服装やシーンを選ばず使える万能時計
今回はヴィンテージロレックスの大定番「ROLEX EXPLORERⅠ(エクスプローラーⅠ)」のRef.1016から、後期のマットダイヤルをご紹介します。
飾り気のないシンプルなデザインと小ぶりサイズ感から人気が高いRef.1016は、1963年から1988年までの製造されたロングセラーです。
最初期は文字盤の外周にミニッツサークルが入るミラーダイヤルですが、マイナーチェンジを経て、60年代半ばからマットダイヤルへと移行します。

Ref.1016、1988年製、自動巻き(Cal.1570)、SSケース&ブレスレット、ケース径36㎜/160万円(税込)
【問い合わせ】 エンツォ ショップ 0120-161-722 http://www.enzo-shop.com/
ヴィンテージウォッチとして比べた場合、希少性や付加価値という意味では初期のミラーダイヤルに軍配が上がりますが、価格を含め、後期のマットダイヤルを選ぶメリットは大いにあります。
それをずばり、コンディションに優れた個体と出会える確率が高いことです。
ヴィンテージロレックス、特にスポーツウォッチのミラーダイヤルは、生産数が少ないことや謎が多いディテールの変遷に加え、経年変化から文字盤の表情に個体差が生まれやすいことが人気の理由です。
しかし、裏を返せば、ここでの経年変化が購入時の非常に厄介な問題として浮上してきます(笑)。なぜなら、これひとつでまったく同じ型番でも価格が大幅に変わるのはもちろん、人気が集中する極上のコンディションや自然なエイジングの個体となると、そう簡単には見つからないからです。
片やマットダイヤルは材質の違いから、夜光塗料は日焼けするものの文字盤はそこまでの大きな経年変化が起きないので、コンディションでの落差が少ないことが特徴として挙がります。さらにミラーダイヤルではまず入手が難しい付属品が完備する個体と出会える可能性が高まります。

そして、もうひとつ付け加えておくと、こちらの個体のように夜光塗料の焼けが少ないRef.1016は今の時代のファッションとの相性はピカイチ! 服装やシーンを選ばず使えるうえに、ほのかにヴィンテージ特有の雰囲気を腕元に香らせます。言うなれば、普段使いに最適なヴィンテージウォッチの代表格なのです。
ここ最近、市場在庫が枯渇しているため、以前よりもRef.1016の後期モデルを店頭見かける機会が減っていますが、まだまだ出会えるチャンスはあるかと思います。ヴィンテージロレックスの登竜門としてもオススメの一本です。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE