形が崩れることはないらしいんですが…、パナマって絶対に消耗品。かぶってれば少しずつ灼けてきますし、かぶる際に気を遣っていたとしても触る場所は痛んでくる。あと何と言っても湿気が多く汗をかく時期にかぶるわけですから、そりゃどうしたっておスメルが気になるわけです。濡れた子犬みたいな匂いがしだす(笑)。
だから、さすがにそこまで高額なモノを選べないんですが…、出張でイギリス行った際に、日本だと5万円オーバーくらいのパナマが破格で販売されていたんで、軽い気持ちで清水ダイブ! しかも免税だったので、さらに戻ってくるはずだったんですが、あの大きな箱を持ったまま飛行機に乗るのも、ましてやトランクに入れるのも困難と感じ、店頭で箱を処分して頂き、かぶって帰ってきたという代物です。
これ買った直後くらいにストリートでもロングブリムが流行ってしまい、若干かぶるのを躊躇した時期もありましたが、いまじゃ そんなブームあった?ってくらい見事に流れ去っているので、こちらも何もなかったが如く かぶっています。
そうそう、今季は"コロニアル"なカラーリングやオープンカラーのシャツが流行っているんですが、あまりそっち方面なスタイリングにしちゃうと…
Photo:Riku Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka
『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。