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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
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世界中のミーハーから注目を集め
市場に勝ち残り続ける40男が
思い通りの状況を作るために実践している8つの習慣。

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売れる店、並ぶ店って、要は"みんながワクワクするような話題を作り続けられるお店"だと思うんです。

【目次:2ページ目】
●飲食事業って、どうやって作るんですか?
●話題性を因数分解すると、ヒットの法則がみえてくる
●うちの母親が知ってるかどうかが基準(笑)
●僕がやりたいのは"ホット・トーキョー"なんです
●次に来るのは「×××屋」

●ところで「飲食事業」って、どうやって作るんですか?

--飲食事業と一括りに言えど、様々な取り組み方をされておられますが、もう少し詳しく、成り立ちをお伺いしてもよいでしょうか。

中村氏:飲食オペレーションって、3種類あるんですよ。1つ目は、オリジナルの飲食店。最近だと「Pacific DRIVE-IN(パシフィック ドライブイン)」ていうのを、鎌倉の七里ヶ浜に作ったんですけど、これはね、もう海辺を走っていてこういう店があったらいいよなぁ、っていうイメージが初めから頭に鮮明に浮かんでた。名前も僕が考えるんですけど、パッと決まった。アウトプットの方向性が明確にあるから迷いも少なかった。

干場:確かにこのネーミング、すごい良いなぁって。名前とこの絵だけで行ってみたいなぁって思いますよね。

Pacific DRIVE-IN(パシフィック ドライブイン)http://pacificdrivein.com/
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中村氏:2つ目は、飲食機能を持っていない企業の飲食店。これは結構、うちの仕事の特徴かもしれない。たとえばGUCCI(グッチ)とか、はじめはラグジュアリーブランド、ファッションブランドがカフェをやる、なんて展開が中心だったんですけど、その次にレクサスとか、スカイツリーの展望台のカフェとか。森ビルと組んで虎ノ門ヒルズのヒルズカフェとか、色々やってきて。まぁ、飲食だけじゃなくて、色んな取り組み方の出来るうちだからこそ請けられる仕事なのかな、とは思います。

INTERSECT BY LEXUS TOKYO http://www.lexus-int.com/jp/intersect/

干場:ビッグネームばっかりじゃないですか……!

中村氏:そうなんです、うちの一番の強みはクライアントのラインナップがすごい事。それを狙っていた訳ではなかったんですけどね。例えば、今話に出たような、TOYOTA、森ビル、伊勢丹、GUCCI……他の飲食業では絶対に出てこないようなネームが続々出せる。そこと継続的に仕事をしているっていうことが信頼感を生んで、また次の仕事に繋がっていくという良い循環はあります。

中村氏:3つ目が、飲食店のプロデュース。bills(ビルズ)※リンク先参照がその事例ですね。もともと、こういうプロデュース業をやるつもりはなかったんですけど、たまたまうちで立てていた企画があって、それをタイミング良くご一緒する機会を得て、スタートしたような感じです。

干場:プロデュース業って、1つ目2つ目とはまた違った難しさがないですか?

中村氏:そうなんですよ。うちがプロデュ―スするってどういうことかっていうと、要は"話題づくりの出来るお店"であることが求められるんですよね。

思わず「いいね!」って言いたくなるような、話題性が求められるんですね。
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●"話題性"を因数分解すると、ヒットの法則がみえてくる

--色んな状況や条件があると思いますが、それぞれの環境下で確実にヒットさせるための仕掛けやロジックは、どうやって仕込んでいくものなのでしょうか。

中村氏:「どうやって話題を作るか?」ってことで言うと、まず店名とコンセプト作るんですけど。

干場:店名から入るんですね。

中村氏:だいたい名前は僕が決めるんですけど、分かりやすい名前が好きですね。その次にコンセプトを決める。解りやすいキャッチフレーズが必要なんですよ。だから雑誌をバーッと見て、どんなフレーズが頭に残るのか調べる。キャッチフレーズが頭に残ると、非常に愛着を持って接してくれるんですよね。

