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東京プリン【伊藤ようすけ】プリンを脱ぐ!?
バブル駆け抜けた男が日本の未来を考える

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伊藤:その出会いもひょんなことからなのですが、当時trfのYU-KIさんを起用したCMを森永製菓で担当していました。ところが、こちらに不手際があって。そこで、avexの偉い人に謝りにいかなければならない、ということで、松浦さんにアポをとって謝りにいったんです。そうしたら、怒られると思いきや、なぜかその後に飲みに連れて行ってもらい、そこで仲良くなってしまった(笑)。そこから今も親交があるのですが、今なぜ仲良くしてくれたのかを聞いても「森永製菓に勤めていたから、お前と仲良くしておいたらタイアップがもらえるかなと思っただけ」と言われるんですが、結局森永製菓を辞めた後でも仲良くしてもらっています(笑)。

西内:謝罪に行ったはずが飲みにいき仲良くなる...なんだかドラマチックで、松浦社長の心の広さが垣間見れる素敵なお話ですね。

伊藤:ありがたいことです。それがきっかけで、avexで「東京プリン」としてもデビューさせてもらったので。「デビューしたい」と申し出た時に、「デビューして何がやりたいの?」と言われ、「今は携帯が流行っているから、携帯が鳴らなくて悲しいという歌を作って歌いたい」と言ったんです。

西内:なんだか、いつもシュールな歌ばかりですね(笑)。

伊藤:そうですね。そこで「面白いかもしれないけど、曲を聞いてみないと分からないよ」と言われ、そこで曲を作ることができる相方の牧野隆志に大阪から出てきてもらい、「携帯哀歌」を牧野に作曲してもらい、僕が作詞をし、デビューが決まったんです。

西内:でも、またなんでプリンを被ろうと思ったんですか?

伊藤:それがですね、最初のCDのジャケット写真がプリンを被っているもので、それが好評で、脱げなくなってしまったんです(笑)。でも、その頃はそれが楽しくて楽しくて。その頃も森永製菓でサラリーマンをしながら東京プリンの活動をしていたのですが、事務所に言われた訳でもないのに僕と牧野で毎日プリンを被って、表参道でチラシを配っていました。雨の日も風の日もプリンを被って表参道を歩いていましたね。

西内:それほど、本気だったということですね。でも、それほど苦楽を共にした相方である牧野さんが亡くなり、そのショックはすごく大きかったのではないかと想像します。

伊藤:そうですね。彼はガンを宣告されてから3年半の闘病生活を経て2014年に息を引き取りました。当時、僕と牧野には、2人組ならではの「確執」があったんですよ。プライベートでは口もきかず、あまり良い関係ではなかった。その中で牧野がガン宣告を受けたと聞いたときはショックでした。そして1週間後、牧野から「病室にきてほしい」と連絡があったんです。僕はどんな顔をして2人で会えば良いのかすら分からずに、恐る恐る病室を尋ねました。でもそこにいたのは、満面の笑みを浮かべた彼でした。

西内:ガン宣告を受けて1週間で満面の笑みだったんですか?

伊藤:そうなんです。そして、彼はこう言い切りました。「色々考えたけど、俺、ガンで良かったわ!」と。聞くと、「人生に限りがあるのは分かっていたけど、実感できたのは初めてだ。実感できたからこそ、今ある時間を大切にすることができる。宣告されていなかったら、そんなこと思えなかった。だから、僕は余命を知らされてラッキーだ」と言ったんです。なんて前向きな奴なんだ、と感動しましたね。そこで牧野が「まず一番に解決したいことがある。何か分かるか?」と言われました。そこで、何かと聞くと、「お前との関係や」と言われたんですよ。そこで、もう号泣してしまって...。

西内:ずっとお互い気にされていたんですね。

伊藤:そうなんです。そこで、「あの時、お前にこんなことを言われたのが嫌だった」とか「こんなことを言ってしまって反省している」とか、色々お互いに思うことを泣きながらぶつけ合ったんですよ。そこで、一気にわだかまりがとれました。

