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FOOD

【連載】“隠居系”山田恒太郎が案内する
百花繚乱「神戸メシ」
第5食 「赤萬 三宮店」の「味噌だれ餃子」

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ホッシーも大好き! 神戸B級グルメの代表格

2016年8月某日の朝。トークショー出演のため神戸に来る、ホッシーこと干場義雅さんから連絡がありました。

ホッシー:隠居系さん、今から東京を出て、神戸に向かいま~す!
隠居系:は~い、気をつけて来てね~
ホッシー:トークショーの後、“赤福”の餃子食べに行きましょうよ~!
隠居系:う、うん(それ、伊勢神宮やん......)

ホッシーったら~、天然っぷりもス・テ・キ!

今回紹介するのは、そんな干場編集長も大好きな、「赤萬」の味噌だれ餃子です。“神戸の餃子”といえば、味噌だれ餃子。スーパーの冷凍食品コーナーでも売っています。1,536,837人(2016年9月1日現在)の神戸市民全員が大好きな餃子です(おっと、勢いでウソ書いちゃいましたっ!)。

「赤萬」のメニューです。餃子しかありません。潔い! 1個41.429円。安いっ! 飲み物はビールと水しかありません。ジュースは場所が無いから置いてません! 禁煙、超嬉しいっ! あっ、注文は1人2人前からお願いしますね。

追加は人数に関係なく2人前以上で。小皿は1人1枚といういことで、ご協力よろしくお願いします(ペコリ)。

店長の材井雅徳さん。店の休日にもラー油作りのための出勤があったりして、月に2日ぐらいしか休みが無いそうです。お疲れ様です!

餡は何か変わったところはあるんですか? 「材料は豚肉、キャベツ、ニンニク、醤油。とくに変わったところはありません」。う~ん、人気の秘密、まだ不明です......。

すごい早業で、餃子がどんどん作られていきます。営業中、ず~っとこの作業が続きます。いや~、とにかく大変。

いよいよ焼きに入ります。同時に6人前、42個まで焼けます。餃子を並べて、水を足して蒸し焼きに。ふたをしたら焼き上がりまで12分から13分、そのまま放置です。ちなみに鉄板の厚さは5ミリもあります。保温性が高くて、焼き色にムラが出ないんだそうです。

餃子が焼けるのを待つ間に、タレを作りましょう。 いちばん手前が、要チェキラ!の味噌です。「赤萬」の味噌は、赤と白の合わせ味噌。そこにニンニクや昆布だしが加えられています。店によっては赤味噌だけだったりします。ここに店ごとの個性が出るわけですね。

味噌だれの調合には、お勧めの黄金比率があります。味噌2に対して、酢と醤油が各1。ラー油はお好みで。ラー油は混ぜずに、底に沈んでいる唐辛子をそ~っとすくうのがポイントです(←これ重要!)。

ジャーン、完成です! 今日は3人前頂きます。ビールはキリンのラガー。1964年の創業時から、これ一筋だそうです。

味噌だれをたっぷりつけてっと......。旨~いっ!(←前回登場「甘~いっ!」の変化形)。皮は当然ながらパリパリ&モチモチ。餡はすっごくジューシークチュール!(1回言ってみたかっただけ)。ニンニクはあまり強くありません。餡の味は超王道で、オーソドックスです。これなら神戸にも溢れ返っている、餃子通インバウンド系の皆さんも「スーパー・オーセンティック・ギョーザ! ソー・デリシャスッ!」と喜んでくれることでしょう(ただの想像)。

味噌は塩気が強いとかは全然無くて、あっさり目ですごくまろやかです。コレ、飽きない味ですね。味噌があると、普通の酢醤油&ラー油バージョンより、味に深みが出てグッと美味しくなります。と、隠居系は思います。

ビールをグイグイ飲みながら、3人前をあっという間に平らげてしまいました。旨かった~。隠居系のお勧めの食べ方ですが、まずはシンプルに酢醤油とラー油だけで何個かいきます。次に味噌だけで何個か。あっ、小皿は1人1枚なので、この味噌は餃子のお皿の空いた場所を使いましょう。で、最後にミックス。これでめくるめく、ディープな味噌だれ餃子の官能の世界(?)を堪能できます。

おみやげ用も売ってますよ。こちらも大人気。生と焼きがあって、黄金比率で調合済みの味噌だれがついてきます。過去には最大250人前買ったお客さんがいたそうです。いったい何に使ったんでしょうね......。

Photo:Kei Kato
Text:Kotaro Yamada

「赤萬 三宮店」
TEL:078-331-0831
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-2-1
営業時間:14:00~20:00(ラストオーダー)。土日祝は13:00~。餃子が無くなりしだい閉店
休み:水曜
※価格は税込

山田恒太郎(改め“隠居系”)
1990年代後半から『BRUTUS』、『Esquire日本版』、『LEON』、『GQ Japan』などで、ファッションエディターとしてそこそこ頑張る。スタイリストとしては、元内閣総理大臣などを担当。本厄をとっくに過ぎた2012年以降、次々病魔に冒され、ついに転地療養のため神戸に転居。快方に向かうかと思われた今年(2016年)4月、内服薬の副作用で「鬱血性心不全」を発症。三途の川に片足突っ込むも、なんとかこっちの世界に生還。「人生楽ありゃ苦もあるさ~♪」を痛感する、“隠居系”な日々。1964年生まれ。神戸市出身。

 



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