干場:なるほど。言葉の響き方が大事だと。

中村氏:そう。で、その次にやるのがそのお店を因数分解するってこと。これ、僕数学が得意じゃないんで、このフレーズが正しい表現方法かどうかはわからないんですけど、そのお店を構成する要素を細かく分けていくんです。例えば、5つ位のテーマやパーツに分解してみる。

干場:下ごしらえみたいな感じですね。

中村氏:そう、これね、やってみると解るんですけど5つ位に分解した所でまず息詰まる訳ですよ(笑) そしたら、パーッと本屋さんに出掛けて行って、色々アイディアやヒントになりそうなことを自分で手に取って調べるんですよ。ありとあらゆる雑誌のページをめくってみて、どういうコンテンツで一冊の雑誌が成り立っているのか、そこにはどういうリード文とか特集が載っているのか……。構成に必要な要素をザッと掴む。それを今度はお店に当てはめてみて考えるんです。どこにどの要素を入れるか考えて、詰め込んでいく。

干場:全方位網ですね……。

中村氏:だから店づくりって、雑誌の編集と似てると思いますよ。例えば最近、ポップアップショップ(期間やテーマを限定した出店スタイル)が話題だなぁって何となく思ったら、”海に関する絵本”を作って「Pacific DRIVE-IN(パシフィック ドライブイン)」の店内で展示してみたりとかね。店がオープンした後もネタを考え続けます。

干場:常に話題を出し続けるのが大事なんですね。次号の特集や表紙の登場人物を考えるように。

中村氏:そうです。言うならば、テレビの取材と雑誌の見開きが取れるネタって何なのかを考え続けている今、何が一番最強なコンテンツなのか。そこに刺さっていくものでないとダメ。

今年2015年は、本当にかき氷の当たり年でした。
「ICE MONSTER」 http://www.transit-web.com/shop/ICE_MONSTER/
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●うちの母親が知ってるかどうかが基準(笑)

--今、テレビや雑誌では、どんなネタが一番刺さるのでしょうか?

中村氏:「日本初」「表参道」「行列」。扱うネタで一番良いのは「デザート」ですね。「日本初」っていっても、日本人に馴染みのある国じゃないとだめ。そこはね、聞いた事のない国の名前が出て来てもすごいかどうかわからないじゃないですか。ブームになってるかどうかは、うちの母親が知っているかどうかが基準ですかね(笑) 逆に、仕掛ける前のものを、母親が知ってたらダメ。

干場:なるほど(笑)

中村氏:去年ちょうど、雑誌の特集で韓国とか台湾が流行ってるなぁって思って。台湾に実際に行ったら、食べ物も美味しかった。その頃、次はかき氷が来るんじゃないかなぁって思ってたので、早速ICE MONSTER(アイスモンスター)*台湾で人気NO.1の新食感かき氷 と交渉をはじめて、今年2015年4月にオープンしたらドンピシャ。

干場:かき氷が次来るって、何で解ったんですか?

中村氏:僕、趣味インプットなんで(笑)

干場:情報収集、どんな風にされてるんですか? その嗅覚が恐ろしい(笑)

中村氏:いやいや。僕は超アナログなんで、基本は雑誌ですかね。

干場:好きな雑誌ってどのあたりですか。

中村氏:特に好きな雑誌はコレっていうのはなくて、いわゆる経済誌と呼ばれている物以外は大体なんでも読みますよ。あと、僕と同じミーハーな仲間達と、夜な夜なよもやま話するのが、結局一番の情報源かもしれない。