西内:ぶつけ合ったら、人と人とのわだかまりや誤解って溶けていくものなんですね。

伊藤:溶けますよ。だから、思ったことは言わずに抱えているよりも、やはりお互いにぶつけ合って誤解やわだかまりはといたほうがいい、そう思います。限りある命、一度きりの人生、せっかく出会った人ですから。

西内:たしかにそうですよね。そこから、牧野さんとの「東京プリン」として最後になる楽曲「明日笑っていられるように」ができたんですね。豪華アーティスト12組(※)が参加したこの曲の利益の全額を、ガンに苦しむ方々へと寄付されているんですよね。

伊藤:そうなんです。この曲は、牧野と「残された命で、明日何をしようか」ということを毎日メールでやりとりしたことからできた歌詞なんです。「奥さんをずっと”おい”とか”ママ”としか読んでいなかったから、名前で読んでみよう」とか、そういう牧野が望んだ日々の他愛もないことを歌詞にさせてもらいました。本当は牧野と僕の「東京プリン」として歌うはずだったのですが、牧野の声が全く出なくなってしまったんで、これまでお世話になったアーティストたちに声をかけたところ全員快諾してくれて、この豪華アーティスト12組での共演が決まりました。でも、残念ながら、浜崎あゆみさんのレコーディングが終わったその日に牧野は息を引き取りました。あゆの声を聞かせられなかったことだけが心残りですね。

※「明日笑っていられるように」参加アーティスト
YU-KI(TRF)、持田香織(Every Little Thing)、SOLIDEMO、AAA、倖田來未、misono、hitomi、Dream、沢尻エリカ、伴都美子(Do As Infinity)、浜崎あゆみの11組。さらにキーボードで小室哲哉が参加。

西内:そうだったんですね。そんな中でも、今でも時々牧野さんが応援してくれているような気がすると伊藤さんは度々方っていらっしゃいますが、それはどのような時なのでしょうか。

伊藤:それは、牧野は闘病中、同じ境遇に立たされたガン患者を元気付けるために、牧野のブログにコメントを寄せた患者さんの方々のお見舞いにいっていたらしいんですよ。その時の人たちが今でも僕の活動を見ていてくださって「牧野さんに闘病生活を助けられました。牧野さんの分まで頑張ってください。応援しています」と手紙をくださることがあるんです。それを見ると、涙がでてきますね。同時に、絶対に頑張らなければと思います。

西内:きっと牧野さんも天国で伊藤さんのご活躍を応援されているということですよね。そうして、現在は選挙に出て、エンタテインメントだけでなく、日本のために大きなチャレンジをされようとしている伊藤さんですが、なぜ政治の世界にチャレンジしようと思われたのでしょう?

伊藤:まず、今の日本が解決しなければならない一番の問題は、「人口が減少している」ということだと思うんです。「人口が減少する」ということは、「国力が低下する」ということを意味します。ですから我々は、とにかくこの人口減少の流れを緩やかにしなければならない。そのために、現在政府が進めている「子育て支援」等の政策ももちろん大切なのですが、同時にやらなければならないことは、「東京に人口が集中することを防ぐこと」なんです。というのも、東京の出生率は全国都道府県の中で最下位なんですよ。出生率が低い東京に人が集まると、人口の減少はさらに加速してしまいます。この東京への人口集中を防ぐためには、地方に仕事を作らなければならない。なぜなら、「地方に仕事がないから」という理由で東京に出る人がとても多いんですね。つまり、地方にもっと仕事を作れば、その人たちはわざわざ東京に出る必要がなくなるんです。地方に仕事があれば、地方で働き続けることができ、そこで安心して子供を産み子育てをすることができるんですね。

西内:たしかに、なかなか東京にいると子供を産むような気分にはならないですもんね。平均年収では広いお家にも住めないですし、保育園問題もありますし...。

伊藤:そうなんです。これまでにも、この問題を解決すべく地方に仕事を作る政策は色々とありました。代表的なのは公共事業です。この公共事業により地方に人を集め、経済効果を産み、仕事を生み出すという方法ですね。そこで僕は、この「地方に仕事を作る」手段として「地方にライブを招致」をすれば、より高い効果が得られると考えるんです。地方にライブを招致して経済効果を産むことによって、地方に仕事を生み出す。そのことによって、人口減少と国力低下を食い止めることができると考えています。

西内:地方でライブを見られるというのはファンとしては嬉しいですが、なぜそれが地方の雇用を生むことに繋がるんですか?

