やっぱり空冷! でも隣の
ナインイレブンとの差別化も欲しい!
今を生きるイケフォーにも、20代、30代の若かりし頃に憧れていた“クルマ”がいくつもあったのではないでしょうか。そんなクルマたちが今、中古車市場でどうなっているのか? イケフォーへ向けた、「あの頃憧れていたクルマ」の現状を、輸入車業界で活躍中の岩崎公一氏(51 CARS)協力のもと、ご紹介する新連載をスタートします。
もしかしたら、当時より手が届くものになっていたり、はたまたプレミアが付き高騰していたりと、あの頃の思い出とともに楽しんでいただければ幸いです。40男のライフスタイルをより豊かなものに、様々な角度からクルマを検証します。
記念すべき第1回は、昨今価格高騰が激しい人気車種993型のポルシェ911タルガです。空冷最後のモデルとなる993型は、愛好家からの人気も高く、中古車市場でも高価格を保っているポルシェのひとつです。
リアフェンダーも1つ前の964型よりワイドになり、走行安定性の向上もかなり図られており、現代のスポーツカーと比べても高いパフォーマンスを発揮することができるのが特徴です。
1995年モデルよりシフトレバーに加えて、ステアリングスイッチでの変則操作が可能となり、よりイージーにスポーツ走行が可能となりました。
ベバスト製電動スライディンググラストップが採用され、ファストバックスタイルになったのが、993型タルガモデルの最大の特徴です。
993型はネオヴィンテージモデルとはいえ、オイル関連のメンテナンスを怠らなければ、大きな故障やトラブルもなく、安心して維持できるのもポルシェが時代を経ても愛され続ける理由かもしれません。
リトロニック(HID)システムは、今でこそ国産コンパクトカーにも採用されている一般的な技術ですが、3世代前の993型モデルから採用しているのもポルシェ社が様々な新技術を早い段階で採用する素晴しい安全への取り組みの現れだと思います。
1998年まで生産されてきましたが、このモデルの終了をもって空冷エンジンが姿を消しました。コンパクトボディからなるスポーツカー特有の人馬一体なドライブ感や官能的なエンジンサウンドは乗るものすべてにワクワク感をドキドキ感を与えてくれる今となっては貴重な車です。価格が高騰した今でも人気があるのも、納得せざるを得ません。
ちなみに、993のふたつ前のモデル930はおりからの円安の影響で、どんどんと海外へ売られているようで、国内市場にあるもものもどんどん価格が上がっています(400万〜1000万円が相場でしょうか)。となると964型の値ごろ感(相場400万〜800万円)が目に付くのですが、実用性を考えると、そこに少しお金をプラスして993型に行くのがベターでは?
RSやターボなどの希少モデル以外の993クーペの相場は450万〜880万円。今回ご紹介したタルガも希少で、850万円を販売予価としているとか。いずれにせよ、良い状態の993に出合う最後のチャンスが今かもしれません。記録簿をよく確認するのが中古車購入のポイントですが、993もその例外ではありません。
Special adviser:Koichi Iwasaki(51 CARS)
Text:Kenji Takao(HIP)
【スペック】
車名:ポルシェ 911(Type993) 911タルガ
年式:1996/H8
走行距離:4.6万km
色:ガーズレッド
記録簿:あり
修復歴:なし
価格:850万円
【問い合わせ】
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