干場:人から伝わる情報って、やっぱり、温度が他とは違う感じしますもんね。

中村氏:そうですよ。誰かに伝えたくなるような情報ってすごくワクワクするじゃないですか。僕ね、趣味はインプットって言いましたけど、一番大事なのはアウトプットする事ですよ。ひたすら手元に良い情報があればあるほど、どんどん周りに情報を公開する。このアウトプットを高めているとね、どんどんレベルの高いインプットも勝手にできるようになってくるんです、不思議なもので。「かき氷、これ流行るよ」って思ったら「かき氷、絶対流行る」って周りに言っちゃうんです。そしたら、なんか「かき氷やばくない?」ってなってくんですよ。アウトプットし続けるって大変だけど、状況を理想的な流れに持って行くことだって出来ちゃう。

干場:仕掛け人とミーハー軍団が声を揃えて「かき氷ヤバい」って言っちゃったら、それで世の中のムードを動かしてしまえる、と。最高だなぁ(笑)

中村氏:そう(笑) 僕ね、師匠(故・藤巻幸大さん。中村社長の伊勢丹在籍時からのご縁でトランジット社の特別顧問でもあった)から教わって一番頭に残ってる言葉があって。「ビジネスは運と縁とセンス」っていう。それって実は結構、みんなに平等に与えられていることなんですよ。

干場:運、縁、センス……

中村氏:せっかくね、ご縁があったとしても、それをより良い縁にするために、連絡を取り続けたり、良い縁に変える努力をすることが出来る人は意外と少ない。良い映画を見たり、良い音楽を聞いたり、センスの良い人と交わったり、センスを磨くための積み重ねが出来る人は少ない。運って要はタイミングなんだけど、やることやって周り見て準備していないと、タイミングが来てても解らないんですよ。

干場:うわーーー。

中村氏:めんどくさがったら縁も良い縁にならないし、センスも良くならないし、スピードなんてめんどくさがったら一番上がんないんですよ。だから、やっぱミーハーで居る事って大事だし、才能かなって思います。

干場:確かに! 行動力の塊ですもんね。

中村氏:そう。やっぱ努力を努力って思わないくらいポジティブじゃないと、人がワクワクするようなものって生まれないですよ。

▶「イケ男の流儀」メモ④
・これだと思ったら言い続ける、それによって状況を作り出すことも出来る
・人がワクワクするものは、自分が一番ワクワクしてないと生まれない

名言量産中の中村社長。2作目になる仕事術本の出版も、そう遠くはなさそう?
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●「ホットトーキョー」なんですよ、僕にとって大事なのは。

--近年では、"日本から海外へ"文化や事業を展開する動きも多い中、中村さんは何故、海外からの"日本初上陸"というものに惹かれたのでしょうか。

中村氏:ちょっとだけね、言わせてもらうとしたら"クールジャパン"てあるじゃないですか。あれって、もちろん日本の素晴らしい所を世界に知ってもらう為にやってることなのは解るんですよ。だけど、どこかマニアックであることに意義があるみたいな。ちょっと"オタク"っていうものが日本発信の独特の文化だということも、それを世界に紹介すること自体にも否定的ではないんですけど、ただ、あまりにもマニアックなことって、ミーハーな僕からすると、ちょっとよく解らない事もあるんですよ。

干場:日本のポップカルチャーですって言われても、多分お母さんは知らない(笑)

中村氏:そう、だから、僕がやってるのは”ホットトーキョー”なんです。「日本で初めて」世界中の本当に良いものを、自分の国に持って来たい気持ち。それがまず一つ。あとね、世界中のトレンドセッターが知ってる"世界一のドミニクアンセルベーカリー"が、なんと日本に、東京に、その二号店を出店する。それってね、もしかしたら凄さは日本人には伝わらないかもしれないけれど、実はすごい事なんですよ。

干場:あーーー。世界中のミーハーが噂し始めるわけだ(笑)

中村氏:「あのドミニクが日本に出すんだってよ」って、世界中のミーハー軍団が知る事になる(笑) そうすることで、日本の東京って、やっぱりすごいとこなんだなってなるんですよ。「日本発」よりも「日本初」にすることで、そういう価値づくりに貢献できるって気づいた。だから、この初上陸ものって、国内だけの観点でなくて、世界中に影響のある事をしているって思うから、すごい面白いんです。

