ファッション界の賢人が提案!干場に着させたい「松竹梅」

ボトムスはこれさえあれば! グレーパンツの松竹梅とは?

2016.5.2 2016.5.2
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2016.5.2

7万円台でも安い?! 100年以上のオーダー手法を既製品に踏襲した東京限定の1本

イタリア・ナポリ発、元祖パンタロナイオ“アンブロージ”の世界初プレタラインがこちら。股上を深く、太腿周りにゆとりを持たせたシルエットながら、穿くと不思議と太くは見えずエレガントに決まる。こちらはウールフラネル素材ですが、夏素材も入荷予定。7万6000円/アンブロージ(ブライスランドinfo@brycelandsco.com)

松尾:アンブロージのパンツで7万6000円になります。

干場:値段だけ伺うと、かなり凄いですが笑 これはどんなブランドなんでしょう? 

松尾:これもイタリア・ナポリのブランドで、ナポリの中でもかなり治安の悪い地域に工房を構えています。こちらも100年以上と長い歴史を誇る小さな工房で、名だたるサルトのパンツを請け負っているんですが、4代目のパンタロナイオであるサルヴァトーレ・アンプロージ自身がウェルドレッサーとしても世界的に有名なんです。先ほどもお話ししたんですが、パンタロナイオって、元は下請け職人なんですね。それを彼はアンブロージというブランドとしてスタートさせて、現在、とても注目されているんです。小誌でもモーラとともに最も注目しているブランドのひとつです。

干場:なるほど。こちらのパンツの特徴はどんな所なんでしょう?

松尾:ご覧の通り、股上が深めでプリーツ入りです。細いパンツが多い昨今、これはワタリにゆとりを持たせたクラシックなフォルムになっています。大人が穿いてとてもエレガントに見えるんです。一見太目なんですが、穿いてみると細く見える。それと、所謂ナポリのオーダーメイドのパンツはベルトレスが多いのですが、それを踏襲していますね。サイドアジャスター仕様です。前出のモーラと同じく、前釦、パンチェリーナ仕様で、お腹周りをきちんとサポートして穿き心地がとても良い。卓越したハンドテクニックが盛り込まれた仕立てなので、動きに合わせてフィットしてくれます。クラシックなんだけれど古臭くなくてどこかモダンさも感じさせるんです。それと最大の特徴は、このアンブロージのパンツは今までオーダーメイドでしか展開がなかったのですが、世界でここ東京だけプレタで買えるってことなんです。ほっしーは、これどう思います?

干場:いいですね! この深さを変えたタックの入り方とかサイドアジャスターとか、とても好みです笑 

松尾:シンプルなんですがよく見ると、ここならではの特徴が随所に散りばめられているんです。パンツって脇役になりがちな存在ですが、このアンブロージのパンツは主役級の1本だと思います。今日、紹介した3本のパンツ、どうでしょう? グレーパンツ好きのほっしーの感想を聞かせてください。

干場:リアルクローズという意味では m039のパンツはいいですね。実際欲しいのは、アンプロージですね。オーダーでなくともこのクオリティが手に入るっていいなと思います。

松尾:今日紹介したパンツ3本のコンセプトは、“プレタでオーダーメイド感覚の穿き心地が体感できる“なので、そう言ってもらえると嬉しい笑

干場:ところで松尾さんの今日のパンツはどちらのですか? グレーのパンツをお召しですが。

松尾:これはフランコ・プリンツィバァリーのもので、随分前にオーダーで作ったものなんです。

干場:これ、インプリーツなんですね。

松尾:そう、インの2プリーツ。

干場:珍しいですね。

松尾:プリンツィバァリーさんはイタリア人なんですが、どちらかというとイギリスの仕立てに近いんですよね。イギリスのパンツってインプリーツのものが多くて、これもインプリーツで出来上がってきたんです。

干場:その他のアイテムも教えてください。

松尾:ジャケットもフランコ・プリンツィバァリーで、こちらもオーダーメイドです。
シャツはアビーノというナポリのブランドで、前回のピッティコレクション滞在時に購入したものです。

干場:着心地はどうですか?

