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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION こじラグ

第52回 何枚あるか数えるの怖い ボーダーのカットソー

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自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに…。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが…、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

そろそろ爽やかに見えたい。そんなヨコシマな気持ちにピッタリ…?

さて、52回目はヨコシマな自分にピッタリな…って、誰が道をハズれた邪(よこしま)オトコだっ! おっと 取り乱しました、ボーダーのカットソーです。ちなみに、初めて意識して買ったのはアニエス.bのボーダーだったかと思います。ただ当時、世間的にはセントジェームスやオーチバルが全盛。古着好きなヒトたちは別として、フレンチポップに流されたナヨナヨしたオトコたちのマストアイテムになってしまっていたんです。

そう。カ⚫︎ヒ⚫︎キよろしく、フレンチ万歳なフェミってる顔して、フランスパンをペーパーバッグからのぞかせて、ベレー帽かぶって ボーダー着たエセ爽やかボーイズが蠢いていたんですよ〜。なーにぃー!、やっちまったなぁ。

あいたー、そりゃイカン! ボーダー着るなら、「ごんぶと」。ヤワじゃないドンドンドンってな太いボーダーじゃなきゃ許せなかったんですよ。

そこいくとアニエスはフランス ブランドだったのに、ピッチ太めなボーダーだし、クルーネックだし、生地もフライスでセントジェームスやオーチバルよりは柔らかくて着やすかったんです。カラバリも豊富だったので、ホント何枚買ったのか…。クローゼットには同じピッチのボーダーばかりで、恐らくウォーリーが隠れてても探せなかっただろうし、"赤白以外も着る楳図かずお"って呼ばれるところでした(笑)。

だが時は経ち、ダンダーダ♪ 髪の毛も か細くなり、額には薄っすらボーダーのようなシワが寄ってくると、あら不思議。ピッチの細いボーダーと、まだまだ活力ありますよ的なアピールができる鎖骨をのぞかせるボートネックが許せるようになったんです。そうそう、あのon and onもとい、往年のピカソみたいな感じですね。

©gettyimages

ハダカやないかーいっ!

まぁ、さておき。

そこからは大好きなラルフローレンで購入してみたり。こちらは本来パジャマ用のTシャツなんですが、もっとも多感な時期にBIG POLO(ビッグポロ)の洗礼を浴びた世代としては、裾にあるポニーマークがノスタルジーすぎて…。じつは各5枚ずつストックしております(笑)。

そんでもってサンスペルも買ってみたり。こちらは諸事情あってイギリス製ってのがアレしており、こちらも「あるだけください」的に購入。1枚単価が結構するので、それなりな清水ダイブになりました。

そして、プリントTをほぼ着なくなった自分のTシャツストックは、白・黒・グレー・ネイビー・そしてボーダーばかりとなりましたとさ。

おっと忘れてた。トップで紹介してるのは、お気に入りすぎて何度も何度も紹介してるcantate(カンタータ)のボーダー。本格的なウンチクについてはwebで読んでいただくとして、キモは縫製をcantateのシャツを縫っている工場にお願いしてるところです。カットソーでありながら、シャツ仕様。生粋のシャツ好きにはたまりません! そして、着るほどに膨らみが増し、体に馴染むそうなので、着ては洗いを繰り返すのが楽しみでなりません。

しかし、ちょっとだけ高額なのが玉に瑕……。でも、着続けて愛着湧いたら、何度も清水ダイブしちゃいそうで こわいこわい。ボーダー こわい。

Photo:Riku Kashiwabara
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。



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