ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE Special Talk

【緊急対談】ロバートハリス×干場義雅「EXILES〜放浪者〜」(後編)

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

EXILES(放浪者)著者、ロバートハリスが語る驚異の冒険談。

少年期から日本、世界を放浪しながら自分の「生きるスタイル」を切り開いてきたロバート氏。後半では、ヒッピー全盛期の逸話〜世界の女性とのロマンスまでを掘り下げる!

ウッドストックが開かれた1969年…氏がヒッピーになった理由


干場:でも時代も良い時代だったんでしょうね。

ロバート:そうですね。色んな意味でヒッピーの時代って良い時代でしたね。1969年、ウッドストックの1週間後からカリフォルニアのフレズノという田舎にある大学に1年間留学したんですが、ウッドストックはいけなかったものの、到着したその日に、映画「イージーライダー」が封切られて、それを観に行ったりとか、今考えるとすごいですよね。

ロサンゼルスのウェストウッドっていう学生街でやっていたんですけど、映画館の前に並んでるのが変な奴らばっかなんですよ(笑)。みんなヒッピーで、なんか吸ってる奴もいるし、ヨガやってる奴や、ギター弾いてる奴もいたりとか。

「うわ何これ!絶対面白い事になるぞ」と思って映画館に入ったらみんなのテンションがすごくて、映画の内容も相まって僕は完全に感化されてしまいました(笑)。



干場:映画はどうでしたか。

ロバート:すごかったですよ。あの映画ってある意味モラルを問うていて、「楽してドラッグなんかで儲けちゃいけないよ」ってメッセージが入ってるんだけど。そいいうモラルは入ってこなかったですね。ただ、「なんてかっこいい生き方なんだろう。俺もヒッピーになろう」って。最終的には主人公が二人とも殺されちゃうんだけど(笑)。

とにかく、その映画にすごい感化されて、映画館出たら靴を捨てて裸足のまま一番近くのヒッピーショップに行ってバンダナ買って、サンダル買ったんですよ。そこから正真正銘のヒッピーになったんです。

干場:その伝説の時代をリアルに生きてるってすごいですね。

ロバート:すごいラッキーでしたよ。音楽もサンタナとかクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングとか、ドアーズも健在でしたし。すごい良い時代でしたね。

干場:1969年のウッドストックのYouTubeとかDVDとか見ますけど、最初のリッチーヘブンスが出てきたときに、座っていた何十万人って人が一斉にスタンディングオべーションになって。鳥肌ですよね。

ロバート:素っ裸の人もいるしね。

干場:今でこそロックフェスとかフジロックとかやってますけど。全く別物に思えますね。あれが本物ですね。ロバートさんはその時代をまさに生きていらしたんですよね。




ロバート:特別な時代でしたね。のちに「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」を撮った監督と友達になったんですけど、彼曰く、「あれはね、俺が撮ったって事になってるけど、当時すごく若かったスコセッシが俺のアシスタントで、音楽に興味があって、撮影の腕も良かったんだ。だからあのドキュメンタリーほとんどあいつが撮った映画だよ」って言ってましたね。


干場:今って時代が全然違うじゃないですか。
ミドルエージってこれから色んな好きな事が出来る一方で中間管理職で上からも下からもで今が一番大変だと思うんです。

でもロバートさんは一番良い時代を生きてこられて、やっぱり、著書「自由への一歩」にもあるように「自由を生きたほうが面白いぜ」って感じでしょうか。

ロバート:僕思うんだけど、あんまり時代とか環境のせいにしないほうがいいと思うんですよ。いつの時代も大変な事はあるし、色んな乗り越えなきゃいけないこともある。まずそれらを乗り越えて、やりたい事をじっくり考えるべきだと思います。(きっぱり!)

