COLUMN

複数のパートナーを同時に愛する
「ポリアモリー」の真実、著者が語る。

2016.4.26 2016.4.26
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2016.4.26

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深海:よくポリアモリーの話をすると、ポリアモリーは本能に反しているとか、反対に、ポリアモリーは人間の本能に合ったスタイルだ、という意見や議論を耳にするのですが、私は本能とポリアモリーというテーマは簡単に答えが出るような問いだとは思っていません。ただ、はっきりと言えるのは、世界を見渡せば、様々な婚姻のあり方、家族のあり方、愛のあり方があるということです。地域によって、時代によって、愛のあり方は違う部分もありますし、共通する部分もあります。同じ時代、同じ地域であっても、一人と親密な関係を築くことが合っている人もいれば、複数の人と関係を築くのが合っている人もいると思います。また、一人の人物であってもポリアモリーが自分にとって最良な時期もあれば、一人と関係を築くことが最良な時期もあります。それは時期だけでなく、パートナーにもよります。このように考えると、やはりポリアモリーを本能に引きつけて議論するのは難しいと思いますし、簡単に答えを出してもいけないと思います。また、西内さんのおっしゃる「結局は一途になる」という現象は、ポリアモリーか否かや本能に関わらず「人の心が移り変わった」という、ただそれだけのことであると思います。ポリアモリーでもそうでなくても、人の心というのは固定化できるものではなく、絶えず移り変わるものですから。

人の心は固定化できない

西内:「人の心は固定化できない」という意味においては、ポリアモリーか否かは関係なく、「相手の心が自分から離れてしまうのではないか」という不安は隣り合わせであるということでしょうか。

深海:そうですね。ポリアモリーが、「他にもパートナーができたことが直接的な別れの原因になりにくい」とはいえ、愛するという気持ちに変化が起き生じて「別れる」ということはもちろんあります。

西内:ポリアモリーになったからといって、パートナーが自分のもとを離れてしまうのではないかという不安からは解放されないということですね。

深海:そうですね。ですので、ポリアモリーは「一対一の関係に疲れたから」などという「逃げ」で実践できるようなものではないんです。ポリアモリーでも、一対一の愛と同じように不安や嫉妬が付きまといますし、楽しいこともあれば、苦しいこともあり、また相手を傷つけることもあれば、傷つけられることもあります。それは対象が複数であれ単数であれ、変わらないことなのだと思います。ポリアモリーと言えば、複数のパートナーと関係を持ち「開放的である」という印象を受ける方も多いかもしれませんが、「制度からは解放されている」だけで、自由気ままに複数のパートナーと付き合っているわけではありません。ですので、不特定多数と性関係を持つ乱交やその場限りのタイプのスワッピング、フリーラブとも異なるものなんですよね。

ポリアモリーの課題は「スケジュール管理」

西内:そうなんですね。ちなみに、ポリアモリーが最も大変だと語ることが「スケジュール管理」だと著書にありましたが、複数の相手との「スケジュール管理」という労力や時間を使ってまで「愛」に生きることができるというのは、ポリアモリーはよほど時間やお金に余裕がある人々なのでしょうか。

深海:いえ、そういうわけではないんですよね。別に、「時間をもてあましているから」という理由でポリアモリーになっているわけではないんです。もちろん、仕事もあり、さらに複数のパートナーとのスケジュール管理をすることは大変なことですが、そうしてでも「愛の経験を大切にしていきたい」と考える人々、「愛すること」や「自己成長」にウエイトを置いている人々がポリアモリーには多いですね。

西内:お話をうかがい、理解はできたような気がするものの、まだ腑に落ちない部分もあり、「愛とはなにか」が余計に分からなくなってきました。深海さんにとって、一体「愛とは」何なのでしょうか。

「愛」とは

深海:すごい質問ですね(笑)。私自身も、愛の研究をすればするほど、どんどん分からなくなってきたというのが正直なところです。ただ一つ言えるのは、愛とは、「その人が生きているということに対して、“きちんと”配慮すること」なのではないかなと思っています。本著をきっかけに、このように愛について真剣に考える人が増えることは嬉しいですね。ただ、私は決してポリアモリーを啓蒙したいわけではなく、どちらかといえば、これまで抱えていた「愛や常識についてのモヤモヤした疑問」を持っていた人に、このような考え方もあるということを知ることにより「救い」を感じてもらえれば嬉しいと思っています。

...「愛とは」。ポリアモリーとは複数愛に焦点を当てた著書であると思っていたのですが、もしかすると、愛の対象が「複数であるか」「単数であるか」は、さして重要な問題ではないのかもしれません。「そもそも愛とは何であるのか」を考えるキッカケを、深海菊絵さん著「ポリアモリー 複数の愛を生きる」は与えてくれたように思います。あなたにとって、愛とは何でしょうか。愛する対象に、あなたは何を思い、どのように行動しているでしょうか。 それは愛と言えるでしょうか。その愛をより良いものにするためにはどうすれば良いでしょうか。そんなことを今一度、じっくり考えてみる機会になればと思います。

Edit,Text:Yuko Nishiuchi
Photo:getty images,他

著書「ポリアモリー 複数の愛を生きる」
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【「ポリアモリー 複数の愛を生きる」著者:深海菊絵(ふかみ・きくえ)】
札幌生まれ、横浜育ち。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在籍。主な研究領域は性愛論、家族研究。本書が初著作。日本人で初めてポリアモリーの実態を調査研究し、書籍にまとめた。

【編集者・ライター:西内悠子】
1988年兵庫県出身、同志社大学文学部哲学科卒。新卒でavexに入社し3年間OL。その後、フリーランスとなる。「貧乳女子大生の就活日記〜オッパイはつかめないけど人事の心はつかむゾ♪」がアメブロ大学生ランキング1位を獲得。

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