デートで女ゴコロを知るサインは
膝小僧タッチでの反応です!
漫画『アラサーちゃん 無修正』が大ヒット中の峰なゆかさんと干場義雅編集長によるアラフォー講座の第三弾はデートについて。誘って、食事して、口説いてと、字面だけみるとシンプルなようで、そうすんなりといかないのが男女関係。そしてデートには女性しか把握できない落とし穴も存在します。特にもう20年近くデートをし続けているアラフォー男性こそ、これまでの方式を省みるとき。恋愛講座のつもりで目を通し、この秋のデートを楽しんでくださいませ!
FORZA:峰さんはアラフォー男性とデートする機会はあるんでしょうか?
峰:そうですね、私は歳上の方との方が多いですね。
干場:やっぱりみなさん、口説いてくるんですか?
峰:40代になると傷つくことを恐れなくなるので、アラフォー男性はみんなけっこう攻めると思います。フラれた理由を“既婚者だから”と自分を納得させることもできますし。
干場:それはある意味強みですね。
峰:はい、加えてアラフォー男性にはあまり恥ずかしがらずに女子を口説けるという強みもあります。20代だと照れて言えないことを、わりとさらっと言いますね。いろいろ褒めたりとか。そこは評価が高いです。
干場:お店のセレクトについてはどうですか?
峰:お洒落なフレンチとかを選ぶ人もいて嬉しいんですが、そういう所だと、“色んな女の人と来ているんだろうな”とつい勘ぐってしまいます。私のなかで一番印象がいいのは、天ぷら屋さん! ちょっと硬派な感じがしますよね。お鮨みたいに高すぎないのも気楽です。
干場:ほかに天ぷらの良さとは?
峰:遊んでいる人よりは真面目な人がいい。かといって40代の男性にバーミヤンに連れて行かれたら困ります。天ぷらならちょうどいい位置なんです。和食のお店だと男同士や仕事で来たのかなと思えるし、両親との会食かもしれませんよね。
干場:お洒落で美味しければいいわけではないんですね。
峰:たとえ終わったことでも、過去の女のにおいを出してほしくないんですよ。すごくわがままな発言なんですけど。お洒落な感じだと、彼がそのお店のことを“前に来たことがあって”と言ったときデートだったのかなと思わざるをえないというか。
干場:デートに効く天ぷら特集を組まないと!
FORZA:お店のセレクトの次に、例えばデートのとき、どういうアプローチが成功率高いと思いますか?
干場:読者の70%が男性なので、そういう人たちがやってみようかなというアドバイスをお願いします。
峰:この前ヤリチンの40代男性が言っていたんですけど、バーなどの横並びの席で膝を相手の膝とくっつけてみて、相手が離さなかったらセックスできるそうなんです。
干場:それは、すごい簡潔ですね!手ではなく膝なんですね!
峰:手を握ってぱっと離されたら、もう終わりな感じがしますよね(笑)。
干場:はい、ショックです。
峰:手だと離されたときに相手が拒否をしていると明らさまに出て、もう攻められません。でも膝と膝は偶然触れてしまったという言い訳がきき、自分も傷つかなくてすみます。
(ここで峰さんと干場編集長が膝小僧タッチを実演)
干場:こ、これは……、いける気がしてしまいますね!
峰:女性はイヤだったら絶対に離します。でも膝をつけたままにしておくのは、ヤリたいまではいかなくても、熱心に迫られたらOKかなというレベル。
干場:膝の次はどうしましょう?
峰:膝をくっつけて嫌がられなければ、手をつないでも大丈夫。そうしたら今度はキスですよね。キスポイントはあれですね、バーが地下にあるなら地上に出るまでの階段とかタクシーとか、そういうところじゃないでしょうか。そしたらもうホテルには行けるんじゃないかと。
干場:可能性は非常に高いです。
峰:あ、あと逆のパターンでいいのもありますよ! デートをしていて、この人は私に興味があるんだなと思わせておいて、最後は「それじゃ!」とさっと帰る。そうしたら女性は、えー!となって引き止めたくなっちゃいます。それで2回めに誘われると、“今回はしたい”となりますね。引き止めてコーヒーに誘ったりしちゃうかも。
干場:押して引く、ですね。
峰:ガンガンきといて「じゃあホテル行こうよ!」ではなく、ほどよく押してから最後に引く。それをやられると女性はあとをひくと思います。
干場:前編、後編とするんですね。
峰:タクシーで送ってキスもせずに帰る。こちらは“ちょっと上がるのかな……”とそわそわしてたのに!
干場:でもそれでいざ今日こそはとなったとき、ホテルに誘うのは何て言うのがスマートなんでしょう?
峰:タクシーに乗るときに、ホテルの名前を運転手さんに言えばいいだけです。それまでにキスしてるのが前提ですよ。キスしていたら8割がたできます。
干場:許可はとる必要がないと。
峰:「ホテル行こうか?」だと相手に答えを求めることになるけど、ここで女性は「うん」とは言いづらい。なんだか自分がすぐにヤレちゃう子みたいな感じがしますから。それにホテル名を言うのなら、NGだったときに自分の心も守れます。「いやいや、いいバーがあるんだよね」と傷つくのを最小限におさえられるんです。
FORZA:一度そういう関係になったあとのデートで、気をつけた方がいいことはありますか?
峰:男性が陥りがちなのが、一度セックスした相手は2回目も当然できると思ってしまうこと。思っていたとしても、それを明らさまにみせないことが大事です。私も初めてしたあとの次のデートで二軒目に行こうとなったときに、「あ、ホテル予約してあるんだよね」と言われ「え??」となったことがあります。それも高いホテルだったので断りづらくて……。
干場:葛藤しますね。
峰:確かに予約がいっぱいで入れないこともありますから予約自体はしょうがないとして、でもまだつき合う前だったら、“予約してる”とダイレクトに言わないでください。それを言われると女性は、なんで確実にやれると思ってるんだろう?とすごくイヤになるはず。それで、“でもキャンセル料もあるしどうしよう……”、と。
干場:すごい精神的な負担。ちなみにそのあとどうなったんですか?
峰:一応しましたね(笑)。でもその人は2回目もアリだと思っていたけど、それから会いませんでした。アラフォー男性でしたね。
干場:では何て言えば?
峰:第一声は、「予約してある」じゃなくて「お部屋で飲むのはどう?」といった提案の方が優しいです。予約してあると言われたら女性は選択肢がない! 向こうはそんな気はないんだろうけど強制みたいな気がします。うっときちゃいます。
干場:勉強になります。
峰:それにもしダメになったときも、男性にとってのダメージも少ない。自分が傷つかない誘い方は、女性にとっては断るのが楽な方法なんです。
干場:女性への負担が少ない誘い方が大事なんですね。
峰:はい、それを男女ともに知っていると、口説いたり口説かれたりがもっと楽になると思いますよ!
3話分をコンプリートして、実りのある秋を!
1話はこちら、2話はこちら
峰なゆかさんが伝えるアラフォーくんのデート
峰なゆか
漫画家・文筆家。『週刊SPA!』にて2011年から連載している『アラサーちゃん 無修正』(1〜4巻/扶桑社)が累計60万部の大ヒット中。アラサー世代の恋愛観を切実かつコミカルに描き、女性たちの共感を得るが、実は男にとってはモテ指南書でもある。昨年には壇蜜さん主演でドラマ化。エッセイ漫画『女くどき飯』(ぐるなび内「みんなのごはん」に連載)も好評。1984年生まれの30歳。猫が好き。
Text:Tomoko Oishi
Photo:Riki Kashiwabara