日本初!って、それだけの意味ではないから面白いんです。
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●次に来るのは「×××屋」です。これ、オフレコで(笑)

--今日は本当に限られた時間で、こんな沢山の良いお話お伺い出来てそれだけでも十分なんですけれど……。最後に一つ、FORZA STYLEだけのネタ、何か下さい!(笑)

干場:ホントねぇ、メモる場所がないくらい(笑) そうそう、さっき「日本初」「行列」「表参道」「デザート」ってキーワード、頂きましたけど。まだ出てないやつ、ありましたよね。あれ、コソッと教えてくださいよ~(笑)

中村氏:あ。次、取りに行くのはね、×××屋さん。(意外にあっさり・笑) もうね、幾つか都内でもそのカテゴリのお店出て来てるんですけど、もっとホンモノを取って来ようと思ってますよ。

干場:おおおお! それ……、書いちゃっていいですか? 独占スクープ(笑) 

中村氏:んー。でも、取れない可能性も高いからな~。(駆け引き上手)

干場:じゃぁヒントだけでも。そこに目を付けたのは、何か理由があるんですか?

中村氏:ポイントはカラダに良いってこと。僕ね、最近すごい太っちゃったんですよ。やっぱり、健康に気を使った方がいいかなって思って。

干場:いやほんと、健康は気になりますよ。仕事でお酒を飲む機会も多いじゃないですか。そういう時でも、ちょっと健康に気を使ったお酒の割り方とか、流行るかも知れないですね。

中村氏:そうそう、カラダにいい食事。テーマとしてね。次はそれかな。

干場:なるほど……。ぜひ続報、教えて下さいね(笑) あと、僕もカラオケ大好きなんで、今度なんかやりましょう!

中村氏:良いですねー。カラオケ対決しましょう。僕は歌わないですけど(笑)

干場:あはははは(爆笑) いやぁ、本当に今日はめちゃくちゃ面白かったです。ありがとうございました!

中村氏:こちらこそありがとうございました!

+++++++

まとめ:世界中のミーハーから注目を集め、市場に勝ち残り続ける40男が、思い通りの状況を作るために実践している8つの習慣。

・話していてモチベーションが上がる人になる
・やりたくない事をやってくれてる人達が居ると解っておく
・半分は自分のやりたいこと、半分はみんなの給料を上げるために仕事する
・事業も、自分も、キャラ立ちをハッキリさせる
・業界や市場の中での生き残りゲームに、残る努力をする
・自分だけが生き残るんじゃなくて、下の世代を育てて、横にも繋げる
・言い続けることによって状況を作り出す
・人をワクワクさせたいならば、自分が一番ワクワクする

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"イケ男"とは……
自分を因数分解して、メンテナンスし
続けられるヒト
さて創刊半年を記念しスタートした、"FORZAなヒト"にせまるインタビュー企画。いかがでしたでしょうか? 計2回の記事に収めるには勿体ないほどの取材メモを振り返りながら『努力を努力と思わないほどポジティブじゃないと、人をワクワクさせるものなんて作れないですよ』という中村社長の一言が、ずっと頭の中をリフレインしていました。イケ男とは、自分を因数分解してメンテナンスし続けられるヒト、なのかもしれませんね。長文にお付き合い頂きありがとうございました。ご感想や次回ゲストへのリクエストなど、FORZA STYLE公式Facebookへのコメントもお待ちしています!

#1 飲食店で働いた事もなく、英語も話せない僕が、新店舗の9割をヒットさせる高打率バッターになれた理由。 ←インタビュー前篇はコチラからどうぞ!

#2 世界中のミーハーから注目を集め、市場に勝ち残り続ける40男が、思い通りの状況を作るために実践している8つの習慣。 ←はじめからもう一度読む

Text:Miho Iizuka(media closet)
Photo:Yoshitsuna Sato(peace monkey)

(撮影協力)TRANSIT GENELAL OFFICE 本社OFFICE
https://www.transit-web.com/

 



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