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FASHION 干場の「エロサバ」

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STYLE 20
「自分はスーツが似合う顔なのか? デニムが似合う顔なのか?」

2016.4.25 update

ファッションは、首から上と、首から下が繋がって見えないと格好悪い。これは、僕の持論であります。要するに、よく自分の顔を見なさい! ということ。服飾評論家で名高い故・落合正勝さんも、著書『男の服槍術〈カジュアル編〉』の中で、こんなことをおっしゃっていました。


カジュアルが似合う人、似合わない人

映画『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドのスーツスタイルは、年齢と太った体型でごまかした着こなしである。タキシード姿は、西洋の役者であればそこそこには見える。慣れているからだ。
スティーブ・マックィーンのスーツスタイルが目立った映画は、前掲映画に加えて、『シンシナティ・キット』、『マンハッタン物語』などわずかである。彼もスーツスタイルは似合わない。いかにも窮屈そうだ。だからスーツを着なかったというわけではなく、役者の問題であろう。がちがちの法律家などという役は、マックイーンには似合わない。飛んだり跳ねたり、撃ちまくったり、カジュアルな役がよい。

『波止場』における、クラシックとカジュアルの対比

個々の役者ではなく、カジュアルでないスタイル(クラシックなスーツスタイル)と、カジュアルなスタイルの線引きがなされ、そのふたつがどんな意味をそなえているかが鮮明だった映画は『波止場』である。

この映画が重要な点は、波止場を牛耳る悪漢(支配者)と、労働者たち(被支配者)が明確に種分けされ、その支配者と被支配者の服装もまた明確に種分けされている点にある。支配者はクラシックスーツ、被支配者はすべてカジュアル、つまり港の雨や風を凌ぐための自由な服装である。

落合正勝著書『男の服槍術〈カジュアル編〉』/はまの出版より

要するに、自分は、どんなタイプの顔なのか? を知ることが、素敵に見える近道なのであります。

自分は、支配者の顔なのか? それとも被支配者の顔なのか?

日本人的なのか? バタ臭い外国人顔なのか?

ジーンズが似合う顔なのか? それともスーツが似合う顔なのか?

客観的に、自分のことを見てみて、どんな人なのかを知ることが、洋服を格好良く着こなすには大事なこと。

ということで、自分のことを考えてみたところ……。イタリア人になりたいという希望的観測はあっても、結局は、どっからどう見ても日本人。ヒゲを生やしても、イタリア人らしい装い方を真似してみても、イタリア人には追いつけないのであります(笑)。

じゃあ、逆にジーンズのようなカジュアルスタイルが似合うか? というと、それも難しい。アメリカ人のようにバタ臭くないから、ジーンズも似合わないのであります。

やっぱり1973年、昭和のど真ん中で生まれ、超日本人的な顔をしている自分は、イタリア人にもなれないし、デニムが似合うアメリカ人にもなれない。

どちらかということであれば、おそらく後者。デニムよりも、スーツの方がしっくりと来る古い顔だから、ほぼスーツスタイルでいることが多いのです。

ふ〜、今回は前置きが長すぎた(笑)。いずれにしても、43歳という、超中途半端な年齢のおかげもあって、カジュアルなスタイルが似合わなくなってきているので、カジュアルがOKという日でも、こういう極力、普通の、ジャケット&パンツのスタイルにしているのであります。モードファッションも似合わないので、あまり着ません。派手な色や柄も、似合わないので着ません。

普通のネイビージャケットに、白いシャツに、グレーのパンツ。お洒落でもなんでもなくって、誰もが着るものばかり(笑)。自分の中で辿り着いた結論としては、普通の顔だからこそ、普通っぽいものが似合うということなのであります。

皆さん……。
首から上と、首から下が繋がっていますか?

たまには、客観的に見ることが大事なのであります。さてさて、全然関係ないですが、この2年ぐらい、頚椎ヘルニアで首が痛く、左腕がしびれていまして……。ジャケパンスタイルでも、リュックというか、バックパックを持つことが多いんです。

こちらは、お気に入りのブルネロ クチネリのバックパック。上品なジャケットにも似合う、深いアンティークブラウン色がなんとも魅力なのであります。

そうそう、頚椎ヘルニアで思い出したけど……。この映画、『翼は心につけて』をご覧になったことありますか?

これは、僕が小学生の頃、母に勧められて見た映画なんですけど……。2014年にDVD化されていたので、Amazonで購入してみました。

ベストセラーとなった実話を題材にした、15才の少女の燃え上がるいのちの記録です。僕の中では、心を打たれた映画の中の中でも、3本の指が入ります。

間違えた、3本の指に入ります(笑)。

泣けます!

いやいや、泣きます!

あ〜、思い出していたら、涙が出てきて続きを書けなくなってしまった。また、次回にでも映画のお話しますね。

ということで、今日はこの辺で。

書籍も発売になりました、良かったら読んで頂けると幸です。

世界のエリートなら誰でも知っている
「お洒落の本質」
〜スーツの着こなし術から、世界の一流品選びまで〜

ジャケット/キートン
シャツ/カミチャニスタ
パンツ/インコテックス
ベルト/ジャン・ルソー
キーチェーン/ミワ
腕時計/セイコー
バッグ/ブルネロ・クチネリ
靴/WH
メガネ/ジョルジオ・アルマーニ
靴下/ナッソー
コート/ムーレー

Photo:Kazuya Furaku
Text&Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


エロサバ-Hoshipedia
「エロサバ」とは、“エロいコンサバ”の略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのにも関わらず、着こなし方次第でSEXYにエロく見えるスタイルのこと。例えば、一番象徴的なのは喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着て、メイクも抑制しているのに、なぜか色っぽく見えるスタイル。例えば、上質な素材の普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンを2~3個開けてセクシーに着こなしたり、袖口を捲って腕元を見せてヌケ感を出すスタイル。単なる粗悪な、しかもデザインが変わっている白いシャツでは駄目。上質な素材のベーシックな白いシャツだからこそ、エロく着こなしても、上品さを保つことが出来るのです。男性で例えるなら、自分の体型に合って仕立てられたミディアムグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに無地のグレーのネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのにも関わらず、内側から大人の色気が香るようなスタイル。要するに、さり気なく上品に見えるコンサバなアイテムを着つつも、エロく見えるスタイル。これが「エロサバ」スタイルの根幹でありキモ。

『FORZA STYLE』編集長

干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在42歳の小誌編集長。東京生まれ。

 



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