お年玉の「初動ミス」で出費が雪だるま式に…
ある金融機関が10代~70代の男女を対象に行った意識調査でお年玉をあげる相手について訊ねたところ、一番多く挙がったのが「甥・姪」で全体の約60%に及んだ。この時の調査では「自分の子供」と答えた人の約44%を抜いて甥と姪がトップだったという。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、年末年始のお金や贈り物のやりとりについてこう話す。
「クリスマスやお正月など、年末年始には身内のお子さんにお金がかかるイベントが多いですよね。友人同士であればギブアンドテイクなやりとりができても、身内だと貰う一方の側とあげてばかりの側とが分かれてしまう場合も。あげることいただくことを当たり前だと思わず、お互いの状況も考慮し、事前の打ち合わせを行うなど無理のないおつき合いをされることをおすすめします」
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年末年始のお金のトラブルについて取材していくと、甥っ子姪っ子の人数が多く、毎年その親である実妹たちから「たかり」に遭っている、とご立腹の40代独身女性からお話を聞くことができた。
「私には2人の妹がいますが、どちらもとっくの昔に結婚してそれぞれ3人ずつ子供がいます。男2人女4人の合計6人の甥っ子姪っ子にお金がかかりまくるので、とくに年末年始は好きじゃないですね(苦笑)」
最初のうちだけ笑顔を浮かべながらこう語ったのは44歳の会社員・小川原敦子さん(仮名)。
「真ん中の妹が第一子を産んだのが11年前。そのすぐ後に一番下の妹が出産して以降子供が次々に産まれて、気が付けば甥姪まみれとなりました。それで、これまで10年以上もの間、それぞれの子の出産祝い、入園入学はもちろん、毎年の誕生日にわんさかお金を使ってきました。
いい年をして、親が孫にあげるお祝いに乗っかるというのもダサいかなと初めのうちは思っていまして......」
お姉ちゃんが結婚して出産したらたっぷりお返しするからね、と2人の妹から「予告お返し」だけはされてきたものの、敦子さんは未だ結婚の機会に恵まれていない。
「女社長が立ち上げた女ばかりの職場で働いてきたせいか職場での出会いはなく、正直に言えば大学4年の時に彼氏と別れて以来20年以上ご無沙汰なんです。婚活に熱心だった時期には何度か続けて会った人もいたけど、その人たちは歴代彼氏にカウントしていません」
年収は450万円ほどだと教えてくれた敦子さん。決して高給取りではないのに、妹たちからは「お金持ちキャラ」として利用されてしまっていると話す。