伊藤:理屈はこうです。地方にライブによって人が集まると、その人たちが宿泊、交通、飲食など様々が産業にお金を使ってくれるのです。例えば、昨年宮城県で行われた「嵐」のライブの経済効果は90億円と言われているんです。タクシーの運転手に聞いても「今日は嵐のライブがあるから仕事が忙しい」「EXILEのライブがあるから道が混んでいる」と。それほどに、アーティストのライブは地方を活性化させ、結果的に地方に仕事を作ることになるのです。

西内:たしかに、今も地方を活性化させたいとなると、その地方に会館をつくったりしますもんね。

伊藤:そうなんですよ。

西内:若者にとって地方でのライブ産業が活性化することは単純に嬉しいですし、若者が喜びなおかつ経済が潤うとなれば、まさに一石二鳥。でも、今でも地方でのライブってありますよね?

伊藤:今でも地方でライブはあるにはあるのですが、アーティストにとって地方遠征は赤字になることが多いんですね。なので、どうしても東京や大阪など都市部でのライブばかりになってしまいます。そのライブを、東北や四国などさらに色々な地方に招致できれば、その地方が潤い「ライブ都市」として話題にもなる。そして、その地方にライブをきっかけとして雇用が生まれれば、東京に出なくても働き口が見つかるようになり、安心して結婚・出産もできる。また、東京にいかなくても「ライブ都市」になることにより、刺激的なエンタテインメントの体験を地方にいながらできるようになるというのも魅力の一つだと思います。

西内:たしかに、「ライブ都市」ができれば外国からの観光者も増え日本全体も活性化しますよね。

伊藤:そうですね。また、今の日本はライブの規制がものすごく厳しいんです。それを理由に「日本ではライブをしない」と言っている海外スターがものすごく多いと聞きます。日本ではなく、みんな中国などの他のアジア諸国へ行ってしまう。それで損失している経済効果はすごく大きいと思っています。ですので、その規制を緩和することで、海外アーティストが「日本でライブをしたい」と思えるような国にする。そのことで観光事業の活性化も見込めますしね。

西内:たしかに、マドンナも10年ぶりの来日でしたし、そういう背景もあったのかもしれませんね...。私の世代としては、日本のエンタテインメントを活性化させ海外から見ても格好良い国にしてほしい! と思いますし、また、そのことで経済が潤うことにより私の世代だけではなく国全体が潤い、出産や結婚を控えた方や、高齢者の方も過ごしやすい国にななるようになるならば、素晴らしいことですよね。ぜひ、エンタテインメントの力で日本を明るく、伊藤さんが駆け抜けたバブルの頃のように不安のない世の中にしていただきたいです。

伊藤:そうですね。それを実現するためにはまずはネットでの投票であるオープンエントリーに当選しなければならないので、がんばります。18歳以上であれば投票できるので、ぜひ政治に関心を持ち、日本をより良い国にするため、皆さんで積極的に政治に参加してください!

 

Text&Edit:Yuko Nishiuchi
Photo:Katsumi Murata

 

▶︎オープンエントリー公式サイト
https://special.jimin.jp/openentry/

▶︎オープンエントリー・ファイナリスト紹介(伊藤洋介)
https://special.jimin.jp/openentry/finalist/09.html

 

「明日笑っていられるように」
作詞・作曲:伊藤洋介

参加アーティスト:
YU-KI(TRF)、持田香織(Every Little Thing)、SOLIDEMO、AAA、倖田來未、misono、hitomi、Dream、沢尻エリカ、伴都美子(Do As Infinity)、浜崎あゆみの11組。さらにキーボードで小室哲哉が参加。

 

【ライター:西内悠子】
1988年、兵庫県西宮市出身。同志社大学文学部哲学科卒。avexへの就職を期に上京し、3年半のOL経験を経てフリーライターとなる。在学時に自身のアメーバブログが大学生ランキング1位を獲得。会社員時代、dマガジン「Hot-Dog PRESS(講談社)」にて「おじさんハンター」として連載をしていた。

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