国内最高齢だった女性が116歳でお亡くなりになった。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「1907年のお生まれだったので、明治、大正、昭和、平成、令和と5つの時代を生きたことになります。これにはあっぱれです。総務省の統計によると我が国は、総人口が減少する中、高齢者人口は2022年9月の時点で3627万人と過去最高を記録しています。人口に占める割合は、29.1%。今後もこの割合は上昇を続けると見込まれています」。
65歳以上の割合が、2040年には35.3%にもなると予想されている。国民の1/3以上が高齢者ということになる。
「自身の親が長生きをしているなど、高齢化をリアルに感じている人も少なくないはずです。厚生労働省によると日本の平均寿命は男性で81. 05年、女性で87. 09年です。ここまで長生きするとなると人生プランも一転。70歳で働く人やクラブ活動など、精力的に活動する人も珍しくありません」。
今回はそんな70オーバーの高齢者たちが集うある場所でちょっと困った出来事を体験した女性に話を聞いた。
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小岩井和美さん(仮名・48歳)は、高齢者で賑わうとある場所でパートをしている。
「区民体育館で働いています。さまざまな定期教室がありますが、最近は高齢者に向けた教室が増えているように感じますね。健康な高齢者はデイケアなどにも通えないため、こういうところを利用するんでしょう。何もせずにいれば、筋力は衰えるだけ。少しでも動かして健康的に過ごしたい!そんな風に考えてらっしゃる、ある意味意識の高いご高齢のみなさんがいらしている印象です」。
和美さんはインストラクターではないものの。サポートという形でボールなどの機材を運んだり、客を誘導したり、細かなことを手伝うことがあるらしい。和美さんがそんななか、気になるのが高齢者の健康体操の教室だ。
「ご婦人達のやりとりを見ていると年齢を重ねても変わらないんだなーって。色恋沙汰とかがあって、かなり面白いんですよ。韓国ドラマ、見ているみたい。ただ、彼女達を見ていると自分の行く末が心配になると言うか…」。
そのクラスの定員は15名あまり。毎週、ほとんど変わらない顔ぶれが集まるんだという。
「下は60代から上は90代、女性が9割男性1割という感じです。ここでボス的な存在感を放っているのが、初江さんという75歳のご婦人。なんていうのか、いわゆる70代といった感じのいたって普通のご婦人ですが、いつも多くのご婦人達を引き連れて歩いているような雰囲気です」。
実はこのクラスには、初江さん率いるマジョリティチームから疎まれている女性がいる。それが高子さんだ。
「高子さんは85歳とは思えないほど、若々しい人。数名しかいない男性の参加者の隣にいつも腰掛けて、ニコニコしている姿が印象的で、すぐに覚えました。そんな高子さんのことを、初江さん達は色目を使っているとか若作りだとかこそこそなじっているんです。そうとも言えますが、私は逆に尊敬してますね。だって、年齢を重ねてもモテたいっていう気持ちがあるなんて素敵じゃないですか」。
しかし、初江さんたちからは非難の嵐らしい。