迷彩じゃなく、アートで表現する大人のミリタリー
世界中にはいろいろなブランドがあり、毎シーズンさまざまな流行や新しいファッションの提案があるので「何を買うべきか?」「どれを取り入れるべきか?」と悩んでしまう人も多いはずです。そこで、新しく始まったこの連載では、今、注目が集まる人気ブランドの中から「買い!」の逸品をピックアップ。第19回目は、ドリス ヴァン ノッテンのコートです。
今季の着こなしのキーワードのひとつである「ミリタリー」。スマフォー世代なら上手く取り入れて、上品なコーディネートを楽しみたいものですよね。そこで、今回ご紹介するのがこちらのチェスターフィールドコートです。キモは何といっても、両脇と両腕に取り付けられた優雅な金糸刺繍の装飾。実はこれ、ミリタリーの式典用のユニフォームに飾られる、戦争の功績を称える章飾をイメージし、オリジナルで作られたものなのですが……。クラシックでエレガントなコートが一気に華やぎ、都会的なミリタリーを表現しているのです。
デザインの特徴は、ダブルボタンの幅を狭め、ウエストを強調するコンパクトなシルエット。それによりスタイルをよく見せています。上質で肉厚のウール素材を使うことで、真冬でも厚手のインナーが不要。ゆえにジャケット代わりにさらっと羽織るのが、このコートを楽しむポイントです。さらに、お洒落に着こなすポイントを探ってみましょう。
インナーに使ったのは、エレガントなコートのムードをグッと高めてくれるアーティスティックなシャツ。これは、60年代の平和運動の時代に、アメリカのサイケデリック・ポスターで名を馳せたアーティスト、ウェス・ウィルソンとコラボした作品です。元々は、ポップな色使いのポスターだったのですが、今回のドリス ヴァン ノッテンのミリタリーのテーマに合わせてカーキトーンでまとめたのだとか。こんなアートなシャツをミリタリー要素として取り入れるのも大人の余裕ですよね。
ウィングチップのクラシックなドレスシューズは、ゴルフシューズのタッセルを付けることで、流行のスポーツエッセンスをプラス。また、ソールの模様に戦車(タンク)のキャタピラーをイメージさせるタンクソールを採用することで、コーディネートのキモであるミリタリーもしっかりアピールしています。細身のブラックパンツを合わせることで、ブラウン×タンの美しいコンビカラーを目立たせるのも技術のうちです。
Photo:Siro Katagiri
Styling:Ryo Kuroda
Hair make:Masaki Tanimori
Model:Trayko Petrov
Text:Satoshi Nakamoto
【問い合わせ】
ドリス ヴァン ノッテン
03-6820-8104
www.driesvannoten.com