今どきの“ヴィンテージ顔スポーツ”とは!?
腕時計とは時間を計るだけの道具にあらず。時刻を知るためだけならば、スマホでも問題ないわけで。それでも腕時計を身に着けるのは、やはり趣味趣向、ステイタスなど、時計の向こう側に人間性までも“垣間見えてしまう”アイテムだからなんですね。だから、疎かにはできないのです。そこを踏まえて『FORZA STYLE(フォルツァスタイル)』では、40歳にして着けておきたい腕時計の選びを提案します。
で、その答えというのが、“2本持ち”なんですね。ドレスやスポーツなどの時計を2本持つことで、より人間としての奥行きや幅を“あえて垣間見せよう”という魂胆です。確かに、デイリーなスポーツウォッチだけでなく、キメるときのドレスウォッチを持っているとなんだか奥行きが感じられますよね。というわけで、本企画では“2本持ち”に推奨したい大人の腕時計を紹介していきます!
今回のテーマは、“ヴィンテージ顔スポーツ”。つまり、ガワは復古調、中身は最新というスポーツウォッチです。アンティークなど“古き良きもの”の魅力は、その時代にしか出せないディテールや時代の空気を纏ったデザインにあります。どこか懐かしく、温かい。古着などに感じる魅力に通じますね。ただ、時計にとってのヴィンテージは、実用面で現行品に劣る部分もあります。壊れやすく、雨などの水に弱い。それゆえ現在の技術を駆使して生まれた復刻モデルは今人気なのです。そんなヴィンテージ風ルックスを備えたスポーツウォッチを“ヴィンテージ顔スポーツ”と銘打ち、推奨する次第。性能が重視されるスポーツウォッチにおいて、顔立ちはヴィンテージというギャップが格好よく、見事に“イイトコ取り”できてしまうんです。スーツにもデニムにも似合う、厳選の3本をご紹介!
1.懐かしくても古びない、ヴィンテージパイロット
計器をモチーフにした角型BR01シリーズが有名なベル&ロス。一方で根強いファンを持つ丸型BRシリーズに加わった本作スポーツヘリテージは、1960年代の民間機パイロットが着用した腕時計から着想を受けたモデル。ボックス型のサファイヤ風防、ベージュカラーの夜光、トロピック調のラバーストラップなど、随所にヴィンテージテイストを盛り込んでます。アンティークウォッチだと、プラ風防が主流。それをサファイヤガラスでボックス型にするのは、現代の技術がなせる技。ベル&ロスらしいモダンさを備えた“ヴィンテージ顔スポーツ”の先鋒といえるでしょう。

2. 最新技術で再現された60年代ダイバーズ
ダイバーズウォッチにも名作が多い良心的なウォッチメーカーのオリス。1965年に登場したオリスのアイコン的ダイバーズが復刻。ケースは40㎜径にサイズアップしながら、こちらも21世紀の最新技術を用いてリファインしています。サファイヤガラスを採用したドーム型風防には無反射コーティングを施し、水中視認性をアップ。ベゼルも、今のダイバーズでは常識の逆回転防止型にアップグレードしました。また、12、3、6、9の各アワーマーカーは、ヴィンテージ風の夜光を反転表示。先のベル&ロスと同様に、トロピック調のラバーストラップもレトロモダンの雰囲気に拍車をかけています。

3.復刻を得意とする名門が作る、ヴィンテージダイバーズの顔
創業以来変わることなく、スイス・サンティミエに拠点を置くロンジンは、多くの歴史的タイムピースが収蔵されているため、復刻を得意とするブランド。1953年に達成された深海潜水艇トリエステ号の3150m潜水記録を計測したという歴史も持っています。その名誉ある記録へのオマージュとして1960年代にオリジナルを発表。2007年に復刻されたのが本作です。インナーベゼルを備えたシンプルなダイヤルデザインに加え、“ヴィンテージ顔ダイバーズ”に欠かせないサファイヤグラスのドーム型風防を備え、今でも新鮮に映るクールな表情が人気な、復刻時計の嚆矢なのです。

Text:Masashi Takamura
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