「ガッキーがすきです。でも、ガッキーじゃなくてもいいです」
川崎:婚活に決まってるでしょ。何を話しに来たんですか。あなたにはお仕置きが必要みたいね。(ポキポキと指をならしながら)。
田中:わわっ、ごめんなさい! 川崎さんのお仕置きは怖すぎます(泣)。でも婚活して合う人を見つけたいとは思ってるんですよ? ただ、どうしても婚活のために仕事を捨てようって割り切れないんですよ。
川崎:あなた、本当はそこまで結婚を焦っていないんじゃない? あなたは仕事が忙しいことを隠れ蓑にして婚活を先延ばしする状況に甘んじてるだけ。本気で結婚に死にもの狂いなら、時間なんて作れますよ。婚活相談に来た相談者が婚活したくないというなら、これは企画倒れかもしれないわね。さて、今日は帰ろうかしら。栗原プロデューサー、私の鞄取っていただける?
栗P:先生、ささ、どうぞ。
田中:ちょっと待ってください、川崎さん! 思えばボクは結婚がしたいと言いながら、仕事が一番の恋人のままで、仕事量を減らせるかもしれないなんて思いもしませんでした。今の言葉を肝に銘じて、もう一度婚活に本腰を入れますので、どうか見捨てないでください(泣)。
川崎:婚活する時間は捻出できない、でも結婚はしたい、そんなあなたみたいな男女のためにこの世には「結婚相談所」という場があるの。相手に求める条件が決まってる上で時間がないっていうなら、そこに丸投げするのも手よ。もちろん自分のところに無理やり勧誘しようって腹じゃないから安心してね。
田中:そっちの方が手っ取り早いのは分かるんですが、結婚サイトや結婚相談所って抵抗があるんですよ。出会い系サイトとの違いもよく分からないですし、そういうところって「ジャニーズ級のイケメン以外はイケメンじゃねえ!」って言ってる狩人みたいな欲望滾る女性たちが男をとっかえひっかえしている血みどろの合戦場みたいなイメージがあって怖いんです……。
川崎:私の前回の連載を読んでくれてるのはありがたいんだけど、その極端すぎるイメージからはちょっと離れましょうね。いわゆる、出会い系サイトというのは、結婚願望に限らず恋人が欲しいっていう人が利用しているの。婚活サイトはガチで結婚したい人が集まるサイト。
結婚相談所は料金の違いはあれど、そこでコンシェルジュの方が面談して相手をセレクトしてくれる。それが成功したら報酬を支払うのが結婚相談所。入会金やお見合い料がかかるからその分高いけどね。どれにも、もちろんいろんな人がいるし、イケメンハンターもいれば田中さんの人柄を見てくれる素敵な女性もいるはずですよ。
田中:そうだったんですね。今まではその辺が全部ごっちゃになってました。それを聞いてちょっと安心……。でも自分の希望を100%叶えてくれる人はなかなかいないですよね。
川崎:そんなこと当たり前です(笑)。だからこそなるべく年収、出身大学、趣味など数値化できることを明確にすることが大事なのよ。コンシェルジュという他人に紹介してもらうからには、曖昧に「かわいい」とか「優しい人」とかじゃなく「芸能人の誰々に似ている」とか「趣味は犬の散歩」とかなるべく具体的に言うことが大切。仕事のことだけじゃなく、自分の人となりが解るようにする工夫することもね。コンシェルジュに伝えることを具体的に考えていけば、おのずと自分が結婚相手に求めるキモや優先順位もわかってくるはずよ。
せっかくだから、私をコンシェルジュだと思って面接してみましょう。まずは条件を明確にすることから。結婚生活でこれだけは譲れないことってある?
