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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 干場の「エロサバ」

ほぼ週替わり! THE STYLE GUIDE 43th

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STYLE 43 「ファッションはいらない。普通で良いのよ、普通で! 休日は地味に」

「あの人お洒落だよね」って言われる大人の男には、昔からなりたくないんです。雑誌から抜け出してきたような人なんて、もってのほか。お洒落なアイテムも身に着けたくないし、流行のものなんてどうでもいい。どちらかというと、誰もが着るような普通のアイテムを、普通に着ていたいんです。これが、何十年と変わらない僕の本音。

「良く言うよ! 干場さん、今までにもいろいろなファッション雑誌を編集してきているし、ファッションディレクターという肩書きもあるのに」って思う方もいるかも知れないですが、僕の本音としては、いつも普通が一番良いんです。

以前、ビームスのバイヤーとして活躍されている無籐和彦さんに人気連載(http://forzastyle.com/articles/-/50063)に出て頂いた時に言われた言葉が、まさにそう。一応、もう一度書いておきますので、その時の対話を読んで見てください。

無藤:この秋冬はグレー系の色味がトレンドですよね。グレーに始まり、ベージュや白、エクリュなど無彩色などがトレンドの中心となっていて、赤とか派手な色はあまりない。ベーシックなカラーをオーソドックスなカラーに合わせて、より大人っぽい着こなしをする、というのが今年らしい。

干場:なるほど。僕がこのニットを着るなら、どんなコーディネートがおすすめですか?

無藤:ホッシーだったら、それこそナイロンのパンツなんかでもいいよね。プラダっぽい装いになるんじゃない。あえて起毛感のある素材のニットを一枚で着る。
あとはトレンドになっている、腰回りがゆったりとしたプリーツ入りのパンツもいいよね。短めのレングスやロールアップして穿いている人もいるけれど、ホッシーにはジャストレングスが似合うと思う。

干場:何故です? やり過ぎていない感じがするからでしょうか?

無藤:うん、そこに“ファッション”は要らないんだよね。内面から出てくる風格やホッシーの薫りだけでよくて……。普通に装うことがホッシーのスタイルだと思う。お洒落ぶって、いろいろやらない方がいい。とてもベーシックなものでも、充分積み重ねてきたものの重みが出ると思う。

干場:なるほど。無藤さんの言葉、一語一句に重みがあります! 刺さりますね。いろいろやらずに、敢えてシンプルに着こなすのが大人のスタイルっていうことですね。

無藤:いろいろ盛るのを否定している訳ではなく、いろいろ凝らなくてもシンプルが似合う人もいるっていうことなんです。普通にしているほうが、よりお洒落っていうこと。

干場:なるほど! 無藤さんも(パンツを)短くしないですもんね。普通の方向に、寄せて着こなしていますよね。でも、そういう考え方の人ってあんまりいないんですよね。

無藤:そうかもしれない。リアルクローズなんていう言葉が出てくる前から、僕はそういう(ベーシックな)格好だった。

そう、あえてお洒落に見せるような、あざとさとか僕にはいらないんです。誰もが着るようなものを、サラッとさり気なく着ていて、素敵に見られたいんです。髪形も、流行の髪形とか、したくないのには、そういう理由があるからなのです。

ある意味、普通であり、王道。

今回着ている、黒のコートだって、これといって流行のものでもありません。普通に働いているイタリア人の男性たちが着ているのも、このFAY(フェイ)のチェスターフィールドコートだし……。中に着ている黒のニットだって、クルチアーニの何の変哲もない丸首のもの。

合わせ方だって、パンツに、ニットに、コートを羽織っただけ。流行色を取り入れている訳でもないし、黒一色で、どちらかというと地味。

大人の男は、ファッションなんかに気に取られていないで、そんなことよりも、もっと人生で知っておかなければいけない大事なものがあるでしょ!って思っちゃうんです。だから、流行を取り入れて、お洒落に見られて足下が浮き足立ってる若造に見えるより、歳を重ねてきたら、落ち着いた印象に見られるように、普通なものを、普通に着て、街に溶け込みたいのです。目立ちたくない。

う〜、なかなか、わかっていただけないかも知れませんが、僕の本音って、いつもここに戻ってくるんです。

ということで、今回はこの辺で。

そうそう、2冊目の書籍が出来ました。
今回の本のテーマは、「色気」についてです。
ぜひ、読んでくださいね。

アイテム
コート/フェイ
ニット/クルチアーニ
パンツ/ニール・バレット
ベルト/プラダ
ソックス/ナッソー
靴/WH
腕時計/カルティエ
(すべて干場私物)

Photo:Ikuo Kubota(OWL)
Text&Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


一流に学ぶ
「色気と着こなし」
〜普通に見えて「なぜか、人を惹きつける」男の共通点〜

去年出した、1冊目の書籍も、読んでない方はぜひ!


世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
〜スーツの着こなし術から、世界の一流品選びまで〜


エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、“エロいコンサバ”の略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのにも関わらず、着こなし方次第でSEXYにエロく見えるスタイルのこと。例えば、一番象徴的なのは喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着て、メイクも抑制しているのに、なぜか色っぽく見えるスタイル。例えば、上質な素材の普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンを2~3個開けてセクシーに着こなしたり、袖口を捲って腕元を見せてヌケ感を出すスタイル。単なる粗悪な、しかもデザインが変わっている白いシャツでは駄目。上質な素材のベーシックな白いシャツだからこそ、エロく着こなしても、上品さを保つことが出来るのです。男性で例えるなら、自分の体型に合って仕立てられたミディアムグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに無地のグレーのネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのにも関わらず、内側から大人の色気が香るようなスタイル。要するに、さり気なく上品に見えるコンサバなアイテムを着つつも、エロく見えるスタイル。これが「エロサバ」スタイルの根幹でありキモ。

『FORZA STYLE』編集長

干場義雅

尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在42歳の小誌編集長。東京生まれ。



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