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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine

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希少性と実用性を兼ね備えた個体

そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが“ヴィンテージウォッチ”です。

その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体が数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いるかと思います。

そこでこの連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提にしながら、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心に、さまざまな角度からヴィンテージウォッチの魅力について触れていきます。

ある程度の腕時計に対しての知識が身に付くと、外装の質からムーブメントの作りまで、ヴィンテージウォッチのクオリティの高さに感心するものですが、その傍らでプレミアの問題は無視することはできません。

ヴィンテージウォッチに付加価値が付く理由はさまざまですが、一概にレアだからといって値上がりすることもなく、そこには必ず市場での需要と供給のバランスが存在します。

ヴィンテージの世界でも頂点に君臨するパテック フィリップのモデル全般的について言えることですが、ステンレススティールの個体は人気が高く、それには明確な理由があります。

Patek Philippe Ref.3466                             1960年代初期、自動巻き(Cal.27-460)、SSケース、ケース型35㎜/324万円(税込)【問い合わせ】オンビハーフ 03-3548-9188 http://onbehalf.jp/

第一に知っておくべきことは、パテック フィリップの場合、ステンレススティールの個体の生産数は、金無垢よりも圧倒的に少ないということ。また一口にステンレススティールと言っても、時代やメーカーによってクオリティは大きく異なります。とりわけ天下のパテック フィリップともなれば、金無垢仕様の廉価版的な捉え方は大間違いで、類を見ないほどの品質を持ち合わせています。

さらにロレックスなどの本格的な実用時計と比べると、おいそれとは付けられないパテック フィリップの時計は“普段使いに適している”ということがそのまま付加価値にも直結します。

これは防水性能についても同じことが言え、さすがに防汗だけの保証となると、真夏に毎日同じ時計を着用することを考えるだけでもビビリますよね(笑)。

普段使いに適していることから非常に高い人気を集めている好例がRef.3466のステンレススティール仕様の個体です。一見すると普通な感じの3針の時計に見えますが、人気と価格に比例するポテンシャルは侮れません。

シンプルというよりもミニマムという表現がぴったりのRef.3466の文字盤。ブランドネームは象嵌の技法が用いられていたりとこの年代らしく手が込んだ作りです。
Cal.27-600から受け継いだゴールドのローターを僅かに薄くしながら、さらに巻き上げの効率を高めた自動巻きムーブメントCal.27-460。美しさという点でも比類無き傑作です。

この個体の魅力、それはヴィンテージのパテック フィリップの腕時計屈指の実用性にあります。防水仕様のステンレススティールのケースに、無駄な情報が一切ないスモールセコンドの文字盤、最高の自動巻き機構とも評価されるCal.27-600の後続機にあたるCal.27-460搭載など、まさに普段使い向けの仕様を兼ね備えています。

リューズにはパテック フィリップの愛好家にはお馴染みの“カラトラバ”がマークが入ります。直線的なラグの形状もこのモデルの個性のひとつです。
いかにも防水仕様っぽいゴツめの裏蓋。一応、ヴィンテージウォッチなので、くれぐれも水には気をつけてくださいね(笑)。

もうひとつ忘れてはないのはサイズ感です。ヴィンテージのパテック フィリップでは大きな類に入る36mmのケース径が、このシンプルなスタイルに程度な主張を与えてくれます。

ヴィンテージウォッチとの付き合いは非常に趣味性が高く、端から見れば理解不能な世界が延々と広がるワケですが(笑)。その実、価格の設定などをはじめ、世界水準レベルでの共通言語が数多く存在します。どんなに希少であっても腕時計である以上やはり使ってナンボだとするなら、このRef.3466の人気にも頷いていただけるかと思います。

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE

 



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