田中:う~ん……(熟考)。大体許せるとは思いますが、しいて言うならボクは本の虫なので、それを許してくれる人がいいですね。本だけで数千冊あるので。結婚するならさすがに捨てようかとは思いますが、電子書籍程度は許してほしいかな。
川崎:許すも何も本好きの男性なんて、女性から見たら知的で素晴らしいと思いますよ。そんなに本が好きな田中さんには読書会なんてどうかしら。私も日本最大の読書会と言われる猫町倶楽部に著者として参加したことがあるからわかるんだけど、読書会のマッチング率は高いのよ。
課題図書があって、それに対して男女10人づつくらい集まってその本について感想を言い合う。自分はしない独特な読み方をする人って、喋ってても面白いし尊敬できるから、本を一つの媒介にして話も弾むわけ。
田中:なるほど。行ったことないですけど、いいかもしれないですね。そこにいるような女性なら読書好きに決まってますから、ボクの趣味を許容してくれる可能性も高いってことですもんね。
川崎:その通り。じゃあ、続きね。顔はどんな子がタイプなの? さっきは面食いと言ってたけど。具体的に芸能人とかで例えてもらえるかしら。深キョンとサトエリって答えはつまらないからナシで。
田中:うーん、そうですね……。そう言われると難しいな。でも最近だと「逃げ恥」のガッキーが可愛いですよね。星野源が羨ましすぎます。
川崎:確かにガッキー可愛いわよね。あああ、やっぱり面食いだなぁ(笑)。ガッキーレベルが日本に何人いるか分からないけれど、そのものと結婚できるわけじゃないから、ガッキーが可愛いと思ったのはどこか? スタイルなのか、笑顔なのか、所作なのか? どこに惹かれてるのかをちゃんと言語化した方がいいわね。
田中:ありきたりでスイマセン……。そう思うと、ボクは女性の顔というよりも動作が好きなのかもしれません。凡百の日本人男性と同じくガッキーの顔が好きなのはもちろんですけど、恋ダンス踊ってるときのガッキーの動きに特にキュンときてることに気づきました。あとオーバーリアクションも好きですね。僕は基本無口なので喋ってくれると尚良しです。
川崎:しぐさに惹かれるってことね。あとはお喋り、と。他には?
田中:趣味が不動産なんです。うちの父が不動産好きなのもあって、3歳のころから愛読書が住宅情報誌という謎の英才教育を受けてきたんです。だから間取りとか見るのが好きで、値段とかの相場も語らせたら、将棋の話題にも負けません。
川崎:それも面白い趣味じゃないかしら。家やマンション好きな女性もいるし。気になるならそういうことは初めに言っておけばいいじゃない? あと他に譲れないところはある? まだ何か隠し玉があるんじゃないの?
田中:それが……実はボク、すごく甘えん坊なんです。付き合ったら膝枕してくれる人がいいですね。喧嘩した時も膝枕だけは許してほしいな。
川崎:甘えん坊って、最後にぶっこんでくるわね(笑)。でも喧嘩しても許してほしいっていうのはいただけないわ。普通謝ってから膝枕お願いするのが筋なんじゃないの?
田中:謝る前にお願いします。
川崎:謝るのが先です。謝ったうえで約束通りお願いしますってならないと。謝らないと結婚できないわよ。ありがとうとごめんなさいは絶対に言わなきゃダメ。
田中:でも自分が悪くないのに謝るのは嫌ですよ。
川崎:夫婦になるとね、どちらかが「100%悪い」も「100%悪くない」もなくなってくるの。だから、二人ですり合わせることが大事。話し合いができないと結婚は無理よ。
田中さん:そうかもしれないですね。実は前回の彼女とは話し合いができす、そこで問い詰めて別れることになってしまったので。やっぱり自分口下手なんだなって思いますね。口下手な僕でも許してくれるガッキーみたいな人がいれば一番いいんですけど。
川崎さん:いねーよ!
それに、前の彼女と付き合ってる時よりスキルアップしていかないと。職業柄、ドラマとか漫画はよく研究してるでしょ? そこを「ガッキー、可愛い」だけですっ飛ばさないで女の子がどんな時にどんなことをすると自分がキュンとなるのか知ること。そうすればあなた、女性にアプローチするのも上手になるはずよ。
田中さん:そうか。自分の好みを漠然とさせておくのではなく、人に伝えられるようになるほど突き詰めて考えることが大事なんですね。いまのように川崎さんと話していると、自分の中でも結婚相手に求める要素と、その中での優先順位がクリアになってきました。自分を知ることが大事なんですね。参りました。
川崎:でもこれでわかったじゃない。あなたが狙うべきは自分以上によく喋る、本が好きな女性ってこと。ターゲットを明確にできれば、あとはそういう人がいそうな読書会に参加するとか、結婚相談所に登録してコンシェルジュに任せるとか、時間は無くても方法の取りようはあるわけじゃない。
田中さんは今まで忙しさを言い訳にしていたから出会う機会がなかったってだけで、決してモテないわけじゃないのよ。勝ちに行くために必要なことを逆算して今から行動すれば結婚という王手も夢じゃないわ。頑張ってくださいね。
田中:はい。これからは出会いがないのを仕事のせいにせず、出会いの場を広げていきたいと思います。次の一手が見つかりました! ありがとうございました!
川崎貴子先生から、今回の教訓
一、 餅は餅屋。結婚相談所は忙しい婚活ビジネスマンに有効。躊躇せずにどんどん利用せよ。
一、自分好みのターゲットを明確にするべし。ゴールが決まれば、そこから逆算して行動ができると心得よ。
Photo : Yuji Hirose
Text : To be
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