40歳、第二の人生のスタートにむけて
7年間で250箇所もの酒蔵を行脚!
中田氏:そうですね。例えば、美味しい梅酒を造ってる蔵の日だったりとか、熱燗にすると美味い日本酒とか、テーマやイメージをつけて発信すると、皆さん興味がわいて、覚えてもらいやすいですよね。
石田:確かにキャッチーですね! 多くの銘柄を一度には覚えられないけど、飲み方やイメージがわかると印象に残りやすいです。
中田氏:お酒を飲ませる会ではなくて、きちんと知識を広げてもらうという趣旨なので、色々工夫して企画しました。お猪口も全てデザインを一から起こしています。
サトシーノ:こだわりが凄いですね!さすがですね。企画の工夫した点を教えてもらえますか?
中田氏:毎日、夕方(平日6時、土日4時)以降はDJをお呼びして、盛り上げてもらっています。お酒への興味はもちろん大事なのですが、色々な角度から入ってきて欲しいんです。お酒を飲むだけのイベントには行かないけど、美味しい料理があって、そこに心地良い音楽もあって、良いデザイン(器)もあると色々な人が興味を持って来てくれる。日本酒を知ってもらう、窓口を広げるということが大事なのかなと思っています。
石田:日本中250箇所も酒蔵を周られて色々な文化に触れたヒデさんならではの発想ですね。
中田氏:もっと大規模なイベントを開催できる人はいるかもしれませんが、これだけの蔵元を集められる人は他にいないと思います。この点だけは、自信を持って言えますね。
石田:ヒデさんは日本酒造りは「芸術」と言われてましたが、改めて日本酒の「価値」を再認識した所はありますか?
中田氏:「価値」以上に日本酒を文化として知っていると面白いと思います。日本人はやはり日本食を一番食べるのでそれに合うお酒の知識があると楽しいですよね。女性なら料理にだって使いますし、ワインを知っているよりも、日本酒を知っている方が、今は格好良いんじゃないかな。普段の生活もよりぐっと楽しめますよ。
石田:確かに、料理にも使いますよね。私も日本酒をちゃんと勉強したくなりました! FORZA読者である40代男性が、日本酒のこういう所を知っておくと良いっていうポイントはありますか?
中田氏:奇遇ですが、僕も来年で40歳になります。例えばワインに詳しい人は、たくさんいる。でも日本酒に詳しい人は、まわりでも意外と少ないんじゃないかなと思います。女性と食事に行った時にこの料理にはこのお酒が合うなど、知っておくと、食事をもっと深く楽しめますよね。もっといえば、僕らは死ぬまで日本食を食べるのだから、日本酒の知見がある方が面白いと思います。
サトシーノ:日本酒に詳しいと、確かに格好良いですよね! 人としても奥行を感じます。
中田氏:日本酒なら40歳から勉強しても、全く遅くないですよ!
サトシーノ:40歳になるヒデさんが描く格好良い「40代の男像」ってありますか?
中田氏:僕は年齢で格好良い像を区切ったりはしませんが……。40代は意外に「狭間」だと思います。30代は世間的に見ればまだまだ若手ですし、50代は、成熟して責任がある立場だと思います。40代は意外にどちらでもない。その分まだまだ無茶ができる「一番の成長期」だと思っています。いろんなことにチャレンジして、人間的に成長して行く途中だと考えています。
サトシーノ:ヒデさんも、40歳になってからもっとチャレンジしていく感じですか?
中田氏:29歳でサッカーを辞めて、丁度10年経って去年日本酒の会社を立ち上げましたが、ここからが僕の第二の人生のスタートだと思っています。あまり先の人生まで考えてはいませんが、ここからサッカー人生を超えられるような物を作れるかどうかが、僕のチャレンジです。
サトシーノ:凄いですね! 第二の人生が40歳から始まるイメージ。僕も勇気をいただきました! 30代はまだまだ、がむしゃらに頑張る時期ですね。
中田氏:僕はこれから、日本酒を世界中で飲まれるお酒にしていきたいです。
石田:ヒデさんのような世界的に有名な方がだからこそ、日本酒大使として活躍して欲しいです!
中田氏:いえいえ、一番日本酒が好きな人ぐらいで良いです(笑)。でも、海外の方々も日本にたくさんいらっしゃいますし、日本文化に世界が注目しているので、日本酒を広めるチャンスだと考えています。
サトシーノ:ヒデさんの言葉から、日本に誇りを感じます。世界中を旅して周られて、日本の魅力をどんな所に感じますか?
中田氏:やはり日本が島国であったこと。それだけ、まわりに染められず独自の文化を築きあげ守られてきたことが強みでしょうね。今でもその文化が伸び続けている、そのユニーク性に海外の人たちは惹きつけられているのではないでしょうか。だからと言って日本の方が良いというわけではなく、海外の文化も勉強して各々の共通点や相違点を交換しあうことによって日本の良さに気付くのだと思います。
サトシーノ:なるほど、深いですね。
中田氏:僕は、日本文化の発信だけをしているつもりはありません。海外をずっと周っている中で日本の良さにも気が付きました。だからこそ僕は、様々な活動を通して海外文化の良さと日本文化の良さの情報交換をしていきたいと考えています。その為に、海外の言葉も勉強する必要がありますし、まだまだこれからやることはたくさんありますよ。
石田:これからも、世界中に日本酒を通じて日本文化を伝えて行ってください!応援しています。
Photo,Text:Satoshi Nakamoto
中田 英寿(Hidetoshi Nakata)
サッカー日本代表のFIFAワールドカップ(以下W杯)3大会連続出場に貢献し、アジア年間最優秀選手賞2回受賞。Jリーグで活躍後、21歳でイタリアセリエAに移籍し、「世界のNakata 」として活躍。イタリア政府よりイタリア共和国功労勲章(カヴァリエーレ)受章。引退後、一般財団法人 TAKE ACTION FOUNDATIONを設立。伝統文化・工芸などを支援するプロジェクト「REVALUE NIPPON PROJECT」をスタート。「GOLDEN FOOT AWARD 2014」にて、サッカーの歴史上に偉大な功績を残した引退選手に贈られる“オール・タイム・レジェンド”をアジア人として初めて受賞。
石田紗英子(Saeko Ishida)
元客室乗務員の経歴を持つレプロエンタテインメント所属のキャスター。やさしいマナー研究所代表としても活躍中。TVやWEB配信番組のレギュラーを数多く務める注目の美女。http://ameblo.jp/saeko-sora/
~現在のレギュラー~
フジテレビホウドウキョク24 毎週水曜日19時~21時生放送『あしたのコンパス』
全国JFN系FM 毎週日曜日あさ6時~8時半生放送『SundayFlickers』
Jcom 所によっては毎日放送『横濱ツウ‼︎』
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ニコニコ生放送『夏野政経塾』
ニコニコ生放送『JAXA宇宙航空最前線』
ニコニコ生放送『N高等学校オープンキャンパス』
『BMW NEWS』
【衣装協力】
PARIGOT丸の内店
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