ポルシェに負けない性能ながら
コスパ度も非常に高いのが魅力
モータージャーナリスト九島辰也が、イケフォーへ向けたクルマ選びを提案する連載。格好よくて、走りがいいだけではない、ミドルエイジのライフスタイルをより楽しく、豊かにするクルマ生活を当連載では考えています。題して、「イケてるクルマ選び(略してイケクル)」。
第4回となる今回はアメ車のキング、シボレー・コルベット。大きくて、大排気量をドロドロと奏でながら、マッチョなアメカジ男が乗るイメージの強いクルマですが、それは過去の話のようです。2014年にデビューを飾った7代目コルベットはヨーロッパ車のようなジェントルマン性も備えたようで、それを1ヶ月日常使いした九島辰也の評価はいかに?
シボレー・コルベットというクルマがあります。言わずと知れた“アメ車”です。大きなエンジンでドーン! と白煙あげて立ち去るイメージをお持ちでしょうか。
ですが、イマドキのコルベットは違います。完全なグローバルカー(世界戦略車)です。見た目からスペックまでヨーロッパの、たとえばポルシェやマセラティといったエキゾチックカーと遜色ありません。パワーもスタンダードモデルで460ps、トップエンドのZ06(ジーオーシックスと呼びます)で659psに達します。ご存知ですか? ポルシェ911ターボSですら560psなんですよ。
いまなぜコルベットの話をするかと言うと、この夏1ヶ月のロングタームテストドライブをしているからです。このハイパフォーマンスモデルを日常的に使うとどうなのか! というテストです。クルマはクーペZ51。6.2リッターのV8ユニットは466psを発揮します。
結論ですが、このクルマは日常的に乗れます。確かに100円パーキングやコンビニの駐車場でホイールを擦る危険性はそれなりにあります。後輪20インチのホイールは相当高そうです。
ですが、走りはいい感じです。といってもエンジンがいいのは当たり前で、すべてにおいてスムーズだということです。加速、ブレーキング、巡航と大きなエンジンの余裕がそのまま走りを大人にします。

大ぶりながらホールド性も高いスポーツシートを採用。BOSEのサウンドシステムもゴキゲン♪
なので、日常的に使っているとやんちゃな走りではなく、自然とジェントルな走り方になってきます。よって、車線変更もラックラク。ほぼ100%スペースを空けてくれます……(笑)。
アメリカ車のいいところは値段がスペックに対してお手頃だということです。コルベットの価格は約1000万円。同スペックのヨーロッパ車は1500~2000万円が相場です。でも、見た目そんな価格差は感じません。いやぁ、とんでもないバリューフォーマネーですね。しかもアメリカ車は自動車ヒエラルキーの外側にあるようなもの。この辺をシレッと乗るのって逆にクールだと思いませんか?
Text:Tatsuya Kushima

モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2014-2015日本カーオブザイヤー選考委員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員http://www.tatsuyakushima.com/index.html

シボレー・コルベット クーペZ51
サイズ:全長×全幅×全高=4510×1880×1230mm
ホイールベース:2710mm
車重:1580kg
駆動方式:FR
エンジン:6.2リッターV8 OHV 16バルブ
トランスミッション:8段AT/7速MT
最高出力:466ps(343kW)/6000rpm
最大トルク:64.2kgm(630Nm)/4600rpm
価格:1118万円~(税込)
【問い合わせ】
GMジャパン・カスタマーセンター
0120-711-276
http://www.chevroletjapan.com/cars/corvette-coupe/model-overview.html