「上元」も「下元」もある?！ お中元の由来とは？
元 CA であり、キャスター、「やさしいマナー研究所」代表としてご活躍中の石田紗英子さんを先生としてお招きし、ビジネスマナーについてのギモンを解決していく人気連載。ビジネスの場において、恥ずかしくない 40's になるため、 35 歳の編集部員サトシーノが、男では気が付きにくい細かな部分まで教えてもらいます。元 CA がキュンとくるビジネスマナー「キュン マナ」の第 9 回目は、お中元のマナー編です。
サトシーノ：紗英子先生、7月になったので、いよいよ夏本番ですね！今日は何のマナーを教えてもらえるのでしょうか？
紗英子先生：今、ちょうどお中元シーズンですので、お中元についておさえておきたいと思います。ところで、サトシーノさんはお中元を贈られました？
サトシーノ：いえ、それが全くやってないんですよね……。お盆に実家に帰る時に、お供えとして菓子折りとかを持って帰ることはありますけど。知人にわざわざ送ることはないです。正直、どこまでのおつきあいの人に、どの程度送れば良いのかがわからなくて……。
紗英子先生：サトシーノさん、実はそれが正解なんですよ。
サトシーノ：え！？どういうことですか？？？お中元は出さなくて良いってこと？
紗英子先生：現代では主にお仕事関係でお世話になっている方に贈り物をするようになりましたが、もともとは親や親戚を見舞い、ご先祖にお供え物をするのが、お中元だったんです。ちなみに、お『中元』もあれば、『上元』や『下元』があるのをご存知ですか？
サトシーノ：ええ！？そんなのがあるんですか？知りませんでした！
紗英子先生：お中元は、もともと中国道教の三元節の一つで、お供物を捧げて祝う習慣から来ています。上元が１月、中元は７月、そして下元は１０月・・・と。その『中元』が日本のお盆の時期と重なったわけです。
サトシーノ：へ～！そうなんですね。
紗英子先生：サトシーノさんのように、お盆にご実家に帰られる際、ご両親の見舞いやご先祖様のお供え物として持って行くことこそが、お中元の本来の形ですね。
サトシーノ：そうだったんですね。実際、お中元は、どの時期に渡すのがベストなんですか？
紗英子先生：お中元の時期は地域によって異なりますが、７月頭から１５日までが一般的です。
サトシーノ：まさに「今」ですね！
紗英子先生：私は関西出身なんですけど、関西（西日本）では旧暦のため１か月遅く、８月頭から１５日。サトシーノさんのご実家（愛媛）もそうじゃないですか？
サトシーノ：そうだったかな～。でも、確かにお盆に合わせて持って行ってるから、８月だわ。
紗英子先生：そうそう、でも８月８日を過ぎると、季節は立秋になってしまうので、それ以降の場合は『お中元』とはしないで、『残暑お見舞い』にして贈るのが良いですよ。
サトシーノ：そうなんですね。
紗英子先生：ちなみに『お歳暮』の時期はいつでしょうか？
サトシーノ：クリスマス……終わって、年末まで？ そんな印象がありますが。
紗英子先生：お歳暮は、１２月の中頃からクリスマスあたりまでに贈るのが正解です。ところで、お歳暮ってどんな字を書きますか？
サトシーノ：え～っと…（カキカキ）「お歳暮」ですよね？
紗英子先生：正解です！年の暮れって書きますね。 年の終わりに１年の感謝を込めて、新しい歳神様を迎えるために本家にお供物を届けたのが始まりと言われています。
サトシーノ：なるほど。ちゃんと昔からの習わしだったんですね。
紗英子先生：お中元もお歳暮も、日本人がずっと大切にしてもの。仕事関係の方にお中元を渡すようになったのは、実はごく最近。明治以降だと言われています。
サトシーノ：最近は、お中元を禁止してる会社も多くなってると聞きますよね？
紗英子先生：一個人の意見ですが、実は私も、そっちに（お中元禁止）に賛成なんです。
サトシーノ：え？ それはナゼですか？？
紗英子先生：お仕事関係でお世話になっている方って、本当にたくさんいらして。もちろん、サトシーノさんもそうです。全ての方にお渡ししきれないのが現実です。
サトシーノ：あ～、それはそうですよね。
紗英子先生：今のお中元は、“品物を送る事”がメインになっていますが、本当はそれより挨拶が先であるべきなんです。「いつもお世話になっております。ありがとうございます。」という気持ちや挨拶が大事で、お中元を贈るときも、ただ品物を贈るのではなくて、挨拶状をつけてお送りすることをお勧めします。
サトシーノ： 確かに、黙って品だけ送られてきても、「なんのこっちゃ」ってなりますよね。心が通ってないというか、やっつけ感が半端ない。
紗英子先生：せっかくお送りしても、そんな風に思われたら悲しいですね。それよりは、直接「いつもありがとうございます。」と、ご挨拶に伺う方がいいと思うんです。そして、もし相手に贈り物をするのであれば、誕生日とか、出世祝いとか、結婚お祝いなどの方が喜ばれる気がします。
実は、今日もお中元のご挨拶回りさせていただいていますが、本当はそう思っています。皆様、いかがでしょうか？
サトシーノ：じゃあ、今回のマナーはなしってことで？（笑）。
紗英子先生：（笑）。お中元をお贈りするなら、ちゃんと気持ちも届けましょうと言いたくて。あと、贈り物をする際は、お相手をしっかりリサーチしたいですね。家族構成、好きなもの、年齢もそうですね。たとえば、お酒を飲めない方にお酒を贈っても・・・。手土産と同じく、お中元はやっぱり“喜んでもらえるもの”でありたいです。そして、お中元はそもそもの由来からも、食べものがいいですね。
サトシーノ：喜ばれるもの……。具体的には、どんなものがオススメですか？
今回はここまで！
次回は、コチラ→絶対喜ばれるお中元選びです。
Photo:Toshimitsu Watanabe
Edit,Text:Satoshi Nakamoto
石田紗英子着用：Seraphine CASSANDRA ボルガドットシルクワンピース
〜ソルレガロ・インターナショナル〜http://www.solregaro.com
石田 紗英子（ Saeko Ishida ）
元客室乗務員の経歴を持つレプロエンタテインメント所属のキャスター。やさしいマナー研究所代表 http://yasashiimanner.com
としても活躍中。 TV や WEB 配信番組のレギュラーを数多く務める注目の美女。 http://ameblo.jp/saeko-sora/
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