アラフォー男は白シャツを武器に、一にも二にも清潔感!
漫画『アラサーちゃん 無修正』が大ヒット中の峰なゆかさんと干場義雅編集長によるアラフォー講座の最終回はファッションについて。『FORZA STYLE』の裏テーマは、“女の本音で男は変わる”ですが、ファッションこそ分かりやすく女性の声を取り入れやすいもの。そこで今回は、アラフォー男性が見た目で気をつけるべきことを女性目線で伺いました!
干場:そもそも『FORZA STYLE』を作ったのは、世のなか独りよがりな男性ファッション誌が多くて、そうではない女性の声を聞いたものを発信していきたいと思ったからです。なので、今日は峰さんにガンガン本音を出してもらいたいですね。まず、そもそも40代の男性はどう見えますか?
峰:最近気づいたのが、魅力的な20代よりも魅力的な40代の方がより評価が高いということです。でも、逆をいうとちょっと頭の悪い20代はまだ許せるけどちょっと頭の悪い40代は絶対に許せない! これは男も女も変わらないですね。あとセックスが下手な20代は許せるけど、セックスが下手な40代だと絶望的な気持ちになります。
干場:経験値が上がってきているのに、残念ですよね。
峰:年齢を経るごとに、見た目も内面もすごく個人差が出てくると思います。特に40代で格好よさとか清潔感を維持するのはすごく難しいことで、だからこそ、それが出来ている男性というのはすごく能力が高いのではないでしょうか。
干場:ファッションでいうとどうですか? 僕らが気づいていないことを逐一指摘してほしいのですが、どんなファッションだとNGですか?
峰:ツッコミづらいファッションは嫌ですね。
干場:というと?
峰:ダサいファッションをしていたとしても、「めっちゃダサいね!」「もっとまともな服着なよ!」で済むと思うんです。冗談ぽくも言えますし。でも、この人に言ったら本当にキレそう……という人には言えないですね。例えば、全身ファストファッションみたいな人はツッコミやすいけど、全身イタリアの高級ブランドみたいは人はツッコミづらい。きっとプライドがすごく傷ついちゃうんだろうなと思うので言えないんです。
干場:それでも言ってもらった方がいいなあ。
峰:怒りだしたら気まずいです。「ごめん、ごめん(笑)」と普通に返答されたらいいですけど。
FORZA:たまにブルーのベルトにブルーの靴を合わせていたりして、「オレ、色ひろったぞ!」みたいな人もいますよね。色をひろう=お洒落みたいな。ああいうのもツッコミづらいですよね。ちなみに今日の干場編集長のスタイルはどうですか?
干場:ツッコミづらかったらどうしよう……。
峰:すごくお洒落だと思います!
干場:え、どこが??
峰:とにかく白シャツは40代以降の男性にとって最強アイテム。60歳でも白シャツを着ていると、わりとセクシーだったりしますよね。白シャツによる清潔感の高まりは凄い! あとやっぱりパンツの丈がちゃんとしているのがポイント高いです。長すぎるとかツンツルテン感が出ているのはNG。ここもセンスが求められるところだと思います。
干場:ありがとうございます。
峰:ただちょっと……、けっこう黒いですよね!
干場:ああああ〜。黒い男性はあんまりですか?
峰:ええ、私は普通がいいです。どうやって焼いているんですか?
干場:天然はもちろん、ジムにある日焼けマシンとか。
峰:日焼けサロンと聞くとちょっとひいちゃいます。
干場:その心は?
峰:人は異性にナチュラルさを求めると思うんですよ。なので日焼けサロンだとどうも不自然な感じで抵抗があります。さらに不自然に色黒で太っていて中年だと、不潔感がMAXになるかと思います。色黒のオッサン、デブのオッサン、色黒のデブの若者とか、2つまでなら大丈夫なんですが。
干場:不自然さと不潔感がNGなんですね。ハゲはどうですか?
峰:女性は案外ハゲに関しては寛容ですよ。でも、ハゲ隠しに一生懸命で、長く伸ばして風が吹いたときにピラピラしている人は切ないです。これもツッコミづらいですよね。やはりハゲはいっそのこと短くするのが一番の得策なんじゃないでしょうか。
干場:洋服のテイストに関してはどうでしょう?
峰:一般的に男性はモテそうな格好をしている女性が好きだと思うんですよ。モテ服って「あなたたちに好かれたいです!」というメッセージが出ているから受け入れてもらえそうな雰囲気を醸すというか。それと同じで、男性もモテ系の服やモテるために頑張っている態度はそれだけで印象はいいはずです。
干場:モテるための努力は怠るなということですね。じゃあ、いまのアラフォー男性にとってのモテ服って何になりますか?
峰:やはり先ほども言った、白シャツじゃないですかね。あと、いまは昔よりも女性が男性を見た目で判断してきている傾向にあると思います。いままでは実は見た目に対してそんなに期待していなかったんですね。でも今後は、わりとゲイっぽい男性がスタンダードにモテるのでは?と予想しています。ゲイの人たちは身なりにきちんと気を使っているし、清潔感の高い装いをしていますからね。
干場:ほかには? 時計とかはどうですか?
峰:私、時計は全然見ないですね。いくらいい時計をしても、女性は腕時計のメーカーを意外と知らないですよ。私の周りで男性の腕時計をぱっと見て分かるのは、クラブで働いている人くらい。いい客かどうか見分けるためですね。「男は時計と靴から見分ける!」みたいのはクラブ対応。一般女性からしてみたら分からないし、シンプルできれいならOKなんです。
干場:そこもやはり独りよがりだったのか……。
峰:元銀座NO.1ホステスの書いたモテ本とかには、やっぱり時計と靴については書いてあるんですよね。でもそれは、彼女がクラブで働いていたから。安いクルマはさすがに分かりますが、時計は分かりませんよ。ただ、個人的にはそもそもクルマは持っていなくてもいいです。都内でデートするのにクルマだと駐車場も探すしお酒は飲めないし、今日はタクシーでよかったのでは?と思うこともあります。
干場:自分が乗りたいことで、相手には気を使わせてしまうんですね。そしてそれもまた女性からはツッコミづらかったりする。洋服もクルマも、相手ありきのことだから、せっかくのデートで余計な思惑をさせないことが大事ですね。
峰:それを避けるためには、例え40代になったとしても、さり気なくどう思うか相手に聞いてみたらいいと思います。そうしたら女性も本音を言いやすいですから。
Text:Tomoko Oishi
Photo:Riki Kashiwabara
峰なゆか
漫画家・文筆家。『週刊SPA!』にて2011年から連載している『アラサーちゃん 無修正』(1~4巻/扶桑社)が累計60万部の大ヒット中。アラサー世代の恋愛観を切実かつコミカルに描き、女性たちの共感を得るが、実は男にとってはモテ指南書でもある。昨年には壇蜜さん主演でドラマ化。エッセイ漫画『女くどき飯』(ぐるなび内「みんなのごはん」に連載)も好評。1984年生まれの30歳。猫が好き。