ザギンの昭和遺産な袋小路で、ダンディに食すド昭和中華
ダブルの紺ブレといえば、80年代バブル全盛期のダボッとしたイメージをする方が多いかと思う。しかしジャストサイズを選べば、ダンディな男に近づける一着なのだ。
こいつは、ユナイテッドアローズが創業当時に、制服として使用していた紺ブレを2年前に、西日本限定で復刻販売したもの。尊敬する鴨志田さんのレーベルのもので、タイトシルエットに進化させた一着。やっと出会えた理想のダブル紺ブレだ。
着こなしは、シンプルにミディアムグレーのパンツが王道。白シャツに無地のネイビータイでタイドアップしながら、素足にオールデンでハズす。
ということで、ダンディな紺ブレで向かったのは、最近東急プラザがオープンした銀座……。といっても俺が散歩するのは、昭和ディープスポット。再開発で絶滅してしまったシネパトスがあった三原橋地下街近くの袋小路の路地裏へ。

晴海通りを一歩入ると、一瞬で昭和にワープしたこの年季の入りまくった看板が……。この奥に、絶滅寸前の昭和遺産が存在する。数店は、まだ営業しているのだ。

残っている事が奇跡的な2階建ての飲食街。正式名称は田村ビルだが、どうみても怪しく長屋的な昭和オーラがハンパない。目指すは、その一階に佇む「中華 三原」だ。昼時は行列ができる隠れた名店でもある。

店内の雰囲気も気絶しそうなくらいヤバい。まるで昭和映画のセットのよう。

まずは瓶ビールを頼むと、おつまみでメンマとたくわんが出てきた。おばちゃんの優しい気遣いに感謝。そして俺は愛してやまない、いつもの2品を注文した。

野菜がたっぷりのったタンメンだ。ここの一番人気メニューでもある。若干色のついたスープがめちゃくちゃ美味い。

野菜の下に隠れた麺は普通のラーメンの1.5倍はある細麺。俺はいつも麺カタと決めている。

2品目はチャーハンだ。具は大量のチャーシューと玉子のみ。シンプルでありながら醤油の香ばしい焦げ目でヤキメシ感も味わえる。

美味すぎる……! ああ美味すぎる!! このチャーハンで白い米が食えるかもしれない濃いめの味付け。ボリュームも満点だ。
この「中華 三原」は、52年前の東京オリンピックの年に創業した。銀座のど真ん中で、再開発されず今も営業していて昭和の味を守り続けているのだ。戦後の激動を感じさせるこの路地は、いつ絶滅してしまうかわからない。
袋小路というのも、哀愁を感じる。俺は店を出ると浜田省吾の「路地裏の少年」を口ずさみながら平成の銀座に戻って行った。

Camoshita UNITED ARROWSのネイビーブレザー。素材はモヘア30%、ウール70%で絶妙なシャリ感がありオールシーズンで着用できる。タイトなシルエットに大きめのラペルがクラシックでありながらモダンな一着。
Photo & Text:Eiji Katano
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今回のアニキおすすめの店

「中華 三原」
東京都中央区銀座5-9-5
Tel. 03-3571-4359
営業時間 月~金11:15~15:00/17:00~18:30
土11:15~15:00
定休日 日曜・祝日
プロフィール

片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない47歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島。