こじらせ映画評

日髙夏子の「こじらせ映画評」

愛するが故の選択が二極する「たかが世界の終わり」

2017.2.20 2017.2.20
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2017.2.20

スマフォーのみなさんは、スマートにこの言葉を使えてしまう方ばかりだと思うので、私のようになかなか言えないなんてことはないと思いますが…実は、日本語の中で一番重みのある言葉なんじゃないかとこじらせた私は思っています。特に、その愛が深ければ深いほど、口に出すことが難しくなってしまう。

それを告げることが一番難しいからこそ、ルイは最後の選択で、自分の「愛してる」を精一杯伝えたのではないでしょうか。そう、言葉では伝えられないほど、深く家族を愛していたんです。

冒頭の質問の私の答えですが、

まさに、これまで愛した人に、「ありがとう」と「愛してる」を告げに行くことです。

愛といっても、その形は様々。家族や大切な友人、そして大好きだった人、それ以上に私の人生に大きな影響を与えてくれた方々です。

こじらせ女の私は、いつもいろんなことを必要以上に深く考えすぎてしまい、素直に自分の感情や想いを告げることが一番苦手だったりします。友人にも、普段、仕事とかピンチの時にはあんなにすっぱりと自分の意見で決断して、バッサバッサと侍の如く問題を斬り捨てているのに、なんで恋愛とか人間関係になると必要以上に複雑に考えて躊躇しているのか、マジで意味がわからん!

と呆れられてばかり笑 自分でも、なぜそうなってしまうのかわかりませんが、きっと自分の想いを伝えた時に相手がどう捉えるのか、そして、それがその後のお互いの関係にどう響くのか。それが怖いんです。そう、そこにちゃんと愛を感じているから。だからこそ、怖いんだと思うんです。

仕事とかなんでもないことであれば、さらっと判断を下しちゃったり自分の考えていることを言えちゃったり出来るのも、そこに明確な愛を感じていないから。

相手にとって迷惑じゃないか? とか重いんじゃないか? 私の気持ちの押しつけになってしまうんじゃないか?とか。だからこそ、口に出来ないことが、私なりの「愛しているが故の選択」なのかもしれません。

だから、自分が明日死ぬとわかっていれば、私の想いをぶつけても相手がどんな風に受け取るか目にしなくて済むから、先のことを考える必要がないから、思い切って言えちゃうのかもしれません。そう、やっぱりその時を迎えたら、私は【ゲリラ「愛してる」の旅】(なんというネーミングセンスの無さ・・・) に出たいと思います笑 私のゲリラに遭遇したあなた、こじらせ女の最期のあがきだと思ってどうか優しく迎えてあげてくださいね。

そして、この作品はほとんどが家族の中だけで起こる会話劇で進みます。戯曲が基になっていることもあり、どんなシーンも大胆で衝動的でありながらも、言葉の節々に繊細さを感じるものばかり。そんな激しさと静けさのコントラストが美しく、それを演じる豪華な俳優の渾身の演技も見ものです。

なお、この作品は劇場公開中なので、気になった方は是非映画館まで足を運んでみてください。みなさんにとって新しい出逢いになるかもしれません。

劇場で久しく映画を見ていないというアラフォーのみなさんも多いでしょう。もちろん、アクション大作の迫力を大画面で堪能するのも素敵ですが、素晴らしい俳優たちが醸し出す小さな感情の機微や息遣いなどの繊細な人間の息吹を大画面で感じるのも、なかなか贅沢な時間の過ごし方になるのではないでしょうか。

そうそう! 話は変わりますが、先日、今年のアカデミー賞のノミネーションが発表されましたね! ノミネート発表の瞬間、私の脳内はもうスーパーボールのハーフタイムショーでレディ・ガガが空から降ってきた時よりも、オリンピックで◎◎首相がなぜかマリオで登場した時よりも、比べものにならないくらい大騒ぎだったわけでして。

いつも淡々としていて、何を考えているかわからないとかミステリアスとか、そんなこと言われている私が、思わずニヤニヤが止まらなくて気持ち悪いと言われてしまうような、一年で一番テンションがあがる時期です! ※連載第3回目「世界に一つのプレイブック」をご参照ください。

ということで、次回は僭越ながらこじらせ女による、根拠全くなし、でもイケフォーのみなさんに理解していただきやすいように愛をいっぱいこめたアカデミー賞予想をお届けしちゃいますよ、ダンナ! お楽しみに!(え、待ってないって? そう思ったあなたも、思わず目を奪われてしまうような目眩く時間を授賞式で堪能出来ちゃうはずなので、心してお待ちくださいね!)

それではみなさま、今日も素敵な1日をお過ごしください♡

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Natsuko Hidaka

Edit:栗原P

「たかが世界の終わり」
監督・脚本・製作/グザビエ・ドラン
キャスト/ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥー、マリオン・コティヤール、バンサン・カッセル、ナタリー・バイほか
2月11日公開(現在、劇場公開中!)
http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

【撮影協力】
ユーロスペース
渋谷区円山町1‐5 KINOHAUS 3F
03-3461-0211
http://www.eurospace.co.jp/

【ひだか・なつこ】
小学校から大学までの16年間を附属の女子校で過ごした“こじらせ女”。(幼稚園もほぼ女子校だったので、それもカウントすると約20年間)幼い頃に家族の影響でエンターテイメントに目覚る。中学・高校をミュージカルに、大学生活を映画館でのアルバイトに捧げ、海外ドラマ廃人も経験する。映画やエンターテイメントとより多くの人を結びつけたいという想いから、放送局に入社。今でも毎週末は映画館で過ごし、これまで見た作品は約4000本。そんな映画への愛をこじらせ、コンシェルジュとして今回の連載を担当する。
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