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【再録】ビジネスは腕時計に宿る
Vol.1 ジャック・マー(アリババ創業者)

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お金があるからこそ、腕時計を着けない男

スマートフォンで時間が分かる時代なのに、ますます高級腕時計が売れています。今や高級腕時計は“嗜好品”。贅沢を楽しむアイテムだからこそ、そこには所 有者の主義・主張が表れる。旬なビジネスマンが愛用する腕時計には、彼らの頭の中が反映されているということ。つまり明日の経済を占う指標になるのです。

スマートフォンがあれば腕時計は不要、という意見がありますが、それは至って真っ当な考え方。アナログな機械式時計に大金を投じるのは、愚の骨頂かもしれません。しかし実際には腕時計は、世界中で売れている。

それは腕時計が実用品ではなく、スーパーカーやハイブランドのバッグ、あるいは高級ワインと同じような“嗜好品”だから。所有者がステイタスを楽しむためのアイテムであり、自己満足の小道具なのだから、無駄使いだと揶揄するのは“粋”ではありません。

しかしながら例外もある。その嗜好品が「賄賂」だったら、それは大問題です。

中国市場は時計業界最大のマーケットですが、その躍進の大きな理由は賄賂。酒池肉林の接待や高級車などの贈り物はどうしても目立ってしまいますが、腕時計ならスーツの袖口に隠れる。そこで高級腕時計を賄賂につかう手口が横行したのです。

しかし高い税金が役人の高級腕時計に化けることを、当然ながら庶民は許さない。役人が着けている高級腕時計を鑑定し、「コレって賄賂じゃないの!」と糾弾するサイトが立ち上がり、実際に高級官僚が逮捕される大騒動にまで発展したという(その後、サイトは当局によって閉鎖)。

つまり、中国において「高級腕時計を着ける」ということは、己の粗をさらすという事に等しい。これ見よがしに高級腕時計を着けることは、必ずしもいいことばかりではないため、人目につく場所に現れる際は、色々な意味で相応のモデルを着ける必要があるのです。

例えば、実業家のジャック・マー。彼は世界最大の電子商取引会社アリババの総帥であり、先日、ニューヨーク証券取引所で行ったIPO(新規株式公開)によって、巨万の富を手にしました。これほどまでの成功者であれば、どんなに派手でインパクトがある高級腕時計を着けていても問題はないはずですが、実際に彼の写真を見ると、ほとんど腕時計を着けていることはない。なぜでしょう? 

 

大富豪の腕元に見え隠れする、狡猾な戦略 次ページ >>



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