干場:目力込めていただいてありがとうございます。やるべきですよね。



ロバート:自分にとって困難なことって、「金がいるから」とか、いろいろな理由を付けてやらないと思うんですよ。

でもね、例えば恋愛だったら頑張ってなんでもやりますよね。いくら忙しい人でも好きな女性のためには絶対時間を作るじゃないですか。そういう事だと思うんですよ。

やりたいという気持ちがそれだけあれば、やると思うんですよ。やるスケールはマチマチだとしても、それを少しずつやっていくうちに軌道に乗ると思うんですよね。



干場:じゃあまだやってない人たちは、“そのこと”をあまり好きじゃないってことなんでしょうね。

ロバート:これがあるからできない」とかいうのは言い訳ですよね。

なおかつ、あまり型にはまるような「右に習え」的なことはやらない方がいいと思いますね。よくリタイアした人は作務衣を着て、陶芸にハマらなきゃいけないとかってあるじゃないですか。あとは、お年寄りが山登りするとみんな同じ格好していたりとか。

でもその中で1人ヒッピーな格好してたらカッコイイと思うんですよね。

脱サラして蕎麦屋やるにしても蕎麦打ってる元サラリーマンがDIESELのTシャツ着て、よれよれのジーパン履いてやってたら、俺、そこの蕎麦食いに行くと思うんですよ。

そういう個性も必要だと思うし、とにかく「型にはまらない」って大事。そういうのを心から楽しむことが「本当にやりたいことをやる」ってことなんじゃないかな。



山本:ほんとそうですよね。蕎麦打ちやるんだったら白いやつ着てなきゃいけないとか、「○○じゃなきゃいけない」ってのが多すぎて息苦しいかも。

ロバート:ある意味制服社会なんですよね、ユニフォーム社会。

山本:なんか心もその制服に縛られてるというか。

ロバート:そうですよね。人間の歳のとり方も組織に入ってる人って周りに合わせて歳とっていくと思うんですよ。精神的にも肉体的にもね。でもフリーの人って老けないじゃないですか。囚われるものがないから。

山本:フリーの方々が若々しいのはやっぱり好きな事をしているからなんでしょうね

ロバート:すごく大きいと思います。

干場:話は変わりますが、ロバートさんは「何が好き?」ってきかれたらやっぱり旅なんでしょうか。

ロバート:僕ですか? いやもちろん旅は僕のベースになるんですけど、映画や読書が大好きで、まぁ女性も好きですね(笑)。

干場:じゃあ映画から聞いていきましょうか。ロバートさんがこれは観た方が良いっていう3本といえば?

ロバート: No.1とNo.2は「ゴッドファーザー」の1、2。それは決まってて3位は流動的にその時の気分で。例えば「ニューシネマパラダイス」とかね。



干場:なんで「ゴッドファーザー」1、2なんですか?

ロバート:観たときにやられたんですよ。もともと原作本も読んでたんですけど、映画はものすごかった! 自分のイマジネーションをはるかに超越したスケールと、物語性が素晴らしかったし。あと男のロマンがあるじゃないですか。普通の一般の青年がだんだんオオカミに変身していくって話じゃないですか。

干場:分かりやすくいうとそうですね(笑)。

ロバート:あまりにも好きすぎて、シチリアの「ゴッドファーザー」の撮影場所まで探して行ったんですよ。物語ではシチリア中部にあるコルレオーネ村って設定なんだけど、映画の撮影場所は東海岸のタオールミナのすぐ近くにあるフォルツァ•ダグロっていう村です。

そこで一泊して、1にも2にも3にも出てくる教会とか、映画のシーンに出てくる場所は全部周りましたね。

村では「ゴッドファーザーのロケ地」みたいな宣伝は一切してなくて、ただの素朴な小さな村なんですよ。

山本:私も「ゴッドファーザー」はバイブルです! いいなぁ! 今も映画のままなんですか。

ロバート:そのままですね。全然変わってない。一軒だけバーがアルパチーノの写真を飾っているだけで、他は宣伝っ気が全くないんですよ。

あとはニューシネマパラダイスの村にも行きましたね。これもシチリアにあるんです。そこにはまさに映画の中に出てくるあの広場があって、教会があって、バルが5軒くらいあって、おっさん達がバルを徘徊してるんですよ。

