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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine

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たとえ耐磁時計であろうとも
ディテール重視で選ぶのが鉄則です!

そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが“ヴィンテージウォッチ”です。

その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体が数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いるかと思います。

そこでこの連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提にしながら、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心に、さまざまな角度からヴィンテージウォッチの魅力について触れていきます。

3回連続になりますが、今回もしつこくオメガをプッシュしたいと思います(笑)。まだ価格が落ち着いていること、特別なレアモデルとの出会い、優れたコスパを持ち合わせていることを踏まえると、ヴィンテージウォッチを語る上で見逃せないんですよね。

OMEGA Railmaster
Ref.2914-6 、1961年製、手巻き(Cal.283)、SSケース&ブレスレット、ケース径38㎜/140万円(税抜)
【問い合わせ】ケアーズ森下本店 03-3635-7667 http://www.antiquewatch-carese.com/

一部の例外を除いて、機能性以上にディテールの希少性や個体が持つ雰囲気が評価に繋がるのが、ヴィンテージウォッチの世界における共通言語です。それを一番分かりやすく教えてくれるのがロレックスでしょうか。端から見れば何てことなさそうな文字盤の違いが、何百万円どころか、何千万円の価格差へと繋がることもあります。

これに対して、オメガのヴィンテージウォッチは、ディテールの差異がまだそこまで価格に反映しないので、その点からも狙い目です。その一方で、ロレックスで言うところの“ミラーダイヤル”のように、絶対的な人気を集める“アローハンド”のような意匠もあります。そう、発売するや否や即完売した映画『007 スペクター』の限定モデル「シーマスター300 マスター コーアクシャル スペクター リミテッド」や、「スピードマスター」のファーストモデルでも使われている、あの時針と分針です。

このアローハンドから、ドルフィンハンド、アルファハンドなどを使用しているオメガの個体はどれも趣深く人気があり、店頭に並ぶや否やすぐに売れてしまうことがほとんど。この1960年代の「レイルマスター」もそれに該当する一本です。

「スピードマスター」「シーマスター」と同じくマスターシリーズに並ぶ「レイルマスター」は、その名のとおり、鉄道工員のためにつくられた時計です。「スピードマスター」から派生した時計であることからも、その面影を色濃く残しています。

夜光のエイジングは色調と塗料でそれらしく再現できても、こうした文字盤の焼け具合はヴィンテージウォッチ以外で味わうのは今の時点では不可能です。コンディションのいいキャタピラーブレスも見逃せません。

この個体はファーストモデルの後期であることから、アローハンドこそ持ち合わせていませんが、雰囲気は十分。特筆すべきポイントは文字盤の退色でしょうか。最近、現行の時計では、ヴィンテージ風の日焼けを再現したいスーパールミノバの夜光塗料が流行っていますが、こうした文字盤のエイジングはヴィンテージだけの特権だと言えるでしょう。

これも「レイルマスター」に限ったことではありませんが、このクラスの個体の購入で妥協したら最後、後々後悔するのがブレスットです。後から探そうと思っても素人では入手困難ですから、なるべくセットで抑えた方がいろんな意味でお得かと。

この時代の時計はインナーケースに軟鉄を使用することでムーブメントの磁気帯びをカバーしていました。ケースが厚く、重さが付きまとったことから、ロレックスの「ミルガウス」やこの「レイルマスター」のように、製造期間が短かったモデルがほとんどです。

「レイルマスター」は耐磁性能に特化したモデルであることから、軟鉄製のインナーケースを搭載していることも特徴のひとつです。そのため、ケースには厚みは出ますが、スペックでの優劣がそこまで問われないヴィンテージウォッチとしてみれば、「好みの範疇」と言うことでほぼ話が済みます(笑)。

かなりレアではありますが、「レイルマスター」はマスターシリーズの3部作として、ぜひ知っておきたいモデルです。おそらく探せばまだ何とかなる部類のモデルですかもしれませんが、ヴィンテージですから見つかる保証はありませんし、今後は価格の高騰も十分に考えられます。自分なりに買い時を見定る判断力も、質の高いヴィンテージウォッチを手に入れるためには必要不可欠です。

Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE
 



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