STYLE 48 「いつものネイビージャケ&グレーパンツのスタイルで、ちょっと変化が欲しい春先は、丈が短いM-65ブルゾンを」
ネイビージャケットにグレーパンツというスタイルは、季節によって色味や素材を変えつつオールシーズンしている、言わば干場の定番スタイルです。
同じに見えるネイビージャケットでも、春や秋は薄手のカシミア、冬はもう少し厚地で濃いネイビー色のカシミア混ウール、逆に夏は薄手でやや明るいネイビー色でサマーウールなど。グレーパンツも同様に、シーズンによって色味や素材を変えています。
素材の違いはあれど、ネイビージャケットにグレーパンツという見た目は、そんなに変わりません。ある種、僕のスタイルなので変えたくないんです。というか、その方が、自分らしくいられて落ち着くんですね。
最近では、スーツを着るとき以外は、もうネイビージャケットとグレーパンツさえあればいいんじゃないかと思っているぐらいです。大袈裟に聞こえるかも知れませんが、僕なりに辿り着いた究極の干場的スタイルなのであります。
いろいろとジャケットを変えて楽しんでいた時期もあるのですが、ふと出掛けに手に取ってしまうのがネイビージャケットにグレーのパンツ。常に戻ってくる家のような存在なのかも知れません(笑)。
そんなスタイルの上に羽織るものと言えば、秋冬はチェスターフィールドコートがほとんど。いろんなコートがあるのですが、僕自身が描く大人の男性像というのは、やはりチェスターフィールドコートを着ている人が好きなのです。色は、ネイビー、ミディアムグレー、ライトグレー、ブラック、キャメル、ミルクティ色、オフホワイトなど、いろいろと持っています。中身は、ご存知の通り、スーツかネイビージャケットにグレーのパンツです。

いつも一緒(笑)。
でも、これが干場スタイルなのです。
じゃあ、春夏にも同じでネイビージャケットにグレーのパンツの上に、チェスターフィールドコートなの? となるんですが、春夏用のチェスターフィールドコートで、なかなか良い物が出合っていなくて……。今度、時間があるときに、オーダーで作ろうと思っている次第であります。オーダーで良い物が仕上がったら、このエロサバのコーナーやエコラグのコーナーで取り上げてみたいと思っているので、しばしお待ちを!
ということで、そんなチェスターフィールドのスプリングコート代わりに、良く着ているアイテムを今回はご紹介します。

それが、この「エルメネジルド ゼニア」のM-65です。
ボルドーという、僕にしては、かなり珍しい派手に見える色合いなんですが、なかなかM-65で、圧倒的に上品な風合いのものが無かったので購入しました。このアイテムに関しては、エコラグの記事に書いていますので、読んでくださいませ。
今までにも、他のブランドでもM-65を買って来たんですが、本当に気に入ったものになかなか出合えなくて……。
古くは高校生の頃に、御徒町の中田商店で買ったミルスペックのM-65。アルファ社のネイビーのものが最初でした。生地のしっかりしたコットン製のもので、あまりにゴワゴワしていたので、家の洗濯機で、柔軟剤を入れ洗いまくって、柔らかくしたものでした。なんとか柔らかくなり、生地にもアタリが出て、イイ感じのこなれ具合になったんですが……、そもそも、本物の軍モノなので、腕が太く、身幅も大きく、着ていても自分の身体に馴染まず着なくなってしまいました。
その後、もう一度本物のM-65を購入したのはLEON編集部にいる頃でした。その頃には、お直しという知恵がつき、胴回りや、腕回りなど、細くお直しして着ていました。
そして、今度はイタリア製のアスペジのネイビーのM-65に出合って着ていたんですが、見せて欲しいと言われ中国にサンプルとして送ったら、そのまま帰ってこなくなってしまい……。それ以来、着るのが遠のいてしまっていたのです。

で、しばらくして出合ったのが、この「エルメネジルド ゼニア」のM-65なのです。
素材は高密度のポリエステルナイロン。でも、ゼニアなので、圧倒的に素材が上質なもので、シワにもならないし、雨風も防ぐ。しかもシルエットも美しいし、ディテールも他のものに比べ物にならないほど、上品なディテールなのです。色も、赤い彗星を彷彿とさせるシャア・アズナブルカラーがなんともそそりまして……。清水の舞台から飛び降りるつもりで購入しました。
言わば、M-65界のロールスロイス。
値段も、ロールスロイス級に高かったのですが、その値段に見合うぐらい上品で使える逸品なのであります。スーツや、ネイビージャケットにグレーのパンツに似合うのはもちろん、デニム、白いパンツ、ショートパンツなど、なんでもイケちゃう万能選手。本当に良いお買い物をしました。
ディテールも凄く良く出来ているのです。
いろいろなM-65があると思いますが、ゼニアのM-65は、本当によく出来ていますので、皆さん、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか? とおすすめしたいのですが、もう世の中にはないんです。
すいません。と思っていたら、な、な、なんとこの春ネイビー色で、違う「トロフェオ エレメンツ」という素材で新しいタイプが発表されました。そのM-65は、見た瞬間に、気絶するほど格好良く、良い商品でしたので、5秒で買ってしまいました。
そのアイテムに関しては、またご紹介しますので、お楽しみに!
とにかく、大人が着るんだったら、M-65は上品な素材で、モダンなタイトフィットなものであるべし。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
ということで、今回はこの辺で。詳細は、ハイパーリンクを貼っておきましたので、そちらをご覧になってくださいませ。
ということで、今日はこの辺で。

アイテム
アウター/エルメネジルド ゼニア
ジャケット/和光クラシックス designed by Yoshimasa Hoshiba
シャツ/インダスタイル
ネクタイ/ブルネロ クチネリ
ポケットチーフ/ブルネロ クチネリ
ベルト/ジャン・ルソー
ソックス/ナッソー
シューズ/WH
腕時計/セイコー
(すべて干場私物)
そうそう、2冊目の書籍が出来ました。
今回の本のテーマは、「色気」についてです。
ぜひ、読んでくださいね。
Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text&Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
一流に学ぶ
「色気と着こなし」
〜普通に見えて「なぜか、人を惹きつける」男の共通点〜

去年出した、1冊目の書籍も、読んでない方はぜひ!
世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
〜スーツの着こなし術から、世界の一流品選びまで〜

エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、“エロいコンサバ”の略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのにも関わらず、着こなし方次第でSEXYにエロく見えるスタイルのこと。例えば、一番象徴的なのは喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着て、メイクも抑制しているのに、なぜか色っぽく見えるスタイル。例えば、上質な素材の普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンを2~3個開けてセクシーに着こなしたり、袖口を捲って腕元を見せてヌケ感を出すスタイル。単なる粗悪な、しかもデザインが変わっている白いシャツでは駄目。上質な素材のベーシックな白いシャツだからこそ、エロく着こなしても、上品さを保つことが出来るのです。男性で例えるなら、自分の体型に合って仕立てられたミディアムグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに無地のグレーのネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのにも関わらず、内側から大人の色気が香るようなスタイル。要するに、さり気なく上品に見えるコンサバなアイテムを着つつも、エロく見えるスタイル。これが「エロサバ」スタイルの根幹でありキモ。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在42歳の小誌編集長。東京生まれ。
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