バルの中にひとつ、アウトドアのセクションがあるのがあってね、そこで働いてる女の子が僕の事を好きになったらしくて、カウンターの後ろに僕を呼んで手を握ったり、誰も見てない時にキスしてくるんですよ。そういうの「なんか楽しいな」と思いながら身を任せていました(笑)。

干場:いいじゃないですか、情熱的なイタリア女性(笑)。



ロバート:いや、それはいいんだけど、そのうち、怖そうな顔をした男の人が僕のところに来たので挨拶したら、バーのイタリア女性のお父さんだったんですよ。

干場:まさにゴッドファーザーの映画じゃないですか。

ロバート:そうそう、どうもゴッドファーザーっぽい人なんですよ。イタリア語しか出来なくて、すごいシチリア訛りなんですけど、その人昔、軍の特殊任務に関わっていたらしくて、「仕事に関して詳しいことは言えない」って言うんです(笑)。
でも僕、なぜか気に入られて、彼の手作りの山小屋に連れて行かれて、彼が作った料理を食べさせられて、ワインをいっぱい飲ませられて、散弾銃とかあって撃たされて。

挙句、「お前気に入ったからここに住め」って言われたんですよ。「えっ!」って驚いたら「じゃあ休みになったら来い」って。

彼の家は山の上にあるんですけど「ここから見える景色は全部俺の土地だ」と。「お前はどこが好きだ」と聞かれて、「あの大きいオリーブの木の下が良い」って言ったら、「お前にそこをやるから、お前の金で家を建てろ。2〜300万で建つから」と。

そして、「ここに暮らして本でも書けよ」と(笑)。それが10年くらい前ですね。

干場:え、最近じゃないですか!

ロバート:そうなんですよ(笑)。それで今から8年くらい前にシチリアに今度は本を書きに行ったんですよ。彼は同じバーのカウンターに座っていて。

それで、また山小屋に連れて行かれて、食わされて飲まされて、散弾銃撃たされて、「家建てろ」と(笑)。その時の本に彼の写真も出てるんですけどね。

この前石田純一とその話しをしていたら、「じゃあ俺も金出すから一緒に建てよう。それで年に1回くらい友達とか連れて行って過ごそうよ」って(笑)。




 

山本:自由すぎます(笑)。でもイタリアいいですよね〜。干場さんもイタリアに縁が深いんですよね?

干場:はい、僕はイタリアに80回くらい行ってるんですよ。シチリアにも何度か行ってるんですけど、最高ですねそのエピソード(笑)。それが10年前の話だっていうのが笑えますね。

ロバート:いや、直近は8年前ですよ。

干場:シチリアの親父の写真はどの本に出てるんですか。

ロバート:「知られざるイタリアへ」っ て本に載せています。シチリアの人たちっていい意味でちょっとみんなネジが緩んでるんですよ。「ニューシネマパラダイス」に出てくる村人と同じ感じだ なぁって思ってたら、ほとんどの人があの映画にエキストラとして出てるんですって(笑)。トルナトーレ監督もシチリア出身なんですよね。

「知られざるイタリアへ」には土地をくれた彼の他に、ゴッドファーザーのロケ地、フォルツァ•ダグロの写真も載ってます。

山本:土地をくれたってすごいですよね(笑)。次はいつ行くんですか。

ロバート:ね、近いうちに行きたいですね。ほんとに良いところなんで。

干場:やっぱり旅をしているからこそ、そう面白いことに遭遇するんでしょうね。

ロバート:そうですね。僕はね、旅をしてる時はいつもニコニコしてるんですよ。そしたら人が寄ってくるんですよね。おじさんおばさんが多いから、少しは美しい女性も寄ってきてほしいですけどね(笑)。

いよいよインタビューも佳境!ロバート氏の仕事術に迫る!
次ページへつづく。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5