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クラシカルな手提げタイプの
スーツケースに注目

舞台は、1962年ギリシャのアテネ。ツアーガイドのアメリカ人青年と裕福なアメリカ人夫婦が出会い、破滅へと向かっていきます。

登場する男たちが追い込まれるほどに、ただれた色気を放っていく心理サスペンスは、『太陽がいっぱい』や『リプリー』などで知られる原作者パトリシア・ハイスミス作品の特徴といえます。

本作では、ヴィゴ・モーテンセンが演じるチェスターの変貌に注目です。昼間はオフホワイトのスーツとハットでパルテノン神殿を観光し、夜はブラックのタキシード姿で高級レストランのディナーを満喫する。一切抜かりのないファッションでリゾートを楽しむ彼の正体は……。

実は、アメリカからギリシャに逃げてきた投資詐欺師。クライアントに雇われた探偵を誤って殺してしまったチェスターは大慌てで荷造りし、妻のコレット(キルスティン・ダンスト)を伴いホテルから逃亡します。不運なことにそこに巻き込まれてしまうのが、彼らのガイドを務めたアメリカ人青年のライダル(オスカー・アイザック)。国外逃亡を企てるチェスターのために偽造パスポートを手配させられ、潜伏場所のクレタ島へも同行させられるはめに……。

ファッションも言動も一分の隙もなかったチェスターは、ギリシャ語を操る頼りがいのあるライダルに惹かれていくコレットに嫉妬し、アルコールに逃げて醜態を晒し、さらに妻に愛想を尽かされて……という悪循環に陥り、スーツも心もボロボロに。

そんな彼が唯一頼れる感を発揮するのが、妻と自分のスーツケースを軽々と持ち運ぶたくましさ(大事なお金が入っているから他人に触らせない、という小物感はさておいて)。
この時代のスーツケースは当然、キャリータイプではなく手提げ型。本来は自分で持ち運ばず、ポーターやボーイに任せてチップを払うわけで、さまざまな意味で余裕のある人にしか似合わないアイテムなのです。

ガラガラと車輪音がうるさいキャリーバッグでももちろんありなのですが……。いつかは、手提げタイプのスーツケースにタキシードを詰めて夏のリゾートに出かけてみてはいかがでしょう? いざとなったら2個持ちできる腕力造りもぬかりなく。筋トレのモチベーションアップには、サウナでの乱闘シーンで観客の度肝を抜いたヴィゴ・モーテンセンのバッキバキの全裸ボディが拝める『イースタン・プロミス』がおすすめです。

Text:Takako Sunaga


『ギリシャに消えた嘘』
4月11日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
原作:パトリシア・ハイスミス
監督・脚本:ホセイン・アミニ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、キルスティン・ダンスト、オスカー・アイザック

2014年/イギリス・フランス・アメリカ合作映画/96分/原題:The Two Faces of January
公式HP:http://www.kieta-uso.jp/@CIM Productions
配給:プレシディオ

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