人気のクラブマンにJCW誕生
開催中のパリ・モーターショー(2016年10月1日~16日)からライフスタイル系の注目車をご紹介します。指名買いの筆頭株、MINIのブースでワールドプレミアを迎えた「ジョン・クーパー・ワークス(以下、JCW)クラブマン」です。
MINIのなかでもっともスポーツ濃度の高いホットなモデルがJCW。現在のラインナップは3ドアとコンバーチブル、クロスオーバーとペースマンに設定されているのですが、ココに左右両開きのハッチゲートが特徴的なステーションワゴンのボディをもつクラブマンが加わることになります。
パワーユニットは2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、クーパーSより39hp(29kW)高い最高出力231hp(170kW)/5000-6000rpm、最大トルクは70Nm高い350Nmを発生。駆動方式は定評あるALL4(四輪駆動システム)。ついつい気にしてしまう最高速度はMT、ATともに238km/hと、可愛げない速さを持ち合わせます。
ところで、MINIといえば❝ミニクーパー❞というワンワードで認知されている方も多いのですが、正式には車名が「ミニ」で、「クーパー」はグレード名です。ちょっとクルマに詳しい方ならご存でしょうが、あらためてクーパー伝説を振り返ってみたいと思います。
初代MINI(クラシック・ミニ)が誕生したのは1959年。スエズ動乱(第二次中東戦争)の影響から、低燃費でコンパクトなモデルが求められていました。開発したのは今では天才エンジニアとして著名なアレック・イシゴニス。数々の名車を生み出し、後にサーの称号を与えられます。

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MINIのポテンシャルを大幅に高めたクーパーが誕生したのは1962年。アレック・イシゴニスのレース仲間であったジョン・クーパーが、そのポテンシャルの高さに注目しチューニングしたMINIをイシゴニスに見せたのがきっかけとなりました。
ちなみにジョン・クーパーは生粋のレース人で、MINIが誕生した1959年から2年連続でF1コンストラクターズタイトルに輝く人物。
こうした経緯から誕生したMINIクーパーは、数々のレースで活躍することになります。なかでも伝説となったのは1964年のモンテカルロ・ラリーでの勝利です。大排気量(MINIに比べれば)のライバルを尻目に、翌1965年、また1966年にも勝利し、その名を不動のものとしてしまうのです。

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ハナシを戻しますが、つまりクーパーさんへのリスペクトから「クーパー」というグレード名が誕生し、そこに数々の伝説と愛らしいデザインとが相まってワンワードで呼ばれるほど人々に浸透していったのです。そして今日、そのレースの血統はJCWへと受け継がれています。

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発表直後ですので「MINI JCW クラブマン」の日本導入は未定ですが、そう遠くないタイミングでアナウンスされることでしょう。使い勝手の良さとファッション性で注目されるクラブマンですが、そこに走りのJCWが加わり、さらに魅力的なモデルとなりそうです。
Text:Seiichi Norishige
価格:未定
MINI
0120-3298-14(MINIカスタマー・インタラクション・センター)
■The new MINI John Cooper Works Clubman.