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媚薬ジャズの聴かせ方

恋多きオンナのJAZZナンバー「既婚者と送りあった秘密の合図」

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JAZZという、男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶してまいりました。この連載では、皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のアドバイスと共に、ちょっと元気が出るナンバーをご紹介してまいります。

秘密の合図はリクエスト

御機嫌よう。恋愛中毒JAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。

「ぺぺちゃん、こいつとアドレス交換してあげて」

かつてJAZZバーのお客様同士のお節介からご縁をいただいた男性がいました。次の日に社交辞令に毛が生えたようなメールを打ち、彼からは軽目の誘いの返信がありました。「やった!」と思いつつ、抑えめの返事を打ったことを記憶しています。

「よく会いますよね」

「たまたま通りかかったもので」

最近観た森見登美彦さん原作の映画「夜は短し歩けよ乙女」のナカメ作戦「なるべく、彼女の、目にとまる」ではないが、当時彼とは偶然に出くわす事が多かったのです。広すぎるサマソニの会場で、偶然同じステージを真後ろで観ていた時は流石に運命めいたものを感じ、さらにJames Bluntが大ヒット曲「You’re Beautiful」を歌い出した時は、映画のワンシーンのようで気絶。その日から彼には運命めいたものを感じ、話をすればする程ぺぺ好みの男性であることを知るのでした。

 

彼の本業はFM局のラジオDJ。中学生の頃からラジオっ子であったぺぺにとって、彼との時間は特別なものでした。隙間を見つけては二人で会うようになりましたが、決して一線を越えることはなく。その奥ゆかしさが逆に新鮮で魅力的に映りました。彼の口からあの二文字が放たれるまでは。

「ごめん、僕結婚してます」

それから、彼は仕事で東京へ行くことに。二人で会うことは無くなりました。そして1年後、ぺぺも上京。彼の番組は再び圏内になり、都会の生活が間も無く心細いぺぺにとっては故郷を思い出す心の支えの番組になっていたのです。

「ぺぺさんよりリクエストいただきました、America/ To Each His Own」

暫く連絡もしてなかった彼からの秘密の合図。

「ね、リクエスト曲があるの。いつか番組でかけてくれる?」

そういえば二人でいた時に、冗談染みて職権乱用を強いていた事を急に思い出した。まさか、番組で曲をかけてくれるとは思っていなかったので、久しぶりにメールをしてみました。お元気ですか?と。

これって誰にも話していないから、きっと秘密の恋ですね。一戦も交えず、細く長く続いてる男女の交友関係。大人になるとこういう関係も粋だと思うし、やはり今でも会うとちょっぴりドキっとする。とってもジャジー。こういう秘密の恋をテーマにしたJAZZの曲あるのかな?と思って探してみたんです。ありましたよ!

それは、曲名もそのままの「Secret Love」。作曲Sammy Fain、作詞Paul Francis Websterによって手掛けられた楽曲です。この曲はポピュラーソングとして、1953年に映画「Calamity Jane」の劇中で Doris Day によって歌われ、翌年に発売されたレコードでビルボードにて最も売れたレコードとして有名になりました。さて、気になる音源をチェックしてみましょう。

ぺぺの大好きなドリス・デイ様。
甘く優しく、叶わぬ恋を全てを許すかのようね。
 

日本を代表するサックスプレーヤー渡部貞夫さんの演奏。
キッレキレでかっこ良すぎますね。

【歌詞】
心に秘めた恋があった
その恋は自由になりたがって
仕方なかったみたい

だから夢見る人がそうしてるみたいに
親しい星に話したの

貴方がどんなに素敵なのかって
なぜ貴方に恋をしてしまったかを

今一番高い丘の上から叫んじゃった
お花にも話したことさえもね

今ようやく心の扉は開け放たれて
私の秘めた恋は 
もう秘密ではなくなるの

シークレットラブ。星に打ち明けた秘密、お月様は全部知っていたかも。ぺぺもこれで秘めた恋はもう秘密でなくなりました。このコラムは毎回ぺぺの格言じみた言葉で〆させていただいておりますので、ここで一つ。

「細く長いお付き合い。秘密の合図を送り合える関係ってジャジーですね」(by.ぺぺ)」

皆さんの参考になるかは保証できませんが、秘密を持つことって特別なパワーを発する気がします。JAZZミュージシャンにも色んな演奏方の方がおられますが、ぺぺは抑え気味の何かを秘めた演奏をする人が色気があってタイプです。またこの話の続きは別の回に。ぺぺがJAZZバーで学んだ教訓よ。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー(アデュー)!

Photo:Yoshihiro Kamiya
Text:RIKAPEPE
Edit:栗P

RIKAPEPE
自らを「シネマ女優JAZZシンガー」と名乗り、映画の中で歌い演じる往年女優のスタイルを表現。CM、イベント出演の他、オーダーメイ ドスーツブランド「SUITBAR」とコラボし衣装デザインをおこない、「ストリートでクチュール(仕立て服)を気軽に愉しむ」「ストリートクチュール」の提案も開始。自身のエンターテイメントJAZZバンドでは、「何処にも実在しない、何処でもない場所」にて開催されるキャバレースタイルのJAZZエンターテイメントを発信中。
【HP】
rikapepe.jp
【instagram】
https://www.instagram.com/rikapepe/







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