松尾:とてもいいですよ。ステッチが細かくて衿や袖付けなど丁寧に仕上げられていますし、フライなどに近い着心地だと思います。

干場:ネクタイはネイビーのソリッドですね。いいですね。どちらのものですか?

松尾:これはミラノのアンジェロ フスコで購入したものです。セッテピエゲ、クアトロピエゲなどが沢山揃っているショップです。これはカシミヤのセッテピエゲですね。時計はオーデマピゲのロイヤルオークで、Aラインの復刻版です。

干場:僕もロイヤルオークですよ。お揃いですね。靴下はどちらのものですか? 可愛いですね!

松尾:ドルモアのものです。ドルモアって、靴下にも可愛いのが揃っているんですよ。ビスコッティ柄とか水玉とかいろいろ見つかります。ドルモアはニットで有名ですが、靴下の専用編み機を持っているんです。ずり落ちてこないし、履き心地が良いのでおすすめです。靴はジョン ロブで、もう廃盤になってしまったセイモアというモデルです。この色味が気に入っています。

干場:ところで松尾さんはパンツを選ぶときは何を重視されていらっしゃるんですか?

松尾:テーラードのパンツに関して言うと、プリーツが入っているクラシックなタイプのものが好きですね。

干場:先ほどおすすめのパンツの中でインプリーツの話しがでてきましたが、その差って何なんでしょう?

松尾:サヴィルロウのパンツなど英国のものはインプリーツが多いですね。アウトプリーツのほうがカジュアルとされていますので、例えばチノパンでインプリーツっていうのはおかしいんですよね。パンツを作る際、インプリーツのほうが技術的に難しいそうです。あと、インプリーツはお腹が出ると開いて体型の変化に合わせるんですが、アウトプリーツは開かない。

干場:なるほど。松尾さんはどんなグレーのパンツをお持ちですか?

松尾:好みのグレーというのは特にないんですが、最低でも1シーズンに2本は揃えておきます。明るいグレーと暗いグレーという感じです。

干場:コーディネートの時に気を付けていることはありますか? 

松尾:実は色味を考えるのは最後で、素材の合わせが重要だと思っています。例えば、今日はウールのパンツに合わせて(起毛している)スエードの靴、(ふわふわしている)カシミヤのタイを合わせています。毛羽立っているものには同じものを、つるっとしている素材は同じような質感を合わせると上手くまとまりますよね。タキシードにスエードの靴はおかしいし。

干場:パンツの裾幅などはこだわってますか?

松尾:基本的にターンナップは5cmで裾幅は20cm以上にしています。

干場:20cmって意外と太いですね。他にこだわっている点はありますか?

松尾:オーダーのものや体型に合っていると、実はそんな太く見えないんです。あとこだわっているのは、裾のカットですね。所謂モーニングカットにしています。モーニングカットとは甲から踵にかけて、裾を後ろ斜めにカットすることを言います。これはオーダーメイドではスタンダードですが、既成のものを買うときも裾をモーニングカットに直すだけで、かなり見た目が違うのでおすすめです。パンツの後ろ裾の浮きが解消されてスタイルよく見えます。

干場:やはり細かいこだわりをお持ちですね。とても参考になります。今日はどうもありがとうございました。

photo:Mitsutoshi Watanabe
Text:Yoshie Hayashima
Edit:Satoshi Nakamoto

 

松尾健太郎(まつおけんたろう)

 

THE RAKE 日本版編集長、クリエイティブ・ディレクター
男子専科、ワールドフォトプレスを経て、‘92 年、株式会社世界文化社入社。月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、以後クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。‘05 年同誌編集長に就任し、のべ 4 年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン編集長、新潮社 ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。現在、インターナショナル・ラグジュアリー誌“THE RAKE”日本版編集長。

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