デニム好きも納得できるリアルなこなれ感!
平日のスーツ姿はそれなりに様になっていても週末のカジュアルになった途端トーンダウン。もし女性からそんな風に思われたら40男にとっては一大事ですよね?
そんな時は初心にかえって、カジュアルの基本である「デニム選び」から見直すと、着こなしをスムーズに組み立てられます。
いまや一口にデニムと言ってもテイストは千差万別。40男の皆さまの場合、10代の頃に体験したヴィンテージブームを皮切りに、90年代を席巻したデザイナーズジーンズ、西海外のプレミアムな美脚デニムに、純国産のリプロダクトなど、これまで多く出会いと別れがあったかと思います。
そこでの経験から導き出したひとつの答え。それは「万人に似合うデニムなんてモノは存在しない」ということ。仮に定番中の定番を用意したところで、旬なファッションと似合うかどうかも、崩れた体型をカバーしてくれる保証もどこにもないのです。
大切なことはトレンドを理解したうえで自分らしい一本を選ぶこと。この連載に登場する逸品とともに、新しいデニム探しの旅へと出かけてみませんか?
イタリア目線のアメリカンなデニムとは?
今回はご紹介するのは、昨年ついに日本へ本格上陸を果たした「ROY ROGER’S(ロイ ロジャース)」の一本です。このブランド、まだ日本ではまだあまり知られていませんが、イタリア最古のデニムブランドとして、ヨーロッパでは抜群の知名度を誇ります。パリのコレットなどの超有名セレクトショップを皮切りに、全世界で約2000店舗で取り扱われ、6店舗の直営店を運営しています。
ブランドの創業は1949年。創業者フランシスコ・バッチさんが、アメリカ人兵士の穿いていたジーンズに感銘を受けたのが、すべてのはじまりでした。デニム自体の出自は一説によるとフランスらしいですが、ジーンズの発祥は紛れもなくアメリカ。そこでフランシスコさんは、アメリカに飛んで、本場のNO.1デニムメーカーであるコーンミルズ社とパートナー契約を結びます。デニム好きであれば常識ですが、このコーンミルズの生地はリーバイス®の名作「501®」にも使われていることでも有名です。
このような経緯からロイ ロジャースのモノづくりの基盤が完成しました。創業当時はまだワークウエアとして売られていて、本社に展示されているアーカイブは、どれもプレミアムなヴィンテージデニムのような風合い。3代目となる現社長は『本物の歴史がないブランドに未来はない』と持論を語るそうですが、これらのアーカイブが存在することで、ロイ ロジャースの製品には自ずとアメリカの匂いやデニムの深みが宿るのでしょう。
一押しは断然ラギッドライン!
ロイ ロジャースが世界中の店舗から支持されている理由のひとつが豊富なバリエーション。全型を含めると約700品番もあるんです。ざっくりとラインを分けると、ベーシックなヒストリカル、もっともボリュームのあるスーペリアル、そしてヴィンテージへの飽くなき追求を体現したラギッドがあります。
三者三様の魅了があるのですが、40男にオススメしたいのが、もっとも手が込んでいるラギッドです。このラインは、「アメリカンヴィンテージの再構築をテーマ」に、日夜研究してきた同社のデニム製造の技術を惜しみなく披露しています。

とりわけ注目すべき点がリアルな加工。ヴィンテージのダメージ具合を忠実に再現するから、古着ブームを体験してきたであろう40男の諸兄が「嘘くさくてありえない!」なんて思う仕上がりなんてのは皆無です。しかも、理想の加工を追求するために日本製デニムを使っているあたりもグッと刺さります。
もちろん、美の国イタリアが本気で作るデニムパンツですから、ご覧のようにシルエットもこれまた素晴らしいのです。股上が浅めの自然なテーパードは今の流行をしっかりとキャッチしています。この辺から、ヴィンテージを愛しつつも、しっかりとモテを忘れないイタリア人の気質を感じますね。
ジャストサイズを選んでサラッと穿くだけでこなれ感が出るのも◎。今の季節なら味のあるトップスでカジュアルを満喫するのもいいですし、秋冬なら少しきれいめなもので、ギャップを楽しむのも悪くありませんね。
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text: Shuhei Sato

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