汎用性の高さが自慢の、上品なワークデニム!
いまや一口に「デニム」と言ってもテイストは千差万別。それゆえ、万人に似合うなんてモノは存在しないのかもしれません。
大切なことは、トレンドを理解したうえで自分らしい一本を選ぶこと。この連載に登場する逸品とともに、新しいデニム探しの旅へと出かけてみませんか?
イタリア目線で手がけた“こなれ感”満点の1本
「もう5ポケット型のデニムは、山ほど持っている」。今回ご紹介するのは、そんな贅沢な悩みを抱えているスマフォーにぴったりな1本です。
実はこのデニム、意外に思われる方が多いかもしれませんが、あのBrunello Cucinelli(ブルネロ クチネリ)謹製の一品。
ブルネロ クチネリと言えば、“スポーツシックラグジュアリー”をコンセプトに、カラーカシミアをはじめ、コレクション全体を通じてエレガントな印象がありますが、こんなアメリカンナイズされたデニムパンツも手がけているんですよね。
近年、イタカジと言っても、かなりアメリカの要素が入っていて、ラフ&タフな男らしい要素をイタリアらしくセクシーにこなすが主流だったりします。そう考えると、納得できる1本だと言えます。
日本製デニムの色落ちと合わせやすいシルエットの競演!
このデニムはいわゆる“ベイカーパンツ”がモチーフ。でも、ズドンと太くて真っ直ぐなストレートではなく、ほどよく余裕を持ちながら洗練を感じさせるテーパードのラインを描いているのが特徴です。
なんと言っても素晴らしいのが色落ち。その秘密は、ブルネロ クチネリ社自ら日本へ出向いて生地を選定したライトオンスの日本製デニムを使用しているからなんです。
正直、イタリアブランドのデニムだと、目の肥えたデニム好きなら、ちょっと色落ちが……。なんて思うことが多々ありますが、このクオリティであれば及第点は十分クリアしています。ダメージ加工もさり気ないですし、鮮やかな薄めのインディゴゆえ、今の気分にド真ん中でハマります。

シルエットの選定にも、このブランドらしさが溢れています。従来、この手のワークパンツだと、裾幅が広く設けるのがセオリーですが、こちらは対照的に裾幅が狭いので、革靴からスニーカーまで似合います。カジュアルな雰囲気ですから、アメリカ的にコーディネートしてもいいし、上質なニットで大人っぽくこなすのも悪くないですね。
ワイルドに見えて、その実、誰とでも仲良くなれる優等生! とっても便利なので試しに我が家のワードローブに迎えてみてはいかがでしょうか? レギュラー入りは確実かと。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text: Shuhei sato
【問い合わせ】
ブルネロ クチネリ ジャパン
03-5276-8300
www.brunellocucinelli.com