悪目立ちしないレアな金張りの腕時計
バーゼルワールド2016で発表された斬新な文字盤のデザインが話題を集めているROLEX(ロレックス)の「Air-King(エアキング)」。
ペットネームを持つロレックスの腕時計としては人気・実力ともに地味な存在であることは否めませんが、ヴィンテージに該当するモデルはどれも通好みで、いぶし銀のような魅力があります。
ロングセラーである3針のRef.5500を見れば分かるように、デザインは至ってベーシック。伝統の「オイスターケース」と同じく実用性に秀でた「パーペチュアル機構」とロレックスの三大発明のうちの2つをシンプルに表現しています。
もうひとつ、ヴィテージの「エアキング」を読む上で重要なポイントが“コンパクトなサイズ感”です。同時代の「EXPLORER(エクスプローラー)」や「DATEJUST(デイトジャスト)」の36mmのケース径と比べても一回り小ぶりな直径34mmのミドルケースは、44mm径オーバーがザラである現行の機械式時計ではなかなかお目にかかれないサイズだと言えます。
で、ここで話が終わらないのがヴィンテージロレックスの面白さであり、深みだったりします(笑)。
コチラのRef.5506はなかなかお目にかかることができないレアモデル。しかもありえないようなプレミアが付いていないところも狙い目だと言えます。
Ref.5506の特徴はずばり、金無垢ではなく、“金張り”であること。そもそも「エアキング」は高級機でもあるベストセラー「デイトジャスト」と違って何もかもが地味な存在であったことから、豪華な外装のモデルを量産する必要性がありませんでした。それゆえ、こんな金張り仕様のモデルが展開していたのです。
さらにこの個体は、ミラーダイヤル&アルファハンドを備えた艶やかな文字盤に大変希少な同素材のリベットブレスと、ヴィンテージロレックスのキモとなる重要なディテールがフルセットで揃います。
金無垢のブレスレットは総じてコーディネイトが難しく、それなりのキャラがないと腕元が浮いてしまうことが多いのですが……。この個体は金貼り特有の落ち着いた印象があるのでぜひブレスも一緒に楽しんでいただきたい一本。オリジナリティやコンディションなど、総合的に見てもかなりお買い得なので、金時計のデビューにもオススメです!
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE