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イエローバード伝説再び!ポルシェファンを熱狂させた一台とは?

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911のカタチをしたモンスター

今回のジュネーブモーターショーでポルシェパラノイアを震撼させる1台のモデルが登場しました。その名は「RUF CTR 2017」。このクルマを開発したのはドイツ南部の片田舎、ファッフェンハウゼンにある小さな自動車メーカー「RUF Automobile GmbH(ルーフ・オートモビル社)」です。

RUF CTR 2017
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ルーフの創業は1939年。個人経営のごく普通にある修理工場からスタートしました。戦後のガソリン不足の頃はエンジン車から木炭車へのコンバージョンを手がけ、その技術力でなんとか混乱期を乗り切ったそうです。

そんなルーフに転機が訪れたのは1963年の事。アウトバーンを走るオペルに乗ったルーフ親子を1台のクルマが物凄い勢いでブチ抜いて行ったそうです。そのクルマとはポルシェ911の初代モデル、空冷フラット6を搭載したポルシェ901。その事件をキッカケにポルシェのスペシャリストとしてのルーフの歩みが始まり、1981年にはドイツ連邦自動車交通局により自動車メーカーの認定を受けるに至ります。

RUF CTR 2017
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ルーフの名を世に知らしめたのは1984年のこと。アメリカのロード&トラック誌で❝世界で最も速いロードカーを決める❞企画が行われ、そのテストにルーフはナローボディのポルシェ911カレラに独自のチューニングを施したターボエンジンを搭載する「BTR3.4」で挑みます。そして、並み居るスーパーカーを蹴散らし最高速度306km/hをマークし優勝。質素な外観と相まって、エンジニアリングの高さを証明しました。

RUF CTR 2017
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初代CTRは930ボディの最高峰となるモデルで1987年に誕生。鮮やかなイエローのボディカラーもあり通称❝イエローバード❞と呼ばれました。スポーツカー開発の聖地ドイツのニュルブルクリンクを派手なドリフトで駆け巡るプロモーションビデオ「RUF CTR Nürburgring Lap」〈※リンク〉はあまりに有名です。

さて、話題を「RUF CTR 2017」に戻しましょう。よくクルマ談義のなかで「過去の名車を現代の技術で再生産したら・・・・・・」なんて話題がよく出ますが、まさにそんな夢を具現化したのがこのモデル。

カーボンモノコックにアルミとスチールでフレームを構成したシャーシに最高出力710ps(522 kW)/6750rpm、最大トルク880Nm/2750–4000rpmを発生する3.6リッター水平対向6気筒ターボエンジンを搭載。ミッションはマニュアル6速で後輪駆動。カタチこそロードカーそのものですが、サスペンションは前後ともにプッシュロッド式を採用し、中味はまんまレーシングカーそのものです。

カーボンで製作されたボディは初代CTRを3DスキャンするなどFIA認定「VELA Performance GmbH」の開発支援プログラム技術でブラッシュアップ。その模様は「Ruf CTR 2017 Engineering」でご覧いただけます。

その他、公表されているスペックは乾燥重量1200kg、センターロック式19インチのアルミ鍛造ホイール、タイヤサイズはフロント245/35、リア305/30。加速性能は0-100km/hで3.5秒未満、0-200km/hが9秒未満で最高速度が360km/h。ちなみに欧州モードの燃費は都市部が18.9リッター/100km 、郊外9.8リッター/100kmと優秀です。

「RUF CTR 2017」は今なお色褪せない911デザインの魅力が普遍的なクラシックを内包することを見事に証明しています。何よりその価格が気になるところですが、❝テッパンとノーマルエンジンでいいからこのカタチで作ってくれ! ❞と願うポルシェパラノイアも多いのではないでしょうか。

Text:Seiichi Norishige

RUF Automobile GmbH(ドイツ)
RTC(日本)

■2017 Porsche RUF CTR - Exterior and Interior Walkaround - 2017 Geneva Motor Show



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