やはり強かったメルセデス・ベンツ
JAIA(日本自動車輸入組合)から2016年の輸入車新車登録台数が発表されました。輸入車マーケットは昨年、出だしこそ前年比割れと懸念されたものの4月以降に巻き返し。いわゆる逆輸入車を除いて2015年比3.4%増。台数としては29万5114台となり、過去3番目の記録となったそうです。
傾向としてはプラグインハイブリッド車が126.8%増、クリーンディーゼル車が75.9%増と2015年に引き続き好調(いずれも乗用車のデータ)。乗用車全体(414万6459台)に占める外国メーカーの輸入車シェアは7.1%(前年は6.7%)と諸外国と比較すると、依然として小さいシェアだといいます。

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気になる2016年の輸入車ランキングを見てみましょう。
◇ブランド別 Best10
1位:Mercedes-Benz 6万7386台(3.4%↑)
2位:BMW 5万0571台(9.4%↑)
3位:VW 4万7234台(13.8%↓)
4位:Audi 2万8502台(3.1%↓)
5位:MINI 2万4548台(16.4%↑)
6位:日産 1万8225台(14.3%↓)
7位:トヨタ 1万5877台(7.4%↑)
8位:VOLVO 1万4914台(8.2%↑)
9位:Jeep 9392台(31.7%↑)
10位:スズキ 9026台(205.7%↑)
※( )内は前年比
相変わらずメルセデス・ベンツは好調ですね。まさにブランド力の賜物です(インポーターの努力も相当ですが)。フォルクスワーゲンはアメリカに端を発する排気ガス問題の影響が出たのか3位に転落。しかしながら2017年は巻き返せる範囲でしょう。また、SUVの先駆者であるジープの健闘が光ります。

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◇モデル別 Best10
1位:MINI 2万4548台
2位:VWゴルフ 2万2802台
3位:Mercedes-Benz Cクラス 1万7760台
4位:BMW 3シリーズ 1万1947台
5位:VWポロ 1万0903台
6位:BMW 2シリーズ 9864台
7位:Mercedes-Benz CLA 8557台
8位:Audi A3シリーズ 8063台
9位:Mercedes-Benz Eクラス 7900台
10位:BMW 1シリーズ 7724台

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巷では1988年の統計以来トップの地位を堅持してきたVWゴルフが2位に転落した! と見出しが踊りますが、要因を分析すれば大した問題でもないような気がします。確かにMINIが躍進しましたが、3ドアに5ドア、ステーションワゴンにクロスオーバーとラインナップが際立っています。

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VWゴルフは目立つ追加モデルがありませんし、既にボディサイズも上級モデル並。日本の環境下ではポロの方が汎用性は高いのです。
ここ数年、グローバルでトップを走ってきたBMWですが、ついにその座をメルセデス・ベンツに開け渡す事になりました。新型5シリーズの投入を皮切りに2017年を迎えたBMWですが、モデルレンジの見直しの必要に迫られるかも知れません。

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プレミアムコンパクトのカテゴリーではメルセデス・ベンツCLAの好調ぶりが目立ちます。Cクラスは順当。新型Eクラス(当記事トップ画像)は生産が追いついていないようですが2017年が試金石となります。
今回は売れ筋モデルを特集しましたが、次回は庶民目線で超高級車を検証しようかと検討中です。なお、動画はモデル別1位に輝いたMINIに敬意を表してジョン・クーパー・ワークスのドリフトシーンをお楽しみください!
Text:Seiichi Norishige
■John Cooper Works | MINI Thrill Maximised