無類のコスパを堪能できる
オメガ自慢のラグジュアリーウォッチ
そろそろ自分らしい腕時計との出会いを真剣に考えている40男の皆様に、『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』がオススメしたい選択肢のひとつが“ヴィンテージウォッチ”です。
その世界は奥深く、手頃な価格で買えるコスパ重視の時計もあれば、果てはオークションで競り落とされる数千万円台の投機の対象となるプレミアムな個体も数多く存在します。実際問題、ヴィンテージって聞くと妙に敷居が高く感じられたり、あまりの人気から偽物が出まわっているグレーな世界であることは否めません。それもあって、どうも二の足を踏んでしまっている方が大勢いると思います。
そこで、この連載では、ウンチクに寄り過ぎず、今どきのファッションにもしっかりとハマる腕時計であることを前提に、絶対にはずさない名機の購入ガイダンスを中心にいくつかの切り口から幅広くヴィンテージウォッチを紹介していきます。
今回はオメガの傑作「コンステレーション」を紹介します。第一にヴィンテージウォッチのオメガを語る上で欠かせないのが圧倒的なコストパフォーマンスにあります。なぜ、このような評価を得られるようになったのか、そこには明確な理由があるのです。
OMEGA CONSTELLATION
1967年製、自動巻き(cal.561)、SSケース、ケース33.5mm径/30万2400円(税込)
1968年製、自動巻き(caL.564)SSケース&ブレスレット、ケース径33.5mm/21万8400円(税込)【問い合わせ】
ケアーズ 東京ミッドタウン店 03-6447-2286 http://www.antiquewatch-carese.com/index.html
当時のオメガがムーブメントの開発で求めていたことは、堅牢性が高く、なおかつ高精度。しかも大量生産が前提にもあったことから、複雑な作りではなくシンプルな設計がモットー。これからの意図がヴィンテージウォッチとしてのオメガにもたらしたアドバンテージは極めて大きいものでした。
簡潔にまとめると、タフで精度が抜群。流通数も多いことからもパーツが入手しやすく、それゆえメンテナンスもしやすい。つまり、プロダクトして非常に優秀なんですね。
その魅力が体感できる名作のひとつが、オメガの自動巻きの代表作「コンステレーション」なのです。
「コンステレーション」の初出は1952年。すでに1940年代ではロレックスの“バブルバック”が評価されていたことから鑑みると、自動巻きとしては後発の部類に入りあすが、これはマイナスどころか、むしろプラスとして捉えるべきです。
なぜなら、「コンステレーション」のムーブメントは、出荷台数のすべてがクロノメーターの精度基準をクリアするという前代未聞の偉業を成し遂げていまして、つまりムーブメントの品質はお墨付きってことなんです。
これに匹敵する「コンステレーション」の強みが、高級機にふさわしい最上級の素材と仕上げと施された外装にあります。しかもさまざまなバリエーションが存在するので、好みに合わせた個体を探すことが可能。
というワケでその一例を紹介します。こちらはともに1960年代の個体です。
まずは割と球数があり、探しやすいシルバーの文字盤から。オリジナルのブレスが付いていることはじめ、コンディションは全体的に良好。それもあってか、「コンステレーション」の特徴である12角の立体的なダイヤルの美しさが際立ち、視認性の高いドルフィンハンドもほどよい主張があります。34mm以内で収まるケース径も相まって、スポーツウォッチとドレスウォッチのちょうど中間的な佇まいだといえます。
続いて、極上のミラーダイヤルで仕上げた個体について。同年代のステンレスのケースですが、文字盤ひとつでここまで印象が様変わりします。一点の曇りもない漆黒の文字盤とゴールドの針やインデックスとの組み合わせは艶っぽいので、これひとつで十分腕元を飾れます。しいて弱点を挙げるとするなら、ミラーダイヤルはないしは黒の文字盤は入手が難しいので、購入はあくまでも出会いありきになってしまうことでしょうか。
それぞれテイストは異なる2本の「コンステレーション」ですが、ここで改めて注目したいのが価格です。これだけのポテンシャルを持ちながら、非常にこなれた価格で購入できるんです。これもまたヴィンテージウォッチの分野における、オメガというブランドの魅力であり、醍醐味のひとつだといえます。
精度とエレガンスの頂点を極めた「コンステレーション」。味のある個体も悪くはないのですが、ここはひとつ状態のいいものを探して、イマドキのファッションにフィットさせてみたいものですね。これからの時季のジャケットスタイルの腕元にもハマるはずです!
Photo:Yasuhisa Takenouchi
Text:FORZA STYLE